スマホが固まる(フリーズする)原因・対処法や予防法をわかりやすく解説

スマホが固まるとタッチ操作できなくなり、強制再起動や初期化が必要になることがあります。
ただし、初期化を行うとスマホ内のデータがすべて削除されるため、慎重に対応する必要があります。スマホを快適に使い続けるためには、フリーズを防ぐ方法を知っておくことが重要です。
今回はスマホが固まる主な原因や対処法、予防法を解説します。
スマホが固まる(フリーズする)とはどんな状態?
「スマホが固まる」とは、電源が入っていて画面は表示されているのに、タッチ操作に一切反応しないフリーズの状態を指します。
固まる状態は、一時的に固まって時間経過によって解除される場合と、完全に停止して再起動しないと解除できない場合の2種類があり、発生したタイミングによっては重要な作業が中断されるリスクがあります。

スマホが固まる(フリーズする)原因は?
スマホが固まる原因として、以下のものが挙げられます。
- メモリ容量が不足している
- ストレージが不足している
- スマホが発熱している
- OSやアプリのバージョンが古い
- ウイルスに感染している
- そのほか、何らかのトラブルが起きている
上記を順番に解説します。
メモリ容量が不足している
スマホのメモリとは、動作中のアプリや処理を一時的に保管しておく領域のことです。
Random Access Memoryを略してRAMと呼び、スマホのスペックで「RAM 〇〇GB」と記載されています(すべての機種で公表されているわけではありません)。
数字が大きいほどメモリ容量は多いですが、次のような状況ではメモリ容量が不足する可能性が高いです。
- 処理が重いゲームアプリを起動する
- 複数のアプリを同時に起動する
- 高画質な動画を視聴している
実行する作業量に対してメモリ容量が不足すると、スマホの動作が鈍くなり、最終的には固まってしまう可能性があります。
ストレージが不足している
上述したメモリは、作業のために一時的にデータを保管する領域で、電源を切ったり、再起動したりすると、内容が消えます。
一方、スマホのストレージとは、データやファイル、アプリなどを長期的に保管する領域のことで、倉庫のように呼ばれます。
Read Only Memoryを略してROMと呼び、スマホのスペックで「ROM 〇〇GB」と記載され、数字が大きいほど多くのデータやファイルの保存が可能です(メーカーによっては用語が異なる場合があります)。
ただし、データやファイル、アプリなどを保存しすぎて空き容量が極端に少なくなってしまうと、スマホの処理が重くなり、固まる可能性があるので注意しましょう。
スマホが発熱している
スマホを長時間利用すると、内部の処理が増加して発熱を引き起こす場合があります。
特に、処理が重いゲームアプリや高画質な動画を視聴しているときに発熱しやすいです。極端に発熱した状態が続くと内部の部品に負担がかかり、故障のリスクや熱暴走を引き起こし、フリーズする可能性が高まります。
OSやアプリのバージョンが古い
スマホのOS(オペレーティングシステム)やアプリにはバージョンがあります。
OSやアプリは、セキュリティや性能、機能を向上させるだけでなく、既存のバグやさまざまな問題を修正する目的で、アップデートを行います。このときにバージョン番号を上げていくので、バージョン番号によって新旧を見分けることができます。
古いバージョンのままスマホやアプリを利用していると、不具合や互換性の問題が発生しやすくなり、固まってしまう恐れがあるので注意が必要です。
ウイルスに感染している
スマホがフリーズする原因として、ウイルスも考えられます。
ウイルスに感染したスマホは、利用者が気付かないうちにサイバー攻撃に加担させられることがあります。この際、自動的に起動するバックグラウンドでの動作が増加し、メモリ容量が圧迫されるため、スマホがフリーズしやすくなります。
特に、Android™の場合は、審査されていないアプリをダウンロードしてしまう可能性があります。これらのアプリにはウイルスが含まれている危険性があるため、「Google Play ストア」以外でダウンロードするのは避けましょう。
そのほか、何らかのトラブルが起きている
スマホがフリーズする原因として、メモリ容量やストレージ容量の不足、発熱、OSのバージョンなど以外に、次のようなトラブルが発生している可能性が考えられます。
- 複数のアプリを同時に開くことでアプリ同士が競合している
- 落下や水没による故障
- 経年劣化による基板の故障
特定のアプリを利用しているときにフリーズが起きやすい場合、起動しているアプリ同士がメモリやCPUのリソースを取りあう競合状態となり、システムに負荷をかけている可能性があります。
また、スマホは部品の破損や摩耗によって処理能力が低下する場合があるので、落下や水没、長期間の利用などが原因でフリーズする可能性もあるでしょう。
スマホが固まった(フリーズした)場合の対処法
スマホが固まって画面のタッチ操作が反応しない場合、対処法は強制再起動と強制初期化の2種類です。
