NFCタグとは?活用シーンや設定方法、読み取り手順などをわかりやすく解説

専用の対応機器と手軽にデータをやり取りできるNFCタグは、キャッシュレス決済をはじめ、日常生活のさまざまな場面で活用されている便利なアイテムです。しかし、その仕組みや特徴を詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
今回は、NFCタグの基本的な情報や活用シーン、NFCタグを利用するメリット・デメリット、設定方法などを解説します。
NFCタグとは

NFCタグとは、対応機器を近づけるだけでデータ通信を行える近距離無線通信技術「NFC」を利用した小型の機器のことです。
内部にはICチップとアンテナが組み込まれており、スマホなどの対応機器から発せられる電波をNFCタグが受け取ることで動作します。
動作の内容は自分で設定でき、スマホなどの対応機器との通信時に特定のアプリを起動したり、スマート家電対応の照明をオンにしたりと、さまざまなことを行えます。
また、NFCタグを利用するために、ケーブル接続やペアリングを行う必要はありません。対応機器をNFCタグに近づけるだけで、データのやり取りが可能です。
NFCタグが注目されている理由は?
通信技術を活用したツールが数多く存在する中で、NFCタグが注目されている理由としては、非接触で情報を共有できる点が挙げられます。
衛生面への配慮がより重視されるようになった昨今では、非接触で利用できるサービスの需要が高いです。対応機器をかざすだけで利用できるNFCタグは、このような需要に応えられることから、さまざまなシーンで利用されています。
また、導入コストが低く、より多くの人が気軽に利用できる点もNFCタグが注目されている理由のひとつです。NFCタグは多くのスマホで利用できるうえ、1枚100円から数百円程度で購入できます。
NFCタグの活用シーン
NFCタグは、日常生活のさまざまなシーンで活用されています。代表的な活用シーンとして、以下のようなものが挙げられます。
- キャッシュレス決済
- 自宅のスマートホーム化
- 名刺交換
以下でNFCタグの活用シーンを紹介します。
キャッシュレス決済
近年では、スマホを専用の端末にかざすだけで支払いができるキャッシュレス決済が広く利用されています。
スマホによるキャッシュレス決済は主にNFC技術が活用されており、NFCタグを利用した決済手段を取り入れている店舗も多いです。
レジ横に設置された決済端末には、NFCタグ(またはNFC対応のICチップ)が内蔵されており、スマホをかざすことでデータのやり取りが行われています。
自宅のスマートホーム化
スマートホームとは、通信技術を活用することで家電や設備を便利に利用できる環境が整った住宅のことです。
NFCタグを自宅に設置して設定をすると、タグにスマホをかざすだけで家電や設備などのスマートホーム機器を操作できるようになり、手軽にスマートホーム化を実現できます。
たとえば、Wi-Fi®のオン/オフを切り替えたり、照明やエアコンの電源を入れたり、テレビを映したりと、対応する家電や設備の操作がNFCタグにスマホをかざすだけで完了します。
名刺交換
従来は紙の名刺を利用するのが一般的でしたが、近年はNFCタグを組み込んだNFC名刺を利用する人が増えています。
NFC名刺なら、スマホをかざすだけでNFCタグに登録された情報を相手に共有することが可能です。たとえば、自社の公式WebサイトやSNSのアカウント、連絡先など、紙の名刺には記載しきれないさまざまな情報を簡単に伝えることができます。
NFCタグのメリット・デメリット
NFCタグには便利な点が多い一方で、利用前に知っておきたい注意点もあります。NFCタグのメリット・デメリットは以下のとおりです。
|
NFCタグのメリット |
・スマホで簡単に読み取れる ・通信や処理速度が比較的高速 ・QRコードなどと異なり、表面に多少の汚れがあっても利用できる |
|---|---|
|
NFCタグのデメリット |
・大容量のデータ通信には時間がかかる ・読み取り可能な距離は数センチから10センチ前後と短い |
実際にNFCタグを利用するかどうかは、上記のようなメリット・デメリットがあることを踏まえ、状況にあわせて検討しましょう。デメリットが心配な場合は、NFCタグを試しに利用し、具体的な使用感を確かめてから実際の導入を検討すると安心です。
スマホでNFCタグを設定する方法

