格安SIMとは?格安の理由や選び方・乗り換え方法などを解説

毎月のスマホ料金を節約するために、格安SIMへ乗り換えを検討したことのある人もいるでしょう。
しかし、いざ乗り換えるとなると「格安SIMってなに?通信は問題なく使えるの?」と不安を感じることがあるかもしれません。
今回は、格安SIMとはなにか、安さの理由やメリット・デメリット、格安SIMへの乗り換え方法などを紹介します。
格安SIMとは

「格安SIM」とは、大手携帯電話会社のメインブランドと比べて低価格で利用できるSIMカード/eSIMのことです。
一般的には、自社で通信設備を持たず、大手携帯電話会社の回線を借りてサービスを提供する「仮想移動体通信事業者(MVNO)」の低価格な通信サービスのことを指します。
格安SIMと格安スマホに違いはある?
一般的に格安SIMと格安スマホは同じ意味として使われることが多いですが、厳密には同じものではありません。
先述したように、格安SIMとは、仮想移動体通信事業者が提供するSIMカードやeSIMのことを指します。eSIMとは、スマホ本体に内蔵されたデジタルSIMのことで、物理カードを差し替えずに契約や回線の切り替えができる仕組みです。
SIMカードには標準SIM・microSIM・nanoSIMの3種類があり、サイズに対応したスマホにセットすることで使えます。
一方で、格安スマホは、格安SIMとセットで使うスマホ本体のことを指します。高価格なスマホであっても、販売形態や文脈によって、格安SIMとセットで使っている場合に「格安スマホ」と呼ばれることもあります。
格安SIMはなぜ安いのか
格安SIMが安い理由は、通信設備の整備や維持、店舗運営のコストがかからない点にあります。以下で格安SIMが安い理由を詳しく紹介します。
通信設備を整備・維持するコストがかからない
携帯電話会社は、自社で通信設備を保有する「MNO(移動体通信事業者)」と、MNOから通信設備を借りてサービスを展開する「MVNO(仮想移動体通信事業者)」の大きく2つにわけられます。
格安SIMを提供する事業者(仮想移動体通信事業者)は、サービスを提供するうえで通信設備を整備・維持するコストがかかりません。コストがかからない分、低価格でのサービス提供が可能となっています。
店舗運営のコストがかからない
大手携帯電話会社は全国各地に店舗を展開していますが、その運営には人件費や物件の賃料などのコストがかかります。
一方で、格安SIMは店舗がない、または少数しか持たない事業者が多く、店舗運営のコストを抑えやすいという特長があります。また、格安SIMは店舗がなくても対応できるよう、サポートを対面ではなくオンライン中心に行っています。
格安SIMのメリット
格安SIMのメリットとしては、料金の安さ、低容量のプランの豊富さ、シンプルさなどが挙げられます。格安SIMのメリットを以下で見ていきましょう。
携帯電話料金が安い
格安SIMは、多くの場合月額1,000~3,000円前後で利用可能です。MNOから乗り換えれば、大幅に節約できる可能性があります。
毎月3GB以下のデータ容量が月額1,000円以下で利用できる格安SIMが多く、かなりミニマムな契約も可能です。データ利用量が少ないライトユーザーも、それに見合った金額まで毎月の料金を絞り込むことができます。
低容量のプランが選びやすい
格安SIMは、1GB、3GB、6GBなど、10GB以内の低容量の料金プランが豊富に用意されています。自分のデータ利用量にピッタリの料金プランを選択することが可能です。
なお、携帯電話会社によっては、余ったデータ容量を翌月に繰り越しできる「データ繰り越し」のサービスを提供しており、少ないデータ容量でも無駄なく使ってやりくりができます。
料金プランがシンプル
格安SIMの料金プランは、シンプルで金額を把握しやすいのも魅力です。
複雑な割引がなく、元々の料金自体を安く設定しているところが多いです。複雑な割引条件を理解することに苦手意識を持っていた人も、安心して契約できるでしょう。
格安SIMのデメリット
格安SIMのデメリットとしては、対面サポートを受けづらい、混雑時に速度が低下しやすい、選べるスマホが少ないところがあるなどが挙げられます。以下で格安SIMのデメリットを見ていきましょう。
対面サポートを受けづらい
