テザリングとは?Android™・iPhone別の接続方法やメリット・注意点を解説
テザリング機能を利用すると、スマホから通信をシェアして、外出先でもパソコンやゲーム機をインターネットに接続できます。
テザリングはスマホからWi-Fi®を飛ばす、ケーブルで接続するなどの方法で、携帯電話回線の通信をほかのデバイスに共有できる機能です。
「テザリング」という言葉は聞いたことがあるものの、具体的にどのような機能なのか気になっている方もいるかもしれません。テザリングの使い方を理解しておくと、手持ちの通信機器の使い方の幅が広がります。
今回は、テザリングの接続方法やメリット・注意点を解説します。記事の後半では、ポケット型Wi-Fiとの比較も紹介しているのでぜひあわせて参考にしてみてください。
テザリングとは?
テザリングは、スマホの携帯電話回線での通信をパソコンやスマホにシェアできる機能です。スマホをアクセスポイントにすることにより、スマホをポケット型Wi-Fi®のようにして使用できます。
テザリング機能に対応のスマホで、テザリングが利用可能です。現在販売されている5G/4G/4GLTEに対応している多くのAndroidのスマホ、iPhone5以降のiPhoneが対応しています。
なお、携帯電話会社によってはテザリングが有料オプションになることがあり、料金については確認が必要です。
テザリングの種類
テザリングにはWi-Fiテザリング、Bluetooth®テザリング、USBテザリングの3種類があります。
以下では、各テザリング方法のメリット・デメリットをまとめました。
テザリング方法 |
メリット |
デメリット |
---|---|---|
Wi-Fiテザリング |
・複数台同時に接続できる |
・バッテリーの消費量が大きい |
Bluetoothテザリング |
・ペアリング(※1)して利用するのでセキュリティが高い |
・通信速度が遅い |
USBテザリング |
・通信速度が速い |
・USBケーブルが必要 |
※1 ペアリング:ワイヤレス通信規格のひとつであるBluetoothを使って、電子機器同士をペア(接続)すること(Bluetooth接続ともいう)
※2 USB PD対応:USB Power Deliveryの略称
Wi-Fiテザリング
Wi-Fiテザリングは、スマホをWi-Fiの親機(アクセスポイント)にして、各種デバイスを携帯電話回線に中継し、インターネットに接続する方法です。
複数のパソコンやタブレット、ゲーム機、カメラやプリンターなど、Wi-Fiに対応しているさまざまな機器を接続できるため、自宅のホームルーターとして活用できます。
また、Wi-Fiテザリングは、ほかの人のスマホを接続することも可能です。アクセスポイント名とパスワード、もしくはQRコードを共有することで接続できるため、家族で共有したいときにも利用できます。
Bluetoothテザリング
Bluetoothテザリングは、Wi-Fiと同様に無線でインターネット接続する方法です。Bluetoothテザリングの有効範囲は狭く、通信速度も遅いため、容量が大きいデータのやり取りには不向きです。また、複数の端末を同時に接続することはできません。
USBテザリング
USBテザリングは、スマホとインターネットにつなぎたい機器をUSBケーブル(有線)で接続する方法です。有線のため通信速度が速く安定していることや、セキュリティの高さが特長です。
テザリングを利用するメリット
新たにテザリングの利用をはじめる、ポケット型Wi-Fiの代わりにテザリングを利用するといった場合に、どんなメリットがあるのか以下で紹介します。
スマホひとつで外出先でも通信できる
スマホのテザリングを利用すれば、スマホひとつでWi-Fi環境を作ることができます。
外出先でWi-Fiを使う手段としてはポケット型Wi-Fiもあります。スマホのテザリングを利用するとポケット型Wi-Fiを持ち歩く必要がなく、荷物を減らすことができる点はメリットです。
ポケット型Wi-Fiの契約費用を節約できる
テザリングなら、今のスマホの通信契約だけでWi-Fiが使えて、ポケット型Wi-Fiの契約費用を節約できます。
ポケット型Wi-Fiを契約するとなると、目安として毎月数千円程度の費用がかかります。テザリングなら追加の費用をかけずに、外出先でパソコンやタブレットをインターネットに接続することが可能です。
