フィルタリングとはどんな機能?使い方や注意点、メリットを解説
子どものスマホを契約するときに、必須オプションを見て「フィルタリングってなに?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
フィルタリングとは、主に未成年が有害サイトや違法サイトなどの危険性があるサイトにアクセスしないための機能です。利用できるアプリを制限する機能や課金を制限する機能もあり、子どもが安全にスマホを使えるようにさまざまな設定ができます。
2018年から原則義務化されたフィルタリングについて、機能や使い方、注意点、設定した場合のメリットなどを解説していきます。
未成年を守るフィルタリングとは?機能やルールを知ろう
フィルタリングとは、未成年がスマホを使うときに、犯罪や詐欺に巻き込まれる恐れがあるWebサイトを閲覧できないように制限したり、利用できるアプリや課金を管理、制限したりできる機能です。
アダルトサイトや、有害な情報が掲載された違法サイトなど、危険性が高いサイトや犯罪に関わるサイトをフィルターに指定することで、子どもがトラブルや犯罪に巻き込まれないように安全にスマホを利用できます。
また、サイトの閲覧制限だけでなく、アプリの利用や課金を制限する機能や、スマホが使える時間帯を管理する機能もあり、子どものスマホ利用を保護者が管理することもできるようになっています。
2018年に施行された「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」という法律で、携帯電話会社が未成年にスマホを販売する際、フィルタリングを設定することが義務付けられました。
フィルタリングには2種類あり、指定したドメインやサイトにアクセスできなくなったり、アプリが利用できなくなるブラックリスト方式と、指定したドメインやサイトだけ閲覧できたり、アプリだけ利用できるホワイトリスト方式があります。
機能や利便性には一長一短がありますが、どちらのリスト方式でも、子どもがインターネットを利用した際の安全を守るフィルター機能に違いはありません。
フィルタリングを利用しないとどうなる!?利用しない場合の大きなリスク
フィルタリングは、未成年を守るための大切な機能です。
スマホの利用やインターネットに対する正しい知識、危険を察知する判断力が身に付く前にフィルタリングの利用を止めると、以下のような大きなリスクがあります。
1)個人情報が漏洩したり、個人が特定されたりするリスク
危険なサイトだと気付かずに、ウイルスが混入したファイルをダウンロードすると、ウイルスに感染してしまい、個人情報が漏洩してしまうリスクがあります。
また、SNSの使い方や危険性をしっかりと学ばず利用して、自宅や現在の位置情報、服装、顔などが特定できる個人情報を安易に公開してしまい、個人情報の漏洩につながってしまう可能性もあります。
SNSでは個人情報の漏洩で被害に遭ったという事例があり、2022年3月に警察庁生活安全局少年課が発表した「令和3年における少年非行、児童虐待、及び子供の性被害の状況」によると、被害に遭った子どもの約85%がフィルタリングを設定していませんでした。
2)犯罪に巻き込まれる可能性や、詐欺などの被害に遭うリスク
SNSやメッセージアプリ、マッチングアプリなどを通じて、詐欺サイトに誘導されたり、実際に会おうと誘われたり、インターネット上で不特定多数の人と関わることは、犯罪や詐欺の被害に遭うリスクが高まります。
3)有料アプリ、アプリ内課金などを際限なく使ってしまうリスク
近年、オンラインゲームの課金トラブルが増えており、10万円~50万円も課金してしまったという事例が増えています。スマホで有料アプリを購入したり、アプリ内で際限なく課金してしまったり、高額な請求につながるリスクがあります。
フィルタリングの使い方は?具体的な方法や設定の仕方
フィルタリングには、「スマホのフィルタリング機能」、「携帯電話会社のフィルタリングサービス」、「アプリによるフィルタリング」の、3つの方法があります。
どの方法も便利ですが、しっかりと管理するのであれば、多機能で使いやすい携帯電話会社のフィルタリングサービスを利用するのがおすすめです。
それぞれのフィルタリング機能の特長や使い方について、詳しく見てみましょう。
スマホのフィルタリング機能を利用する
スマホには標準機能として、フィルタリング機能が搭載されています。
・iPhoneの場合
スクリーンタイムの「コンテンツとプライバシーの制限」を利用することで、App Storeでのアプリ購入、標準付属のアプリや機能の利用、Webコンテンツへのアクセスなどを制限できます。
「設定>スクリーンタイム>スクリーンタイムをオンにする>続ける」の順にタップします。次に「これは自分のiPhoneです」、「これは子供用のiPhoneです」のどちらかを選択します。
