スパムメッセージ（スパムメール）とは？種類やリスク、対処法を詳しく解説

スパムメッセージにはさまざまなリスクがあるため、適切に対処しなければいけません。
今回は、スパムメッセージの種類やリスクについて詳しく解説します。対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

スマホに届くスパムメッセージ（スパムメール）とはなに？

スパムとは、受信者が希望していないのに、一方的に送信されてくるメッセージやメールです。

悪意のある個人・集団が、なんらかの方法で電話番号・アカウントID・メールアドレスなどを入手しているか、それらをランダムに生成して送り付けています。

「スパムメッセージ」とは、SMS・各種SNS・動画配信プラットフォームのダイレクトメッセージ機能などで届く場合の呼称です。「スパムメール」は、メールで届く場合の呼称です。

スパムの目的は、「架空請求」「フィッシング詐欺」「個人情報の窃取」「ウイルスに感染させること」などが挙げられます。

スパムメッセージ（スパムメール）の種類

スパムメッセージには、さまざまなタイプがあります。以下は、スパムメッセージの代表的な種類です。

・標的型スパムメッセージ
・ウイルス型スパムメッセージ
・フィッシングメッセージ
・広告宣伝メッセージ
・架空請求メッセージ

＜標的型スパムメッセージ＞

特定の組織や個人を標的として送信されてくる悪意のあるメッセージです。個人情報や機密情報を窃取することを目的としています。

受信者に信頼してもらうために上司や同僚、取引先などを装う場合もあります。

＜ウイルス型スパムメッセージ＞

受信者が保有する製品にウイルスを感染させることを目的としたメッセージです。

メッセージに記載されているURLにアクセスしたり、添付ファイルを開いたりすると、マルウェアに感染する可能性があります。

マルウェアとは、悪意のあるソフトウェアの総称で、「Malicious Software」を略したものです。

マルウェアには、ファイルに寄生して増殖する「ウイルス」のほか、寄生せずに自己増殖する「ワーム」、増殖しない「トロイの木馬」なども含まれます。

マルウェアに感染すると、内部ストレージに保存してある情報を窃取されたり、製品を乗っ取られて遠隔操作されたりすることがあります。

＜フィッシングメッセージ＞

会員制WebサイトのID・パスワードやクレジットカード情報などの窃取を目的としたメッセージです。

「アカウントが停止された」「セキュリティ上の問題が発生した」といった文言で偽のWebサイトへ誘導され、IDやカード情報を抜き取られる可能性があります。

＜広告宣伝メッセージ＞

製品やサービスの宣伝を目的として送られてくるメッセージです。

本文にECサイトなどのURLが記載されており、マルウェアの感染源となる不適切なWebサイトに誘導されるケースもあります。

＜架空請求メッセージ＞

金銭を騙し取ることを目的としたメッセージです。

「未払いの料金がある」「支払いがない場合、法的措置を実施する」など、身に覚えのない請求に関する文言が記載されています。

スパムメッセージ（スパムメール）であるかどうかを見わける方法

スパムメッセージであるかどうかを見わけるためには、送信元のアカウントやメールアドレスをチェックしましょう。

これまでに見たことがないアカウント・メールアドレスの場合、スパムメッセージの可能性があります。

また、宛名がない場合や「お客様」など、誰に対しても通用する呼称の場合も、スパムメッセージの可能性を疑いましょう。

受信者に開かせるために、「緊急」「重要」「セキュリティ」などの文言がタイトルなどに含まれるメッセージも、スパムメッセージの場合があります。

そのほか、日本語やフォントが不自然な場合もスパムであることが多いです。メッセージが届いたら、まずは送信元のアカウントやメールアドレスなどをチェックしましょう。

スパムメッセージ（スパムメール）が届いた場合の対処法3選

スパムメッセージが届いた場合は、以下で紹介する3つの方法で対処しましょう。

・メッセージを開かずに削除する
・怪しいURLにアクセスしたり、添付ファイルを開いたりしない
・個人情報（氏名・住所など）を入力・送信しない

それぞれについて詳しく説明します。

メッセージ（メール）を開かずに削除する

メッセージを開封するだけでウイルスに感染する可能性があります。

そのため、メルマガ登録した記憶がない店名や請求元が差出人に入っている場合や、日本語が不自然な件名のメールが届いた場合は、メッセージの内容を確認せずに、そのまま削除しましょう。