テザリングをAndroid、iPhoneで利用するための設定のやり方
テザリングを利用するための設定方法は、AndroidスマホとiPhoneで異なります。今回は最も利用頻度が高いWi-Fiテザリングについて、設定と利用の手順をOS別に見ていきましょう。
Androidの場合
Androidを搭載したスマホの場合、メーカーによってメニューの項目名などが異なります。設定する前に、必ず利用しているスマホのマニュアルを確認してください。
また、Wi-Fiテザリングで接続できる端末は10~15台です。スマホによって異なるため注意しましょう。
(1)設定を開く
Androidの「設定」画面を開きます。
(2)「ネットワークとインターネット」を選択し、「アクセスポイントとテザリング」をタップする
設定画面で「ネットワークとインターネット」をタップします。スマホによっては「モバイルネットワーク」などの表示になっていることがあります。
「ネットワークとインターネット」の画面を開き、「アクセスポイントとテザリング」をタップします。
(3)「Wi-Fiアクセスポイント」を選択し、アクセスポイントの設定をする
「アクセスポイントとテザリング」画面で、「Wi-Fiアクセスポイント」をタップします。
「Wi-Fiアクセスポイント」画面で、「アクセスポイント名」と「アクセスポイントのパスワード」を設定します。アクセスポイント名やパスワードを設定するときは、個人の氏名や電話番号、職場などが推測できる単語は避けましょう。
テザリングを使う場合は、「Wi-Fiアクセスポイントの使用」のスイッチを右にスワイプしてオンにします。
テザリングを使う端末がないときに、自動で「Wi-Fiアクセスポイントの使用」をオフにする機能があります。機能を使うときは「アクセスポイントを自動的にOFFにする」をオンにしましょう。
(4)インターネットに接続したい機器で、Androidのスマホを選択
インターネットに接続したい機器でWi-Fi設定の画面を開き、(3)の「Wi-Fiアクセスポイント」で設定したアクセスポイント名をタップします。
(5)Wi-Fiパスワードを入力して接続
機器の設定画面で、(3)の「Wi-Fiアクセスポイント」で設定したパスワードを入力しましょう。アクセスポイント名とパスワードが一致すると、テザリングで接続できます。
iPhoneの場合
iPhoneのテザリング機能は「インターネット共有」と呼ばれています。また、iPhoneは最大で5台まで接続が可能です。
(1)設定をタップ
ホーム画面の「設定」アイコンをタップして、「設定」画面を開きます。
「設定」画面で、「インターネット共有」をタップします。
(2)「Wi-Fiのパスワード」を設定する
「インターネット共有」の画面で、「Wi-Fiのパスワード」を設定します。テザリングで接続するために必要となるため、メモなどに控えておきましょう。
また、短すぎる文字列や「0123456789」、「password」などの推測されやすい文字列は避けて設定しましょう。
iPhoneの場合、アクセスポイント名を変更するには「設定>一般>情報>名前」に進み、iPhoneの名前を変更する必要があります。
また、「互換性を優先」は、電波を2.4GHzに限定する機能です。接続する端末が5GHzに対応していない場合などに使う機能ですが、特別な事情がない限り設定する必要はありません。
(3)「ほかの人の接続を許可」をONにする
「ほかの人の接続を許可」のスイッチをタップしONにすると、テザリングが使える状態になります。
(4)インターネット接続したい機器でWi-FiとしてiPhoneを選択
インターネットに接続したい機器でWi-Fi設定の画面を開き、接続したいiPhoneの「名前」をタップします。
(5)iPhoneに表示されるWi-Fiパスワードを入力
(2)で設定した「Wi-Fiのパスワード」を入力し、接続します。
テザリングを利用するときに注意したい4つのポイント
テザリングはセキュリティやデータ利用量などの観点から、利用するときに注意したい点が4つあります。
使い方によっては不正アクセスや情報漏洩などのトラブルの原因になったり、スマホのデータ利用量が増えてデータ容量が不足したりするので、テザリングを利用する前に確認しましょう。
テザリングはデータ利用量が増える
