モバイルバッテリーの機内持ち込みルールとは?国内線と国際線で異なることや容量制限も解説

航空機に搭乗する際、モバイルバッテリーを機内に持ち込めるのか気になっている人もいるのではないでしょうか。結論を述べると、ルールを守れば、機内への持ち込みは可能です。
今回は、モバイルバッテリーの機内持ち込みルールを徹底解説します。旅行や出張などで航空機に搭乗する予定の人は、ぜひ参考にしてください。
モバイルバッテリーは機内持ち込み可能?
モバイルバッテリーは、一定の条件を満たせば航空機内への持ち込みが可能です。ただし、安全確保のためのルールが定められています。
モバイルバッテリーに内蔵されているリチウムイオン電池は発火・発煙のリスクがあるため、取り扱いには注意が必要です。
こうしたリスクを踏まえて、モバイルバッテリーの機内持ち込みには一定の制限が設けられています。日本の場合、国際民間航空機関(ICAO)の国際基準を踏まえて、国土交通省がモバイルバッテリーの機内持ち込みに関する基準を策定しています。
※モバイルバッテリーについて詳しくは、こちらをご確認ください。
細かい規定は航空会社ごとに異なる
国土交通省によってモバイルバッテリーの機内持ち込みに関する基準が定められているものの、細かい規定は航空会社ごとに異なります。また、海外の航空会社では各国当局が定めた基準を踏まえて規定を策定しており、日本の航空会社の規定と異なる可能性があります。
航空機に搭乗する予定がある場合は、事前に利用する航空会社の公式Webサイトを閲覧し、モバイルバッテリーの機内持ち込みに関する規定を確認しましょう。
国内線と国際線で機内持ち込みルールに差異があるケースも見受けられる
航空会社によっては、国内線と国際線でモバイルバッテリーの機内持ち込みルールに差異があるケースも見受けられます。
国際線では機内への持ち込み条件が厳しい場合もあるため、事前に利用する航空会社の公式Webサイトでご確認ください。
モバイルバッテリーの機内持ち込みルールが定められている理由
モバイルバッテリー内部に組み込まれている「リチウムイオン電池」は、衝撃などで発火するおそれがあります。実際に、機内で起こったモバイルバッテリーが原因とみられる発火・発煙事例が報告されています。
モバイルバッテリーの機内持ち込みに関するルールが定められている理由は、こうしたリスクを低減し、航空機を安全に運航するためです。
過去には、モバイルバッテリーの機内持ち込みルールが定められていない時期もありましたが、2008年にアメリカがリチウム電池内蔵製品(モバイルバッテリーなど)の機内持ち込みを制限する規定を策定しました。その後、国際的に持ち込みを制限するルールが整備されたという経緯があります。
モバイルバッテリーの機内持ち込みに関する基本的なルール