格安SIMは、店舗を持たないあるいは店舗の少ないところがほとんどで、サポートは対面ではなくオンラインが中心です。トラブルの際は、チャットやメール、電話などで相談をすることになります。
店舗がない(または店舗数が限られる)ため、「店舗があればよかったのに」と感じることはあるかもしれません。オンラインのサポートを上手く活用する方向に切り替えていく必要があります。
回線混雑の時間帯に速度低下しやすい
格安SIMは、回線設備を借り受けて通信を提供する性質上、自社で回線を保有する携帯電話会社(MNO)と比較すると、帯域(≒データの通り道)に制限があります。
そのため、利用者が多い通勤時間帯やお昼時などの回線が混雑する時間帯は、通信速度が低下しやすいです。自動車の通行で例えると、自社で回線を持つ携帯電話会社と比べると格安SIMは車線の数が少なく、交通量が増えると渋滞しやすいイメージです。
通信が混雑していない時間帯であれば差は少ないですが、回線が混雑しやすい時間帯はMNOと比べて速度に差を感じてしまう可能性があります。
スマホのラインアップが少ないところもある
スマホのラインアップが充実したMNOと比較すると、仮想移動体通信事業者はセットで購入できるスマホの品揃えが控えめなところも多いです。
格安SIMに乗り換えた後も、機種変更で選べるスマホの選択肢を狭めたくないと考えているなら、家電量販店やオンラインショップなどで販売されているSIMフリースマホの購入を検討してみるのもひとつの方法です。
※SIMフリースマホについて詳しくは、こちらをご確認ください。
※格安SIMのデメリットについて詳しくは、こちらをご確認ください。
格安SIMの選び方

いざ格安SIMへ乗り換えとなると、どの格安SIMを選ぶべきなのか、迷ってしまうこともあるかもしれません。格安SIMの選び方のポイントを以下で見ていきましょう。
・自分にあう料金プランのある格安SIMを選ぶ
・独自のサービスをチェックする
・乗り換えのキャンペーンに注目する
・セット購入できるスマホで選ぶ
自分にあう料金プランのある格安SIMを選ぶ
格安SIMの各公式Webサイト内で料金プランの紹介ページをチェックし、自分の使い方にあったデータ容量の料金プランがあるか確認してみましょう。
毎月のデータ利用量は、契約中の携帯電話会社の会員ページで確認できます。「会社名+会員ページ」などのキーワードでインターネット検索し、会員ページにアクセスしましょう。
独自のサービスをチェックする
格安SIMごとに、他社との差別化として、独自のサービスが展開されています。具体的には、以下のようなサービスが用意されていることがあります。
・独自の通話オプション
・ユーザー同士、家族同士のデータ容量のシェア
・SNS使い放題、動画見放題などのオプションサービス
・通信速度の上限を設定した低価格な料金プラン
自分にとって価値を感じるプランやオプションはあるか、ぜひチェックしておきましょう。
乗り換えのキャンペーンに注目する
他社から電話番号そのままで乗り換え(MNP)をする人などを対象に、おトクなキャンペーンが用意されているところもあります。
具体的なキャンペーンとしては、ポイントバック、セット購入のスマホへの割引、月額料金への一定期間の割引などが挙げられます。特にMNPのキャンペーンは金額が大きくなることも多いので、ぜひ注目しておきましょう。
※他社から電話番号そのままで楽天モバイルに乗り換える場合(MNP)の手続きについては、こちらをご確認ください。
セット購入できるスマホで選ぶ
機種変更を考えているなら、セット購入できるスマホも確認してみましょう。格安スマホは前述のとおりスマホのラインアップが控えめなところも多いですが、セット販売のスマホが充実したところももちろんあります。
仮想移動体通信事業者では、MNOで取り扱いの少ない比較的マイナーなメーカーのスマホを取り扱っていることもあり、今までとは異なるスマホを手にすることも可能です。
5万円を切るような低価格帯のスマホを豊富に取り扱っているところも多く、通信料金だけではなく、機種代金も節約できる可能性があります。
格安SIMへ乗り換える手順

ここからは格安SIMへ乗り換える手順を見ていきましょう。以下の3ステップで乗り換えが可能です。
1.乗り換え前の事前準備をする
2.乗り換え先の格安SIMに申し込む