「これは子供用のiPhoneです」を選択すると、「休止時間」を設定する画面になります。この画面で子どもがスマホを利用できる時間が設定できます。
休止時間を設定した後、「App使用時間の制限」を設定する画面になります。アプリのカテゴリを選択すると、1日あたりのアプリの使用時間を制限することができます。
App使用時間の制限を設定した後は、「コンテンツとプライバシー」と表示されます。「続ける」をタップし、子どもが設定を変更できないように4桁のスクリーンタイム・パスワードを設定してください。
次に、万が一4桁のスクリーンタイム・パスワードを忘れた場合にリセットできるように、Apple IDとパスワードを入力しましょう。入力後、右上の「OK」をタップすると設定完了です。
詳細な設定をする場合は、「コンテンツとプライバシーの制限」から「コンテンツとプライバシーの制限をオン」にします。表示されたメニューの一覧から、それぞれの制限を設定してください。
・Android™の場合
Androidのスマホは、アプリごとに設定する必要があります。
アプリの購入や課金を制限する場合は、Google Play アプリで、プロフィールアイコンをタップします。
次に「設定>ファミリー>保護者による使用制限」をタップします。その後、「保護者による使用制限」をオンにします。続けて、子どもが設定を変更できないように4桁のPINを設定します。
次に「利用コンテンツの制限の設定」で変更をすれば、設定完了です。
Webサイトの閲覧を制限するには、Google Chromeアプリを開き、「https://www.google.com/safesearch」にアクセスします。「露骨な表現を検索結果から除外する」をオンにすると、ポルノなどの表現を含むコンテンツが検索結果から除外されます。
携帯電話会社のサービスを利用する
携帯電話会社が提供するフィルタリングサービスは、使いやすく高機能です。
フィルタリングサービスの中には、「小学生」、「中学生」、「高校生」、「高校生プラス」というように学年ごとに制限レベルが設定できるため、ひとつひとつ細かな設定を行わなくても自動的にフィルタリングを設定できます。
また、有害サイトへのアクセス制限やアプリの利用制限を細かくカスタマイズできるものがあり、各家庭のルールに沿ってカスタマイズしやすいのも便利な点といえるでしょう。
ほかにも、携帯電話会社ごとに独自の機能があり、歩きスマホ防止機能や、位置情報の確認機能、スマホの利用状況の管理機能など、子どものスマホ利用を保護者が管理しやすくなっています。
フィルタリングアプリを利用する
Googleやセキュリティソフトを提供している会社のフィルタリングアプリを利用することで、フィルタリングが可能です。
・Google ファミリー リンク
Googleが提供しているスマホ管理アプリです。フィルタリング機能によって、スマホの利用制限を細かく設定し、リモートで管理できます。Android版とiOS版があるため、親子でスマホのOSが異なる場合でも利用できます。
フィルタリングを利用した場合のメリットは?
フィルタリングを利用するメリットは多々あります。
子どもがスマホで有害なサイトや危険なサイトにアクセスしたり、スマホを使い過ぎて生活習慣が乱れたり、アプリに課金をし過ぎて高額な請求をされるようなことを未然に防げるのが、もっとも大きなメリットです。
また、意図せず個人情報を漏洩してしまい、個人を特定されて危険な犯罪に巻き込まれるリスクを軽減します。
昨今、SNS上で個人を特定できる情報と共にトラブルを起こし、激しい非難を受け、何年も名前や住所、写真などをインターネット上に晒され続ける、いわゆるデジタルタトゥーが問題になっています。
デジタルタトゥーを負うと、プライバシーを侵害されたり、進学や就職に不利益を被ったり、子どもの人生が半永久的に侵害されることがあります。こういった被害に遭わないために、フィルタリングで事前に対策を行いましょう。
フィルタリングの注意点
フィルタリングの制限は、年齢や利用状況に合わせて、定期的に更新する必要があります。スマホを使うルールを家族で決め、子どもの使い方を見守るサポートとして、フィルタリングを活用する意識を持つのが大切です。
また、フィルタリングは、子どものスマホの利用状況をすべて監視できるわけではありません。
SNS上の発言や、SNS依存、ネットいじめなどの問題まで監視することはできないため、最近子どもの様子やアプリの利用状況がおかしいなと感じたら、家族でよく話し合うようにしましょう。
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設定が義務化されたフィルタリングは、子どもに安全にスマホを持たせるために必要な機能です。
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