テザリングは、携帯電話回線の電波を利用するため、スマホで利用している料金プランのデータ容量を消費します。
パソコンやゲーム機で大容量のデータをダウンロードする場合は、データ容量が足りなくなる可能性があるため、注意しましょう。
また、データ容量が無制限の料金プランを利用している場合にも注意が必要です。スマホのデータ容量は無制限ですが、テザリングを利用するときはデータ容量の上限が決まっている料金プランがあります。
もしテザリングを利用して大容量のデータをダウンロードする場合は、テザリング利用時にデータ無制限の料金プランを利用するのがおすすめです。
バッテリー消費が激しくなる
テザリング中は、スマホのバッテリー消費が激しくなり、スマホ本体が熱くなってしまうことがあります。
スマホ本体のデータ通信だけでなく、テザリングで接続している端末のデータ通信が発生するため、スマホのバッテリーに負荷がかかってしまいます。
テザリングを利用するときは、必要に応じてモバイルバッテリーを持ち歩いたり、パススルー充電ができるスマホを使ったりすることも検討しましょう。
また、スマホのバッテリー消費がどうしてもネックになる場合は、ポケット型Wi-Fiも選択肢になります。
セキュリティ対策をしないとリスクがある
テザリングの電波は、見通しがよく風がない場所では最大で100m先まで届くことがあります。普通に利用していても、10~20m以上離れた場所や壁の反対側まで届きます。
そのため、意図せず多くの人の端末にアクセスポイントが表示されてしまう点に注意しましょう。
知らない人に見られることを前提に、スマホの持ち主を推測しにくいアクセスポイント名や、しっかりと記号や大文字小文字を交えたパスワードを設定するのがおすすめです。
また、テザリングをオンにしたまま放置すると、悪意のある第三者からの攻撃を受けることもあります。一定時間接続がないときは自動的にオフになるスマホも多くありますが、オフになるまで放置せず、必要ないときはテザリングを切る習慣をつけておくとよいでしょう。
速度はWi-Fiを契約するより劣ることが多い
テザリングによる通信は、光回線やホームルーターなどを契約してWi-Fiを利用するのと比べると、通信速度は劣ることが多いです。
最新のオンラインゲーム、4Kの高画質な動画の視聴など、データ利用量の多い用途ではテザリングは適さないこともあるので、注意してください。
また、携帯電話回線の電波を受信する性質上、有線の光ファイバーで自宅まで接続される光回線と比べると、通信の安定性は劣ることがあります。
テザリングとポケット型Wi-Fi、どちらがおすすめ?
テザリングは、スマホひとつでWi-Fiが使えて荷物が増えない点が、ポケット型Wi-Fiと比較したときの大きなメリットです。新たに回線契約をする必要はなく、今のスマホの契約だけでWi-Fiが使えます。
一方、ポケット型Wi-Fiは、スマホの料金プランのデータ容量やスマホのバッテリーを消費せずに通信が使えるのがメリットです。また、データ上限なしの料金プランを契約して、気兼ねなくWi-Fiを使うこともできます。
利用機会が多いならポケット型Wi-Fi、比較的ライトに使うならテザリングがそれぞれおすすめです。
なお、スマホもデータ上限なしのプランなどを選べば、テザリングが無制限で使えたり、大容量で使用できたりする場合があります。データ容量を重視する方は、スマホの料金プランを無制限または大容量のプランに変更することも選択肢のひとつです。
テザリングを活用するならスマホの料金プランの見直しもしよう
メリット |
デメリット |
|
---|---|---|
テザリング |
・スマホひとつでWi-Fiが使える |
・スマホのバッテリーを消費する |
ポケット型Wi-Fi |
・データ上限のない契約もある |
・荷物が増える |
テザリングは、スマホの携帯電話回線をパソコンやタブレット、ゲーム機などのほかの機器に共有する方法です。
テザリングの方法は、Wi-Fiテザリング、Bluetoothテザリング、USBテザリングの3種類です。それぞれスマホの設定から利用できます。
テザリングを使えば外出先でも手軽にWi-Fiが使えます。なお、テザリングをフル活用するなら、スマホの料金プランの見直しも検討しましょう。
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