3.初期設定をして利用を開始する
乗り換え前の事前準備をする
格安SIMへの申し込みの事前準備としては、主に以下が必要です。
・バックアップを取る
・MNP予約番号の取得(必要な場合のみ)
・SIMロック解除(必要な場合のみ)
・対応端末の確認(必要な場合のみ)
・本人確認書類・支払いに必要なものの準備
バックアップを取る
格安SIMへの乗り換えに併せて機種変更も行う場合は、事前にバックアップを取っておきましょう。
バックアップを取っておけば、これまで使っていたスマホに保存されていた連絡先や写真、動画、アプリなどのデータを新しいスマホに引き継げます。
ただし、アプリやサービスによっては、アプリ内データやログイン情報がバックアップでは引き継がれない場合もあります。必要に応じて、各アプリの引き継ぎ方法を確認しておきましょう。
※バックアップのやり方について詳しくは、こちらをご確認ください。
MNP予約番号の取得
電話番号を引き継ぐためには、MNPと呼ばれる仕組みを利用します。
MNPワンストップの対象事業者間での乗り換えの場合、事前の手続きは不要ですが、それ以外では事前に契約中の携帯電話会社の会員ページなどで「MNP予約番号」の発行が必要です。
※MNPワンストップの対象事業者について詳しくは、こちらをご確認ください。
※MNPワンストップについて詳しくは、こちらをご確認ください。
※MNP予約番号について詳しくは、こちらをご確認ください。
※電話番号の引き継ぎについて詳しくは、こちらをご確認ください。
SIMロック解除
MNOで購入した一部のスマホは、他社での回線で利用できないようにスマホにSIMロックがかかっています。2021年10月以降に発売された機種は、原則としてSIMロックがかかっていませんが、古いスマホでは解除手続きが必要な場合があります。SIMロックは携帯電話会社の会員ページなどから解除が可能です。
「携帯電話会社名+SIMロック解除」などのキーワードで検索すると、各社の公式Webサイト内でSIMロック解除の手続きページへのリンクの案内などが確認できます。
※SIMロック解除について詳しくは、こちらをご確認ください。
対応端末の確認
現在利用しているスマホを格安SIMでも利用したい場合は、そのスマホが対応端末に含まれているか確認しておきましょう。対応端末(または動作確認済端末など)は、各携帯電話会社の公式Webサイト内で確認できます。
本人確認書類・支払いに必要なものの準備
格安SIMへの申し込みの際には、本人確認書類のアップロードと支払い情報(クレジットカード番号など)の入力が必要です。本人確認書類とクレジットカードなどをお手元に準備しておきましょう。
乗り換え先の格安SIMに申し込む
事前準備ができたら、格安SIMの公式Webサイトから申し込みを開始します。
料金プラン、オプション、セット購入するスマホなどを順に選択し、必要情報(住所・氏名、支払い情報)の入力を済ませて申し込みを完了させましょう。
初期設定をして利用を開始する
申し込みした後日、SIMカードや購入したスマホが自宅に届きます。その後、初期設定を完了すれば、格安SIMの利用を開始できます。必要な初期設定は以下が挙げられます。
・開通手続き
・SIMカードのセット
・APN設定(通信のためのスマホの設定)
・データ移行
開通手続き
開通手続きをすると、格安SIMの回線に切り替わり、今まで契約していた回線は自動的に解約されます。開通手続きは、Webや電話などから可能です。
SIMカードのセット
SIMカードは、契約先の回線を使うためにスマホやタブレットにセットする小さなICカードです。
スマホを購入した際には、SIMカードを端末にセットしましょう。手持ちのスマホを継続して利用する場合は、今まで使っていたSIMカードから新しいSIMカードに入れ替えをします。
※SIMカードの挿入/入れ替えについて詳しくは、こちらをご確認ください。
APN設定
APN設定は、契約した携帯電話会社の回線を通じてデータ通信するためのスマホ側の設定です。
iPhoneではAPN構成プロファイルのインストール、Android™では設定からAPNの登録を行います。スマホと携帯電話会社の組み合わせによっては、APNが自動で設定される場合もあります。
データ移行