NFCタグにスマホをかざした際に、特定の操作を自動で実行したい場合は、あらかじめNFCタグに動作内容を書き込んでおく必要があります。
NFCタグへの書き込みは、スマホを利用して行えます。スマホからNFCタグに書き込むまでの手順は以下のとおりです。
- NFCタグを用意する
- 専用のアプリをインストールする
- NFCタグに実行したい操作を書き込む
以下でNFCタグの設定方法を順に解説します。
NFCタグを用意する
まずは、データが入っていない状態のNFCタグを準備します。NFCタグは多くのメーカーから発売されており、家電量販店や通販サイトなどで購入可能です。
また、NFCタグには、シール型やカード型、キーホルダー型、リストバンド型など、多種多様な形態があります。名刺として活用したい場合はカード型のNFCタグを選ぶなど、利用シーンにあったNFCタグを用意するとよいでしょう。
専用のアプリをインストールする
NFCタグに読み取り時の動作内容をスマホから書き込むためには、専用のアプリが必要です。Android™スマホの場合はGoogle Playストアから、iPhoneの場合はApp StoreからNFCタグに書き込めるアプリをインストールしましょう。
NFCタグの設定ができる無料アプリは多数あり、「NFC Tools」や「Trigger」などが広く利用されています。アプリによってそれぞれ操作性や機能が異なるため、用途に応じて使いやすいものを選ぶとよいでしょう。
NFCタグに実行したい操作を書き込む
ここまでの準備が整ったら、NFCタグの読み取り時に実行する操作をアプリから書き込んでいきます。
読み取り時の操作は、利用目的に応じて自由に設定が可能です。たとえば、特定のWebサイトを表示したり、スマート家電対応の照明を消灯したり、アラームを起動したりと、さまざまな操作を設定できます。
設定後にNFCタグへスマホを近づけると、設定した内容がタグからスマホに読み込まれて、操作が自動的に実行されます。
スマホでNFCタグを読み取る手順
NFCタグの利用に慣れていない人は、スマホからの読み取り手順を覚えておきましょう。スマホでNFCタグを読み取る手順は以下のとおりです。
- スマホを操作してNFCの設定をオンにする
- スマホをNFCタグに近づける
それぞれ詳しく紹介します。
スマホを操作してNFCの設定をオンにする
まずは、スマホでNFCの設定がオンになっているか確認しましょう。NFCの設定がオフになっている場合は、オンに切り替える必要があります。
Android™スマホの場合、「設定」アプリからNFCをオンにできます。
ただし、Androidスマホの「設定」アプリからNFCをオンにする手順は機種によってやや異なるため、わからない場合はメーカーの公式Webサイトなどを確認してください。今回は、一例としてXiaomi 13T ProでNFCをオンにする手順を紹介します。
1.「設定」アプリを開く
2.「その他の接続オプション」をタップする