次項より、強制再起動と強制初期化の方法を順番に解説します。
なお、特定のアプリのみがフリーズしているのであれば、そのアプリ自体に問題がある可能性が高いです。アプリを強制終了するか、「App Store」・「Google Play ストア」でバージョンアップを行いましょう。
スマホを強制再起動する
スマホが固まってしまうとタッチパネルで操作できないため、通常の手順で再起動できない可能性があります。
そのため、スマホが固まったら強制再起動を試してみましょう。
iPhoneを強制再起動する手順は以下のとおりです。
- 音量を上げるボタンを押してから素早く放す
- 音量を下げるボタンを押してから素早く放す
- Appleロゴが表示されるまでサイドボタンを長押しして、電源を入れる
Androidは、スマホのOSのバージョンや種類によって強制再起動の手順が異なります。たとえば、Galaxyのスマホの場合は、以下のとおりです。
- 電源ボタンと音量下げるボタンを同時に7秒以上長押しする
- 7秒以上経過したら指を離す
- スマホが自動的に再起動される
なお、強制再起動はシステムに影響を与える可能性がある最終的な手段です。スマホが固まっても、すぐに実行せず、しばらく時間を置いてから行うかどうか検討しましょう。
実行する際は、各社の公式Webサイトや取扱説明書で確認してください。
リカバリーモードで強制初期化を実行する
強制再起動を試してもフリーズする、あるいは強制再起動が実行できない場合は、スマホで深刻なトラブルが起きていると考えられます。
そのため、強制初期化を実行して、スマホを工場出荷状態まで戻してみましょう。
ここでは、iPhoneの「リカバリーモード」と、Androidの「リカバリーモード」の手順を紹介します。
iPhoneをリカバリモードで強制初期化する手順は、以下のとおりです。
- パソコンのOSとソフトウェアのバージョンを最新にする(macOS Mojave以前の場合はiTunes、Windowsの場合はiTunesまたはAppleデバイスアプリ)
- スマホをUSBケーブルでパソコンと接続する
- Macの場合はFinderかiTunes、Windowsパソコンの場合はApple デバイスアプリかiTunesを開く
- パソコンへの接続画面が表示されるまで待つ
- iPhone 8以降なら音量を上げるボタンをすぐに放し、続けて、音量を下げるボタンを押してすぐに放す
- 「コンピュータに接続」画面が表示されるまでサイドボタンを押し続ける
- パソコンに「アップデート」または「復元」の選択肢が表示されたら「アップデート」を選択する
- 途中で「コンピュータに接続」画面が閉じたらダウンロードが終わるまで待ってから手順3をやり直す
- アップデートが終了したらiPhoneを設定する
手順7で「アップデート」を選ぶとiOSの更新が行われ、内容は保持されます。それでも改善しない場合は、手順3からやり直して「復元」を選んでください。このときは、内容が初期化されます。
※iPhoneのリカバリモードに関する詳しい解説は、こちらをご確認ください。
多くのAndroidスマホでは、電源ボタンと音量ボタンを同時に10~15秒間押すことでリカバリーモードが起動でき、項目を選択すれば初期化が可能です。Androidスマホの場合はパソコンを用意する必要がありません。
ただし、Androidの場合はスマホの種類によってリカバリーモードの起動方法が異なります。実行する際は、公式Webサイトや取扱説明書で確認しましょう。
スマホが固まらない(フリーズしない)ための予防法

スマホが固まりやすい、あるいはフリーズが頻発する場合は、次の予防法を実行してみましょう。
- メモリの空き容量を増やす
- ストレージの空き容量を増やす
- スマホを冷ます
- OSやアプリをアップデートする
- 定期的にスマホを再起動する
- ウイルスを除去する
- スマホを買い替える
上記を順番に解説します。
メモリの空き容量を増やす
スマホのメモリは物理的に後から増設や交換はできません。
しかし、次の方法でメモリ使用量を減らせば、メモリの空き容量不足によってスマホが固まってしまうのを防ぐことは可能です。
- アプリのキャッシュを削除する
- 不要なアプリを終了する
- バックグラウンドアプリを停止する
キャッシュとは、アクセスしたWebサイトの情報やアプリの処理などの一時的なデータを保存しておき、再表示や処理を早くするための機能です。
メモリにキャッシュや利用していないアプリが溜まっていると、メモリ容量を圧迫するため、定期的にキャッシュの削除や不要なアプリの終了、アンインストール、バックグラウンドアプリの停止を行いましょう。
※スマホのキャッシュに関する詳しい解説は、こちらをご確認ください。
ストレージの空き容量を増やす
スマホの内部ストレージは物理的に後から増設や交換はできません。
しかし、次の方法でストレージ使用量を減らせば、ストレージの空き容量不足によってスマホが固まってしまうのを防ぐことは可能です。
- 不要な写真や動画、アプリを削除する