乗り換えと併せて機種変更する場合は、データ移行が必要です。iPhoneではクイックスタートの機能で、ワイヤレスでのデータ転送が可能です。
AndroidはGoogle アカウントへのバックアップを復元する方法などで、データ移行ができます。
※データ移行の方法について詳しくは、こちらをご確認ください。
格安SIMの利用に向いている人・向いていない人の特徴
格安SIMの利用を検討するにあたって、自分に向いているかどうか確認しておきたい人もいるでしょう。以下では、格安SIMの利用に向いている人・向いていない人の特徴を紹介します。
向いている人
格安SIMは幅広い人におすすめできるサービスですが、以下に該当する人は特に向いています。
・対面サポートが必要ないと感じる人
・スマホの利用料金を安くしたい人
・モバイルデータ通信ではなくWi-Fi®をメインで使っている人
先述したように、格安SIMは店舗がない、または店舗数が少ないため、対面ではなくオンラインでのサポートが中心です。そのため、対面でのサポートは必要ないと感じる人に向いています。
また、格安SIMは低容量でリーズナブルな料金プランが豊富なため、スマホの利用料金を抑えやすいです。
低容量の料金プランだとデータ容量が足りるか心配になる場合もありますが、Wi-Fiをメインで使っている人であれば、容量不足を心配せずに利用できるでしょう。
向いていない人
一方で、以下の特徴に当てはまる人は、格安SIMの利用に向いていない可能性があります。
・対面でサポートを受けたい人
・キャリアメールが必要な人
店舗を持つ格安SIM事業者は少なく、対面でのサポートを受けにくい傾向があります。対面でのサポートを重視する人は、全国に店舗がある大手携帯電話会社を選びましょう。
また、大手携帯電話会社から格安SIMに乗り換えると、これまで利用していたキャリアメールが利用できなくなる場合があります。キャリアメールとは、@docomo.ne.jp、@au.com、@softbank.ne.jpなど、携帯電話会社が提供するメールサービスのことです。
乗り換え後にキャリアメールを利用できるケースもありますが、その場合は乗り換え前の携帯電話会社で有料プランに加入し、契約を継続する必要があります。
キャリアメールを利用できなくなっても、別のメールサービスやメッセージアプリを利用すれば連絡手段に困ることはないでしょう。
しかし、どうしてもキャリアメールを利用しなければいけない事情がある人には、向いていないかもしれません。
たとえば、キャリアメールのアドレスを登録しているサービスや会員サイトが多い場合や、仕事・学校などでそのアドレス宛てに連絡が届く場合は、アドレス変更の手間や漏れを防ぐためにキャリアメールを維持したほうが安心なこともあるでしょう。
よくある質問
格安SIMに関するよくある質問と回答を紹介します。
格安SIMにデータは引き継げる?
スマホ本体を変えずに格安SIMに変更する場合、端末内のデータは基本的にそのまま引き継がれます。機種変更をする場合も、バックアップを取っておけば新しいスマホにデータを引き継げます。
また、MNPを利用すれば、電話番号の引き継ぎも可能です。
格安SIMの通信速度は具体的にどのくらい?
格安SIMの通信速度は、利用する時間帯や場所、契約プランなどの条件によって異なるため、一概にいえません。
なお、利用者が集中する時間帯や混雑している場所では、通信速度が遅くなる傾向にあります。
データ無制限で使える格安SIMはある?
中には、データ無制限で使える料金プランを提供している格安SIMもあります。
ただし、データ無制限のプランは通信速度に上限が設けられている場合もあるため、最大速度や制限の内容を事前に確認しておきましょう。
MNOが提供している格安SIM並みに低価格なプランも検討してみよう
格安SIMを提供する事業者は、大手携帯電話会社から回線を借り受けてサービスを展開しており、料金の安さやシンプルさが大きな魅力です。
一方でデメリットとしては、対面サポートが受けづらいことや、回線が混雑する時間帯に速度が低下しやすいことなどが挙げられます。
このあたりがネックに感じる人は、MNOでも格安SIMに近い水準の低価格な料金プランを提供しているところもあるため、検討してみるのがおすすめです。
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