iCloudの使用容量を効果的に減らすには?容量不足のときに試したい3つの方法
「iPhoneのデータがiCloudの容量不足で、バックアップができなかった」、「写真や動画が保存できない」という経験はありませんか?
iCloudは無料で使える容量が5GBしかないため、不要なデータを保存していると、あっという間に容量不足に陥ってしまうのです。
iCloudの使用容量を減らし、残り容量を増やすには、バックアップの方法を変えたり、同期するデータを変更したり、いくつかの方法があります。
今回は、iCloud容量を減らすために特に効果的な3つの方法をわかりやすく解説します。iCloudの容量不足に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
iCloudとは?
iCloudはApple社が提供している、クラウドストレージサービスです。大切な写真や動画などのデータを保存する機能や、Apple製品の設定やデータをバックアップする「iCloudバックアップ」など、役立つ機能が備わっています。
iCloudの主な機能や、容量不足の原因、容量の確認方法やiCloud+について、詳しく見ていきましょう。
iCloudの主な機能
iCloudは、主に以下の機能が備わっています。
・写真:iPhoneやiPadなどのApple製品に保存されている写真、動画の保存やバックアップ。
・iCloud Drive:PDFや文書データなどのデータの保存やバックアップ。
・iCloudバックアップ:iPhoneやiPadの設定やアプリのデータなど、Apple製品の大切なデータをバックアップ。
・メッセージ:メッセージの内容をiCloudに同期して、どのApple製品からでもやり取りできるようにする。
iCloudには、ほかにも便利な機能が多数備わっています。Apple IDを作成すると、無料で5GBの容量を利用できるため、大切なデータの保存やバックアップに役立ちます。
ただし、iCloudは便利な一面だけではありません。データを適切に管理しなければ、容量が不足することがあります。
iCloudの空き容量が不足する主な原因
iCloudの空き容量が不足する主な原因は、大きく以下の3つです。
1)写真や動画、スクリーンショットなどのメディアファイルを大量に保存している
2)iCloudバックアップで大量のアプリのデータをバックアップしている
3)iCloud Driveで不要なファイルや大容量ファイルを保存している
特にiCloudバックアップは、設定を変更していない場合、多数のアプリをインストールしていると自動的にiCloudにバックアップが行われ、iCloudの空き容量を圧迫することがあります。
また保存している写真の数や動画のデータサイズによってはiCloudの容量を圧迫する原因になっている可能性があるため、iPhoneでiCloudの容量を確かめましょう。
iCloudの容量の確認方法
iCloudの容量を確認する方法は、まずiPhoneの「設定」をタップします。
画面上部の「自分の名前」をタップします。
「iCloud」をタップし、「アカウントのストレージを管理」をタップします。
画面上部に、iCloudの使用済み容量と空き容量が表示されます。
iCloudの容量が少なくなると、「iCloudストレージの空き領域が不足しています」という表示や、「iCloudストレージが残りわずかです」というアラートが表示されます。
iCloudの使用容量を効果的に減らす方法その1:不要なデータの整理と削除
iCloudの容量不足は、不要なデータを大量に保存していることが原因です。特に、写真や動画、アプリのバックアップ、iCloud Driveに保存されているファイルが多くの容量を占めているケースが多々あります。
そこで、データの保存状況を見直して、整理・削除することで、使用容量を大幅に減らせます。
写真やビデオの整理
iCloudに写真や動画が多い場合は、不要な写真や動画を削除すると空き容量を増やせます。iPhoneを操作し、以下の手順で削除しましょう。
1)不要な写真・ビデオを削除
「写真」を開き、画面下の「ライブラリ」をタップします。次に「すべての写真」をタップし、不要な写真・ビデオを選択して削除してください。
削除した写真やビデオは「最近削除した項目」フォルダに移動します。完全に削除するには、「すべてを削除」を選択します。
2)大容量の動画の保存先を変更
長時間撮影した動画や4Kなどの高画質で撮影した動画は、いったんiPhone本体に保存し、パソコンに動画データを移動するのがおすすめです。