怪しいURLにアクセスしたり、添付ファイルを開いたりしない

送信元のアカウントやメールアドレスを見ただけでは、「怪しい」と感じられず、中身を閲覧してしまうケースもあるかもしれません。

メッセージの内容を確認し、怪しいURLや添付ファイルがある場合は、アクセスしたり、開いたりしないようにしましょう。

個人情報（氏名・住所など）を入力・送信しない

スパムメッセージによっては、個人情報を入力・送信するように誘導してくることがあります。

氏名・住所・電話番号・カード情報などを入力してしまうと、個人情報を悪用されたり、金銭を盗まれたりする可能性があります。

有名企業・金融機関・官公庁などを装うスパムも見受けられますが、少しでも「怪しい」と感じた場合は、個人情報の入力・送信はしないようにしましょう。

スパムメッセージ（スパムメール）によって被るリスクの具体例

スパムメッセージからフィッシングサイトに誘導されて個人情報を入力してしまうと、犯罪に巻き込まれる危険性があります。

フィッシング対策協議会によると、2024年3月から2025年2月までの期間に報告されたフィッシング被害件数は、毎月9万件以上あり、多い月は23万件程度あります。

金融機関や宅配業者などの有名企業のWebサイトに似ている偽Webサイトが表示されると、公式のWebサイトと誤認しやすいため、要注意です。

氏名・住所・電話番号・クレジットカード番号などを入力してしまうと、身に覚えのない利用料金を請求される可能性があります。

マルウェアに感染し、サイバー攻撃の足がかりにされるケースもあります。たとえば、北朝鮮当局の下部組織とされる「ラザルス」は、マルウェアをダウンロードさせて、それを足がかりにして不正アクセスをしています。

※出典：金融庁

また、過去には、ランサムウェア「Gandcrab」に感染する事例も多数報告されました。これは、日本の芸能人名を記載した「Love you」スパムメール攻撃という攻撃事例です。

そのほか、スパムメッセージが大量に届くと、重要なメッセージを見落としたり、特定のメッセージを探すのに時間と労力がかかったりする場合があります。

スパムメッセージ（スパムメール）による被害を防ぐための対策

被害に遭わないためには、日頃から安易に会員登録をしないように心がけることが重要です。怪しいWebサイトで会員登録をすると、そこからアカウントやメールアドレスが流出し、スパムメッセージが届く原因になります。

怪しいメッセージが届いた場合は、送信元アカウントやメールアドレスをブロックしましょう。

メールの場合は、メールフィルタを設定し、スパムを自動的に迷惑メールフォルダに振りわけることもできます。

また、セキュリティ対策アプリのスパム対策機能を利用するのもひとつの方法です。

さまざまな対策をしてもスパムメッセージが届く場合は、アカウント・メールアドレスを変更することも検討しましょう。

スパムメッセージ（スパムメール）を開いてしまった場合の対応

メッセージを見ただけでは、被害を受ける可能性は高くありません。

しかし、添付ファイルを開いたり、文面に書かれているURLにアクセスしたりした場合は、迅速な対応が必要です。

まずはマルウェアによる情報流出を防ぐためにネットワークの接続を遮断し、セキュリティ対策アプリでスキャンを実行して、ウイルスを除去しましょう。

除去できない場合はスマホを初期化することも検討してください。

フィッシングサイトでクレジットカード情報を入力してしまった場合は、カード会社に連絡し、利用停止措置や再発行を依頼しましょう。

スマホを利用する場合はスパムメッセージ（スパムメール）に注意しよう

スパムメッセージには、さまざまなリスクがあります。

不審なメッセージが届いた場合は、「開かずに削除する」「記載されているURLにアクセスしない」「個人情報を入力しない」といった対処が必要です。

普段からネットショッピングを頻繁にする方や、クレジットカードをよく利用する方はメールアドレスや電話番号を登録していることが多く、そこからメッセージが届く可能性があります。

しかし、読まないメルマガなどがあれば登録を解除、またはブロックすることで不審なメッセージに気付きやすくなるかもしれません。

被害を受けないように、適切に対策を講じたうえでSMS・SNS・メールなどを利用しましょう。

SNSなどを頻繁に利用する場合は、利用料金を抑えられる携帯電話会社への乗り換えもご検討ください。

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