モバイルバッテリーの機内持ち込みに関する基本的なルールは以下のとおりです。
・預入(受託)手荷物には入れない
・ワット時定格量(Wh)や個数に制限がある
・ショートを防止するための措置を講じる
それぞれ詳しく説明します。
預入(受託)手荷物には入れない
モバイルバッテリーを「預入(受託)手荷物」に入れることは禁止されています。必ず「機内持ち込み手荷物」に入れて航空機に搭乗してください。これは、万が一、発火・発煙が発生しても、客室内であれば客室乗務員が迅速に消火などの対応を実施できるためです。
「預入(受託)手荷物」に入れると、貨物室に搬送する際の衝撃や圧迫により、モバイルバッテリーが発火するリスクがあります。また、貨物室内で発火した場合、迅速な対応が困難です。大惨事につながりかねないため、絶対に「預入(受託)手荷物」に入れないようにしてください。
ワット時定格量(Wh)や個数に制限がある
ワット時定格量(バッテリーの容量を示す単位)が、160Whを超えるモバイルバッテリーの機内持ち込みは禁止されています。また、2026年4月23日以前は、100Wh超160Wh以下のモバイルバッテリーに関しては、2個までと制限されていました。
ワット時定格量(Wh)の数値は、以下の式により、定格容量(AhやmAh)および定格電圧(V)の数値から計算可能です。
ワット時定格量(Wh)=定格容量(Ah)×定格電圧(V)=定格容量(mAh)×定格電圧(V)÷1,000
具体例として、スマホを2回または3回程度フル充電可能な「10,000mAhのモバイルバッテリー」でワット時定格量を試算します。平均的な定格電圧(3.7V)のリチウムイオン電池が内蔵されている場合、10,000mAh×3.7V÷1,000=37Whと算出されます。
2026年4月23日以前は、100Wh以下のモバイルバッテリーは個数制限なしで機内に持ち込みが可能でしたが、この「個数制限なしで持ち込めるルール」は2026年4月24日に変更されました。新ルールについては「2026年4月24日以降に適用された新ルール」で紹介しています。
ショートを防止するための措置を講じる
モバイルバッテリーの端子に、ほかの金属製の製品などが触れると、ショートする可能性があります。ショートとは、本来接触しないはずの導体同士が接触することで、通常よりも大きな電流が流れて発熱・発火するケースがあるため、ショートを防止するための措置を講じなければなりません。
具体的には、ひとつの容器・袋に複数の製品をまとめて入れるのではなく、それぞれを別の容器・袋に入れます。また、端子に絶縁テープなどを貼ることも、ショート防止に有効です。
2025年7月に適用が開始されたルール
2025年7月からは、モバイルバッテリーを座席上の収納棚に収納せず、手元で管理することが必要になりました。
また、モバイルバッテリーからスマホなどへの充電や機内備え付け電源からモバイルバッテリーへの充電は目視確認できる状態で実施することとされましたが、後述するように、2026年4月24日に変更されました。
2026年4月24日以降に適用された新ルール
2026年4月24日以降、機内に持ち込めるモバイルバッテリーは、100Wh以下であっても、ひとり2個までと制限されました。
また、機内でモバイルバッテリーからスマホなどへの充電、および、機内備え付けの電源からモバイルバッテリーへの充電が禁止されました。なお、機内備え付けの電源からスマホなどへの充電は可能です。
※2026年4月24日以降に適用された新ルールについて詳しくは、国土交通省公式Webサイトをご確認ください。
機内に持ち込むモバイルバッテリーの選び方
機内に持ち込む予定がある場合は、安全性を確保するために、「PSEマーク」が表示されているモバイルバッテリーを選びましょう。
PSEマークとは、電気用品安全法の技術基準に適合する(安全性に関する要件を満たす)ことを示すマークです。
なお、PSEマークは日本の技術基準に適合することを示すマークであり、国際的なものではありません。たとえば、アメリカでは技術基準に適合する製品に「ULマーク」が、EU加盟国では「CEマーク」が表示される仕組みです。
日本国内で販売される一般的なモバイルバッテリーには、「丸形PSEマーク」の表示が義務付けられています。壁のコンセントに直接さして本体を充電できるプラグ付きのタイプ(ACプラグ一体型モバイルバッテリー)の場合は、「菱形PSEマーク」の表示が義務とされています。
以下に示す画像の左側が丸形PSEマーク、右側が菱形PSEマークです。モバイルバッテリーを購入する際には、これらのPSEマークが表示されているか確認すると安心です。

また、製造年月を確認し、なるべく新しい製品を購入することも重要です。モバイルバッテリーの内部に組み込まれているリチウムイオン電池は、時間が経過すると劣化し、発火するリスクが高まるためです。
モバイルバッテリーの機内持ち込みルールを把握して飛行機に搭乗しよう
モバイルバッテリーは、ルールを守れば、航空機内への持ち込みが可能です。事前に各航空会社の公式Webサイトなどで、モバイルバッテリーの機内持ち込みルールを把握しておきましょう。
また、古いモバイルバッテリーを利用している場合は、安全性を考慮して、新しい製品への買い替えもご検討ください。古いスマホを利用していて、バッテリーの消費が激しい場合は、この機会にスマホも買い替えてはいかがでしょうか。
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