スマホのバッテリー交換の目安は?手順や費用・やっておくべきことを紹介
スマホのバッテリーは消耗品で、寿命は約2年程度とされていますが、利用状況によって異なります。バッテリーの劣化が進むと、スマホの動作に影響が出る可能性があるので、注意しましょう。
バッテリーの劣化を予防するためにも、まずバッテリーを交換する目安、状態を確認する方法などを知り、普段から対策を講じることが重要です。
また、スマホのバッテリー交換や修理の際にストレージが初期化される可能性があるため、事前にやっておくべきことがあります。ほかにも、スマホのバッテリー交換を正規の修理ショップに依頼する理由も知っておくとよいでしょう。
今回は、スマホのバッテリー交換の目安や手順、費用、状態を確認する方法、交換にかかる時間、交換前にやっておくべきこと、劣化を予防する方法などを解説します。
スマホのバッテリー交換をする目安
バッテリーを交換した方がよいタイミングが近づいてくると、スマホに以下のような症状が起き始めます。
- フル充電から電池切れまでが早くなる
- スマホが熱くなる
- 勝手に再起動やシャットダウンされる
上記のような不調のサインを把握して、正しく対処していきましょう。
フル充電から電池切れまでが早くなる
スマホに内蔵されているリチウムイオンバッテリーには、寿命の目安となる充放電サイクルがあります。
充放電サイクルとは、「バッテリー容量の100%まで充電し、電力を使い切る」と1サイクルが進みます。サイクルが約500回を超えると、バッテリーの劣化が急激に進み、充電が急に減りやすくなります。
充電が100%の状態から急速に減るようになった場合は、後述するほかの症状やバッテリーの最大容量を考慮して、交換を検討してみてください。
スマホが熱くなる
バッテリーが劣化すると、スマホが不自然に発熱するようになります。
発熱している状態で放置していると、バッテリー内部でガスが発生し、バッテリーが膨張したり発火したりする可能性があり、危険です。
充電を始めたり、負荷が大きいアプリを起動したりしたときなどに発熱しやすくなります。バッテリーに負荷がかかるほど温度が高くなるため、早めのバッテリー交換が必要です。
勝手に再起動やシャットダウンされる
なにも操作していないのに急に電源が切れてしまったり、アプリが停止したりする場合も、バッテリー交換の時期が近づいている可能性があります。不調の原因は、バッテリーの劣化によって起きる「電圧の低下」です。
バッテリーの電圧が低くなると、流れる電流のパワーも下がります。そのため、スマホが動作するために必要な電力が供給されず、電源が切れてしまいます。
スマホのバッテリーの劣化進行度を確認する方法
バッテリーの劣化進行度は、バッテリーの最大容量と比例しています。バッテリーの最大容量は購入時が100%の状態で、スマホを利用していくうちに徐々に減少し、一度減少した最大容量は回復できません。
バッテリーの最大容量はスマホ上で数値を確認できるため、バッテリー交換が必要かどうかの目安にできます。
iPhone・Android™でバッテリーの最大容量を確認する方法を解説します。なお、バッテリー残量とは異なるため、間違わないように注意しましょう。
iPhoneの場合
「設定>バッテリー>バッテリーの状態と充電」の順にタップします。画面のようにバッテリーの最大容量が表示され、現在の健康状態がわかります。
iPhoneは500回の充放電サイクルを繰り返した後も、本来のバッテリー容量の最大80%を維持するように設計されています。
しかし、そのまま長期間にわたって利用を続けると、さまざまな不具合の原因となるため、早めの交換をおすすめします。
※iPhoneのバッテリー交換の目安や費用についてはこちらをご確認ください。
Androidの場合
Androidの場合は、スマホのメーカーによって搭載されているメニューや機能が異なります。そのため、まずは利用しているスマホのマニュアルを参照し、バッテリーの最大容量の確認方法をご確認ください。
多くのスマホでは、「設定」アプリを起動して「バッテリー」や「電池」などのバッテリー関連のメニューや、「システム>端末情報」などのスマホに関するメニューで確認できます。
スマホのバッテリーを交換するのにかかる費用は?
