5Gで使われる「ミリ波」とは?ほかの周波数帯との違いや活用分野についても解説

5Gで使われる「ミリ波」とは?ほかの周波数帯との違いや活用分野についても解説
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2025.03.28

近年、5Gによる通信に対応した製品・携帯電話会社が増加しています。

5Gでは「ミリ波」が利用される場合がありますが、「詳細を把握できていない」とお悩みの方もいるでしょう。
今回は、ミリ波とはどのようなものなのかを徹底解説します。NR化やSub6との違い、ミリ波の課題も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

ミリ波とは?

ミリ波とは、「周波数が30~300GHzの電磁波」を意味することが一般的です。名称は、波長が約1~10mm(ミリメートル)であることに由来します。

直進性が強く回折しにくいことから障害物に弱いものの、情報伝送能力が高いため、5G通信でミリ波が用いられるケースがあります。

なお、移動通信の分野では、30GHzよりも周波数が低い「26〜29GHz」の電磁波が「ミリ波」と呼ばれる場合があります。

ほかの周波数帯とミリ波の違い

多種多様な分野・領域で、用途に適した周波数の電波が利用されています。下表に、各周波数帯の特長や主な用途をまとめました。

名称

周波数

波長

特長・用途

超長波

3~30kHz

10~100km

・地表面に沿って伝わる性質があり、水中でも通信が可能
・海底探査・潜水艦用通信・長距離通信などで活用

長波

30~300kHz

1~10km

・電離層の影響を受けにくい
・政府機関などが国家標準・国際標準として送信する「標準電波」や、ラジオ放送・船舶ビーコンなどで活用

中波

300kHz~3MHz

100~1,000m

・電離層で反射し、遠距離まで届く
・船舶通信・アマチュア無線・AMラジオ放送などで活用

短波

3~30MHz

10~100m

・地球の裏側まで届く
・遠洋船舶無線・航空機無線・アマチュア無線・国際放送などで活用

超短波

30~300MHz

1~10m

・直進性があるが、障害物(山など)の背後に回り込む(回折する)性質がある
・FMラジオ放送・業務用移動通信・防災行政無線などで活用

極超短波

300MHz~3GHz

10cm~1m

・高い情報伝送能力があり、小型の通信設備で送受信が可能
・携帯電話・地上デジタル放送・電子レンジ・空港用レーダーなどで活用

マイクロ波

3~30GHz

1~10cm

・直進性が強く、高い情報伝送能力がある
・衛星通信・気象レーダー・船舶用レーダーなどで活用

ミリ波

30~300GHz

1~10mm

・高い情報伝送能力があるが、遠距離には届かない
・5G通信・医療・製造業(工場のIoT機器)・自動運転(自動車衝突防止レーダー)・電波天文などで活用

サブミリ波

300GHz~3THz

0.1~1mm

・光に近い性質があり、水蒸気に電波が吸収されやすい
・電波望遠鏡・ボディスキャナなどで活用

ミリ波は、周波数が高く取り扱いが難しい傾向にありますが、帯域幅を広く確保することが可能です。帯域幅が広いほど高速で通信できるため、近年、5G通信などでミリ波の需要が増大しています。

5Gではミリ波以外に「NR化」や「Sub6」も利用される

近年、スマホの5G通信では、ミリ波の利用が増加中です。ただし、必ずミリ波が利用されるわけではなく、「NR化」と呼ばれる仕組みや「Sub6」と呼ばれる周波数帯が利用される場合もあります。

以下では、「NR化」や「Sub6」について詳しく説明します。

NR化とは

NR(New Radio)化とは、既存周波数帯(4G・LTEで用いられている周波数帯)に対応した機器・ソフトウェアをアップデートし、5Gの通信規格に準拠したものに置き換える手法です。

転用可能な既存設備を有効活用し、機器やソフトウェアのアップデートによって5Gとしての通信を実現するため、スピーディに5G対応エリアを拡大できます。

Sub6とは

Sub6とは、6GHz以下の周波数帯(日本では3.7GHz帯、4.0GHz帯、4.5GHz帯が利用されている)を意味する用語です。

ミリ波に比べると、Sub6の方が障害物の影響を受けにくく、遠くまで届きやすい性質があります。

ミリ波は、周波数が高く直進性が高い性質があり、障害物の影響を受けやすい傾向にありますが、帯域幅を広く確保できます。

NR化やSub6では達成できない「高速通信」や「同時多数接続」を実現するためには、帯域幅を広く確保できるミリ波の活用が欠かせません。

ミリ波の活用分野

ミリ波は、5G通信以外にも、以下のような分野・領域で利用されています。

・通信(無線LAN、通信衛星、デジタル放送の伝送システムなど)
・自動運転(障害物を検知するための車載レーダー、自動運転レベル3の遠隔操作システムなど)
・医療・介護(生体情報の測定、介護施設入所者の転倒検知など)
・製造業(スマートファクトリー、IoT機器の通信、業務の自動化など)
・天文・気象(電波望遠鏡、雨・霧で減衰する性質を利用した天気予報など)

上記のほか、ミリ波の直進性を活かしたワイヤレス電力伝送システムへの活用も検討されています。

5Gでミリ波を利用するメリットと課題

5Gでミリ波を利用すれば、端末それぞれに異なる周波数を割り当てて同時に高速通信できるというメリットがあります。

ただし、課題(注意するべき点)もあります。以下では、5Gでミリ波を利用するメリットと課題について詳しく説明するのでチェックしてみましょう。

5Gでミリ波を利用するメリット

ミリ波には、周波数が高く帯域幅を広く確保できるという特長があります。

帯域幅を広く確保できるミリ波を用いれば、端末それぞれに異なる周波数を割り当てて同時に通信できます。

また、帯域幅が広いため、端末に多くの周波数を割り当てることにより、NR化やSub6では達成できない高速通信が可能です。

たとえば、4Gでは数分かかる映画のダウンロードが、ミリ波を用いた5G通信では数秒で完了する場合もあります。

5Gでミリ波を利用する課題

5Gでミリ波を活用する場合は、通信可能範囲が狭く障害物の影響を受けやすい傾向にあります。

また、5G通信できるエリアの多くで「NR化」または「Sub6」には対応していても、現状「ミリ波」に対応しているエリアは限られます。

携帯電話会社によっては、居住しているエリア(勤務先や学校があるエリア)がミリ波に対応していないかもしれません。

NR化やSub6ではなく、ミリ波を用いた5Gで通信したい方は、事前に各社の公式Webサイトで対応エリアをチェックしておきましょう。

ミリ波による5G通信に対応したスマホに買い替えることも検討を

ミリ波とは「周波数が30~300GHzの電磁波」を意味することが一般的ですが、移動通信の分野では「26〜29GHz」の電磁波を意味する場合もあります。

ミリ波には、周波数が高く帯域幅を広く確保できるという特長があり、高速通信を実現するために5Gでの活用が進んでいます。高速な通信環境でスマホを利用したいのであれば、ミリ波による5G通信に対応した製品に買い替えることも検討しましょう。

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