3.「NFC」の項目にあるスイッチをオンに切り替える

なお、古い機種はNFCに非対応の場合もあるので注意してください。NFCに非対応の機種だと、「設定」アプリ内にNFCの項目がありません。
iPhoneでNFC機能を利用するには、セキュリティ上の理由から「Touch ID」または「Face ID」による生体認証の設定が必要です。ただし、iOS 13以上を搭載したiPhone 7以降の機種なら、特別な設定を行わなくてもNFCタグを利用できます。
iPhoneでNFC機能を利用できない場合は、「Touch ID」または「Face ID」をオンにして画面の案内に従って指紋や顔を登録してから、再度利用できないか試してみてください。
iPhone X以前の場合、Touch IDは「設定」アプリの「Touch IDとパスコード」から、iPhone X以降の場合、Face IDは「設定」アプリの「Face IDとパスコード」からオンにできます。
スマホをNFCタグに近づける
必要な設定が済んだら、スマホをNFCタグに近づけて読み取りましょう。
NFCリーダー(NFCタグを読み取るための部分)の位置は機種によって異なりますが、Androidスマホは背面の中央あたり、iPhoneはカメラ付近に設置されている場合が多いです。NFCタグを読み取れない場合は、スマホの位置をずらして再度試してみてください。
iPhoneの機種別NFC対応機能の違い
前述のとおり、iPhoneではiOS 13以上を搭載したiPhone 7以降の機種でNFCタグの読み取り機能を利用できます。ただし、機種によってNFC対応機能には、以下のような違いがあります。
|
機種 |
NFC対応機能 |
|---|---|
|
iPhone 7〜iPhone X |
・FeliCa(日本で広く使われているNFCの規格)に対応 |
|
iPhone XS〜 |
・FeliCaに対応 ・バックグラウンドでのNFCタグ読み取りに対応(専用アプリを起動しなくても、iPhoneをかざすだけで自動的にNFCタグを読み取れる) |
iPhoneは新しい機種ほどNFC読み取り時の処理性能が向上している傾向にあり、よりスムーズに反応します。NFCタグをiPhoneで読み取る機会が多い人は、最新のiPhoneに買い替えることを検討してもよいでしょう。
NFCタグを利用する際の注意点
NFCタグには、貼り付けて使用するシール型やカード型の製品もあります。設置場所によっては正常に機能しない場合があるため、以下の点に注意しましょう。
- 金属面にNFCタグを貼り付けない
- NFCタグの上書きに注意する
- 衝撃や摩擦の影響がない場所に貼り付ける
上記のポイントに注意しておかないと、NFCタグを正常に利用できないなどのトラブルが発生する可能性もあります。以下でNFCタグを利用する際の注意点を詳しく紹介します。
金属面にNFCタグを貼り付けない
NFCタグを金属面に直接貼ると電波が干渉してしまい、スマホで読み取りにくくなる場合があります。そのため、NFCタグを金属面に貼り付けるのは避け、プラスチックや紙などの素材に貼り付けるようにしましょう。
NFCタグを金属面に貼り付けなければいけない場合は、NFCタグ用の金属対応シールを利用する方法を試してみてください。NFCタグ用の金属対応シールの上にNFCタグを貼ることで、金属面でも読み取りが可能になる場合があります。金属対応シールはオンライン通販などで購入可能です。
NFCタグの上書きに注意する
NFCタグに設定した情報は書き換えることができます。そのため、書き込んだ情報を途中で変更することも可能です。
ただし、書き換えが不要な情報を誤って上書きしないように注意してください。必要に応じて、書き換えができないようにロックを設定しておきましょう。ロックの設定は、NFCタグへの書き込みに使用したアプリから行えます。
衝撃や摩擦の影響がない場所に貼り付ける
NFCタグに外部から衝撃や摩擦が加わると、タグが損傷して読み取りができなくなる場合があります。そのため、NFCタグは外部からの影響を受けにくい場所に貼り付けましょう。
たとえば、NFCタグを机に貼り付ける場合は、物が頻繁に置かれたりこすれたりする机の上ではなく、側面に貼り付けるのがおすすめです。
NFCタグを活用して便利な生活を送ろう
NFCタグは、キャッシュレス決済やスマートホーム機器の操作、名刺交換など、さまざまな場面で活用できます。導入コストも低いので、気になっている人はこの機会にぜひNFCタグの利用を試してみてはいかがでしょうか。
また、NFCタグの利用をきっかけに、必要に応じてスマホの買い替えを検討するのもひとつの選択肢です。最新機種はNFCに関する処理性能や機能面が向上しており、より快適にNFCタグを利用できる場合があります。
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