バッテリー交換に必要な費用は、利用しているスマホの種類や保証サービスの加入状況によって変わります。
iPhone・Androidでバッテリーを交換するのにかかる費用を解説します。
iPhoneの場合
iPhoneのバッテリー交換にかかる費用はモデルによって異なり、おおよその料金はAppleのサイトで調べられます。Appleの見積もりによれば、iPhone 15のバッテリー交換にかかる費用は15,800円(税込)です。
また、Apple製品限定保証や追加オプションであるAppleCare+の対象であれば0円で交換できます。しかし、保証対象外の場合は費用が発生するので、事前にいくらになるのか確認しておきましょう。
AppleCare+は年に1回程度の頻度で規約が更新され、料金も変更されるため、最新の情報は必ずAppleの公式Webサイトを確認してください。
AppleCare+を適用する場合、バッテリーの最大容量が80%未満の場合のみなどの条件に注意が必要です。
Apple製品限定保証は1年、AppleCare+は月額払いも可能で、解約するまで保証を延長できます。
Androidの場合
Androidを利用している方は、契約している携帯電話会社の保証サービスにバッテリー交換が含まれているかチェックしてみましょう。条件を満たしていれば、バッテリーを無償で交換してもらえる可能性があります。
保証サービスでの交換ができない場合は、契約している携帯電話会社または製造メーカーに問い合わせて、交換を依頼しましょう。
なお、Androidはメーカーによってバッテリー交換にかかる費用が異なります。携帯電話会社から購入したスマホは、その携帯電話会社へ依頼するのが一般的です。ただし、場合によってはメーカーへ依頼するケースもあります。
また、SIMフリーモデルのスマホは、メーカーへ直接依頼することが一般的です。携帯電話会社や端末のモデル、メーカーによって対応が異なるので、各社公式サイトのサポート情報を調べてみましょう。
スマホのバッテリーを交換するための手順や所要時間
バッテリーの交換は、以下の手順に沿って進めます。
- スマホのバックアップを取る
- iPhoneはApple Store 、Androidはメーカーもしくは携帯電話会社の店舗に問い合わせる
- メーカーもしくは携帯電話会社の店舗が近くにあれば持ち込み、なければ指定住所へ送付する
- 修理期間中に貸し出し可能な代替機の有無を確認する
バッテリー交換を依頼すると、内部のデータが消去される可能性があります。写真やアプリなどのデータが消えないように、事前にバックアップを取ると安心です。
また、バッテリー交換に必要な期間は、修理の受付状況によって異なります。事前にかかる日数を問い合わせ、長期になる場合は代替機の貸し出しも申し込んでおくとよいでしょう。
メーカー指定の店舗なら早ければ半日から1日程度
店舗に直接スマホを持参した場合、パーツがあれば当日中にバッテリー交換が完了する場合もあります。
しかし、予約状況やスマホの種類によっては、必ずしも当日に対応ができるわけではありません。
修理に必要なパーツの在庫がない場合は、一旦スマホを預けて工場で修理を受け、後日受け取ることになります。
スマホのバッテリー交換は正規の修理ショップに依頼した方がよい理由
バッテリー交換を自分で行ったり、非正規の修理ショップに依頼したりすることは、おすすめできません。正規のマニュアルや設備で行われない分解・交換により、深刻な故障につながる可能性があります。
また、非正規ショップで交換・修理すると、メーカー保証が受けられなくなったり、スマホの一部の機能が使えなくなったりするケースがあります。
さらに、非正規ショップの中には、安価な修理費用の代わりに、純正品ではないパーツを利用している場合もあります。純正品ではないパーツは品質の保証がなく、どのような故障につながるかわからないため危険です。
バッテリー交換はメーカーや携帯電話会社の窓口に問い合わせて依頼しましょう。
スマホのバッテリー交換前にやるべきこと
スマホのバッテリー交換や修理を依頼する前にやっておくべきことは以下のとおりです。
- スマホのデータのバックアップを取る
- 各種設定を変更する
上記を順番に解説します。
スマホのデータのバックアップを取る
もしバッテリー交換の作業中に何らかのトラブルが発生した場合、スマホを初期化して動作を確認しなければならないことがあります。そのため、スマホが初期化される可能性は否定できないので、事前にバックアップを取っておくとよいでしょう。
iPhone・Androidのバックアップを取る方法は以下のとおりです。
バックアップの手順 |
|
---|---|
iPhone |
1. iPhoneをWi-Fi®に接続する |
Android |
1. 「設定」をタップする |
上記以外にもバックアップを取る方法はあるので、ご自身にあった方法を選択しましょう。
各種設定を変更する
スマホの初期化とは、スマホを工場出荷状態まで戻すことを指します。
バッテリー交換や修理などで初期化されると、スマホに登録していたクレジットカードやICカードの設定も消えてしまいます。
問題は、カード側の設定は残っているため、初期化後に戻ってきたスマホと改めて紐付けができないことです。
そのため、バッテリー交換を依頼する前に、スマホに紐づいているカードやスマートウォッチなどの設定を解除しておきましょう。
iPhoneの場合は、「探す」機能も解除しましょう。
スマホのバッテリー劣化を予防する方法
スマホのメーカーが公開しているバッテリー劣化を予防する方法は以下のとおりです
- バッテリーの状態が自動で最適に管理される設定にする
- 極端な気温や室温に注意する
上記を順番に解説します。
バッテリーの状態が自動で最適に管理される設定にする
バッテリーはフル充電の状態で充電を続けていると、劣化が進むとされています。iPhone(iOS 13以降)には、「バッテリー充電の最適化」機能があり、充電傾向に基づいてスマホを利用する直前までフル充電を自動的に遅らせます。
また、一部のAndroidも充電量を80%または90%に制限してバッテリーの負荷を軽減する仕組みが採用されています。
お使いのAndroidにバッテリーの負荷を軽減する機能が搭載されているか、また適用するために設定が必要かどうかは、マニュアルでご確認ください。
極端な気温や室温に注意する
極端な気温や室温はバッテリーに大きな負荷を与えます。iPhoneの場合は16℃~22℃が適温とされており、35℃以上の高温な環境ではバッテリーの最大容量に回復不能な損傷を与えてしまう可能性があります。
バッテリーの劣化を予防するためには、スマホを暑すぎる場所や寒すぎる場所にさらさないことが大切です。
バッテリー交換が必要になったら機種変更も検討しよう!
スマホのバッテリーは利用状況に応じて劣化し、2年程度で交換が必要になります。交換する際は、利用しているスマホのメーカーや現在契約している携帯電話会社に依頼しましょう。
ただし、古いスマホの場合はパーツの在庫がないケースもあります。また、加入している保証サービスによっては修理費用が高額になるため、「バッテリー交換するよりも新しいスマホを購入した方が品質面でも満足感を得られる」と考える方もいるでしょう。
そのため、スマホの購入時には保証サービスへの加入がおすすめです。
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