- 別の方法でストレージを増やす
ストレージの空き容量を増やしたい場合は、不要なデータを削除するか、別の方法でストレージを用意しましょう。
たとえば、楽天ドライブやiCloud、Google Driveなどのクラウドサービスではデータを保存できるので、不要な写真や動画を移動させてスマホから削除すれば、ストレージ容量が増えます。
ただし、データを削除したiPhoneをiCloudに同期(上書き保存)した場合は、以前に保存していたデータが消えてしまうため注意が必要です。
また、スマホによってはSDカードを挿入できるので、写真や動画、音楽などは外部ストレージに保存すると、内部ストレージの容量に影響を与えません。
※スマホのストレージ容量に関する詳しい解説は、こちらをご確認ください。
スマホを冷ます
スマホが過度に発熱している場合は冷ます必要があります。
ただし、水や冷蔵庫に入れて強制的に冷やす方法は避けましょう。直接的に冷やすと、急激な温度変化により内部で結露が発生し、スマホの故障やさらなるトラブルを招く可能性があります。
そのため、スマホが発熱した場合は次の方法で対処しましょう。
- アプリを強制終了してスリープ状態にする
- 電源を切る
- ケースから外す
- 風通しのよい場所に置く
基本的に、スマホが発熱した場合は利用や充電を止めて放置しておきましょう。
※スマホの発熱に関する詳しい解説は、こちらをご確認ください。
OSやアプリをアップデートする
スマホが固まる場合、OSやアプリを最新バージョンにアップデートすると、不具合が解消される可能性があります。
そのため、まずはOSのアップデートから試してみましょう。
iPhoneをアップデートする手順は以下のとおりです。
- 「設定」アプリをタップする
- 「一般」をタップする
- 「ソフトウェアアップデート」をタップする
- 「今すぐインストール」、あるいは「ダウンロードしてインストール」をタップする(「最新です」と表示されていれば、すでに最新になっているのでアップデートは不要)
- アップデートが終わるまで待つ
Androidをアップデートする手順は以下のとおりです。
- 「設定」アプリをタップする
- 「システム」をタップする
- 「ソフトウェアのアップデート」をタップする
- 「システムアップデート」をタップする
- 新しいバージョンでアップデートを開始する(「最新です」と表示されていれば、すでに最新になっているのでアップデートは不要)
なお、アップデートの内容によっては時間がかかる場合があるため、十分に充電したうえで、Wi-Fi®に接続して作業を行いましょう。
定期的にスマホを再起動する
再起動は、システムやアプリの一時的な不具合をリフレッシュする効果を期待できます。
通常の再起動はフリーズする前なら実行できるため、スマホの動作が不安定になる前に本来の手順で定期的に再起動すると、動作の不安定化を予防するのに役立ちます。
iPhoneの再起動の手順は以下のとおりです。
- いずれかの音量調節ボタンとサイドボタンを長押しする
- 電源オフスライダが表示されたら離す
- 電源オフスライダをドラッグする
- スマホの電源が切れるまで待つ
- 電源を入れる
Androidの場合はスマホによって手順が異なります。Google Pixel 6 以降(Google Pixel Foldを含む)の場合の手順は以下のとおりです。
- 電源ボタンと音量大ボタンを数秒間長押しする
- 画面に再起動アイコンが表示されたらタップする
- スマホの電源が切れるまで待つ
- 電源を入れる
強制再起動はスマホに負荷をかけるので、可能であれば通常の再起動を行いましょう。
ウイルスを除去する
ウイルスが原因でスマホがフリーズしている場合は、セキュリティアプリを利用してウイルスを除去するべきです。
感染したウイルスを放置していると、スマホが固まるだけでなく、個人情報が流出するリスクが高まります。
セキュリティアプリは有料のものが多いですが、スマホや個人情報を守るためにもインストールを検討してみてください。
スマホを買い替える
スマホは長年利用していると経年劣化により性能が低下していき、フリーズが発生しやすくなります。
また、古いスマホはOSやアプリを新しいバージョンにアップデートできない、メモリやストレージの容量が少ないなどのケースもあるため、フリーズを頻繁に繰り返すなら、買い替えを検討しましょう。
スマホが固まったら(フリーズしたら)スマホの買い替えも検討してみよう
スマホはメモリやストレージの容量不足、OSやアプリのバージョン、内部のトラブルなどが原因で固まる場合があります。
スマホが固まってしまう現象を防ぐための方法がいくつかあるため、普段から定期的にアップデートするなどしておくとよいでしょう。
なお、発生した原因によっては予防法が役立ちますが、スマホが古い場合は買い替えも選択肢です。
スマホを快適に利用し続けるなら、買い替えと一緒に、携帯電話会社の乗り換えも検討してみましょう。
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