iPhone本体に保存した動画データをパソコンへ移動する方法は、USBケーブルでiPhoneを接続し、イメージキャプチャやエクスプローラーなどを活用します。
アプリのバックアップデータの管理
iCloudバックアップのデータが大きい場合は、不要なアプリのバックアップをオフにすると、バックアップの容量を減らせます。
iPhoneの設定を開き、「自分の名前>iCloud>iCloudバックアップ」の順にタップします。
「すべてのデバイスのバックアップ」で、バックアップデータを管理したいiPhoneやiPadをタップします。
「バックアップの詳細」の画面で、バックアップが不要なアプリのスイッチをタップします。
「オフにする」をタップすると、選択したアプリのバックアップをオフにしてiCloudからバックアップデータを削除できます。
iCloud Driveの整理
iPhoneの「ファイル」をタップします。
「ブラウズ>場所>iCloud Drive」の順にタップします。
詳細ボタン(「…」と書かれたマーク)をタップし、「選択」をタップすると、複数のフォルダやファイルを選択できます。
削除するファイルまたはフォルダを選択後、削除ボタン(ごみ箱のマーク)をタップするとデータを削除できます。
削除したファイルは、「最近削除した項目」に30日間保管されます。完全に削除するには、「最近削除した項目」から削除する必要があります。
また、iCloud Driveから削除したファイルは、同じApple IDでiCloud Driveを使用しているすべてのデバイスから削除されるので、注意が必要です。
iCloudの使用容量を効果的に減らす方法その2:iCloudの設定最適化
iCloudの同期設定を変更することで、不要なデータのアップロードを防げます。iCloudの容量が少なくなる前に、iCloudの同期設定を見直しましょう。
写真同期をオフにする
設定アプリから、「Apple ID>iCloud>写真」の順にタップします。
「このiPhoneを同期」の横にあるスイッチをタップして、写真のバックアップの同期をオフにします。
機能をオフにするとiPhoneで撮影した写真や動画がバックアップされなくなるので、パソコンなどに適宜保存するようにしましょう。
iCloudの使用容量を効果的に減らす方法その3:ほかのサービスの活用
iCloudの容量不足を解消するため、ほかのクラウドサービスを併用するのも、選択のひとつです。
写真、ドキュメント、音楽など、データの種類に応じて複数のサービスを使いわけることで、iCloudの使用容量を節約して不足容量を購入するための出費を抑えられます。
ほかのクラウドストレージサービスの利用
iCloud以外のクラウドストレージには、以下の4つの代表的なサービスがあります。
・Google Drive
15GBまで無料。「設定>Google>Googleドライブ」からアカウントを連携できます。
・Dropbox
2GBまで無料。アプリから、写真の自動アップロード機能を有効化できます。
・OneDrive
5GBまで無料。Officeファイルの保存やオンライン編集に最適です。
・楽天ドライブ
10GBまで無料。楽天モバイルを契約している場合は、50GBまで無料で利用可能です。楽天アカウントで登録でき、アプリで簡単にすぐ利用できます※。
ローカルストレージの有効活用
iTunesもしくはFinder経由でパソコンのローカルストレージにバックアップすることで、iCloudでバックアップに利用するデータの容量を減らせます。
パソコンでデータをバックアップするには、iPhoneをパソコンに接続して、iTunes(Windows)またはFinder(Mac)を開きます。
バックアップをしたいiPhoneを選択し、「このコンピュータにバックアップ」を選択して、「今すぐバックアップ」をクリックしてください。
有料のiCloud+とは?iCloudの容量を購入する方法と注意するポイント
iCloudの使用容量が減らせない場合や、どうしても残しておきたい写真や動画、アプリがある場合は、iCloud+を契約するとデータの容量不足を解決できます。
iCloud+とはiCloudのストレージを拡張できる有料プランです。50GB~12TBまで容量を拡張でき、必要な容量に応じて料金プランを選べます。
高度なプライバシー機能が追加されたサービスで、iCloudの無料容量5GBでは不足する場合、iCloud+を契約して容量を追加できます。
iCloud+には容量別に5つの有料プランがあり、家族最大5人でiCloudの容量をシェアできます。
容量 |
月額料金(税込) |
---|---|
50GB |
130円 |
200GB |
400円 |
2TB |
1,300円 |
6TB |
3,900円 |
12TB |
7,900円 |
※2024年9月1日現在。
iPhoneを買い替えたときに、古いiPhoneのバックアップを取る容量がiCloudに残っていない場合など、iCloudの容量の利用目的が限定的なときは、1カ月だけ課金する方法もあります。
容量追加がおすすめのケースと不要なケース、選び方や注意点を詳しく見ていきましょう。
iCloudの容量追加が必要なケース
iCloudの容量を追加する必要があるのは、以下の3つのケースです。
・写真・ビデオを大量に保存したい場合
iCloud写真ライブラリの利用で容量が不足しやすく、iCloudのクラウドストレージに保存したいという目的があるため、大容量の追加がおすすめです。
・複数のAppleデバイスを利用している場合
iPhoneだけでなく、iPadやMacBookなどを利用している場合、各デバイスのバックアップや同期しているファイルによって、容量が圧迫されてしまいます。こちらも用途にあわせて、ある程度大きめの容量を追加するのがおすすめです。
・ファミリー共有を活用したい場合
家族全員でシェアして利用する場合、全員でわけても十分な容量を追加した方がよいでしょう。
iCloudの容量追加が必要ないケース
写真や動画、アプリのバックアップをオフにしても困らない場合や、基本的な連絡先やカレンダーの同期程度で十分な場合は、バックアップ設定をオフにすることで容量の追加は必要ないケースがほとんどです。
また、Google DriveやDropbox、楽天ドライブなどのほかのクラウドストレージをすでに利用している場合や、パソコンなどと連携している場合は、現在利用しているクラウドストレージサービスの容量を追加する方がよいでしょう。
パソコンのローカルストレージにバックアップできる環境がある場合は、iCloud+を契約するよりも、写真やビデオをパソコンに保存する方が安価になるでしょう。
iCloud+の有料プランの選び方
iCloud+には容量にあわせて複数の有料プランがあります。中でも個人が目的にあわせて利用しやすい3つの料金プランを見ていきましょう。
選び方のポイントは、現在の使用量と普段のiPhoneの使い方、家族との共有の有無を考慮することです。
・50GBプラン
iPhoneを買い替えたときの一時的なバックアップなど、一時的に少量の追加容量が必要な場合にピッタリです。
・200GBプラン
写真をよく撮る人や、アプリをバックアップする頻度が高い人におすすめです。
・2TBプラン
動画の撮影も多い人や、家族で共有したい人におすすめです。家族4人以上でシェアする場合、200GBプランを各自で契約するよりもおトクに利用できます。
iCloudの容量の追加手順と注意点
iCloudの容量を追加するには、「設定>自分の名前>iCloud>アカウントのストレージを管理」をタップします。
「ストレージプランを変更」をタップし、希望のiCloud+プランを選び、「iCloud+にアップグレード」をタップします。
契約画面が表示されます。内容を確かめて、画面に表示される手順に沿って手続きを進めてください。
注意点として、容量を増やすアップグレードは即時反映されますが、容量を減らすダウングレードまたは解約する場合は、次の料金請求のタイミングで適用されます。
容量を減らす場合、新しい容量をオーバーしていると、超過しているデータを削除するまで、バックアップも更新もできなくなります。
また、ファミリー共有を利用してiCloudの容量をシェアする場合は、家族の承認が必要です。事前にデータの容量をシェアすることを伝えておきましょう。
iCloudの容量不足を適切に解消して快適にiPhoneを使おう
iCloudの容量不足は、必要のないデータを同期している可能性があります。
iCloudの設定を見直して、自分に必要なものだけをバックアップする設定に変更、またはデータの容量の大きいiCloud+を契約するのがおすすめです。
ただし、iCloudはあくまでクラウドストレージであり、基本的にバックアップを取る場所です。iPhone本体のストレージ容量を拡張する目的では使えません。
iPhone本体のストレージ容量の不足を解消する場合は、iPhoneの買い替えを検討するのがおすすめです。
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