eSIMとは?メリット・デメリットや対応機種、利用をはじめる手順を紹介

eSIMとは、スマホ本体に内蔵されたSIMのことです。自宅に居ながらオンラインで契約が完結し、スピード開通できることが大きな魅力です。eSIMを利用すれば、デュアルSIMとして2つの回線を使いわけたり、海外で現地の通信サービスを使えたりなど多くのメリットがあります。
今回は、eSIMとはなにか、eSIMのメリット・デメリットなどを紹介します。
eSIMとは本体一体型のSIM

eSIMとは、スマホの内部にICチップとして内蔵された、スマホと一体になっているSIMのことです。
カード型の物理SIM(SIMカード)を差し込む代わりに、契約者情報や回線情報をICチップに書き込むことでSIMとして機能します。
eSIMの情報は契約者自身の操作によってオンラインで書き換えられるため、郵送や来店による物理SIMの受け取りが不要で、自宅に居ながら乗り換えや開通の手続きをできるのが特長です。
総務省も、携帯電話会社の乗り換えの円滑化に向けてeSIMの普及を推進しています。
eSIMとSIMカードの違い
eSIMとSIMカードの違いをまとめると、次のとおりです。
・SIMの形態
eSIM:スマホ本体に内蔵されたICチップ
SIMカード:取り外し可能な物理カード
・差し替え作業
eSIM:設定だけで完了
SIMカード:物理カードの差し替えが必要
・申し込みから利用開始まで
eSIM:オンラインで完結
SIMカード:オンラインで申し込み+郵送受け取り、または店頭で申し込み+受け取りなど
・利用開始までにかかる日数(オンライン申し込みの場合)
eSIM:最短即日
SIMカード:郵送のため日数が必要
SIMカードをオンラインで申し込む場合は郵送のため、日数が必要です。eSIMなら、SIMカードをセットする作業の代わりにデータの書き換えで完了するため、最短即日で利用を開始できることがあります。
eSIMの4つのメリット

eSIMの具体的なメリットとしては、以下が挙げられます。各メリットについて詳しく見ていきましょう。
・オンラインで契約から開通まで短時間で完結する
・SIMカードの差し替えが不要で故障リスクも少ない
・「デュアルSIM」で便利な使い方ができる
・海外へ渡航したときに便利
オンラインで契約から開通まで短時間で完結する
eSIMはSIMカードと異なり、開通のためにSIMカードの到着を待つ必要がありません。本人確認などの契約手続きから開通まですべてオンラインで完結します。
最短で開通したい人だけでなく、店舗に足を運ぶ時間が取りにくい人も、手軽に乗り換えが可能です。
SIMカードの差し替えが不要で故障リスクも少ない
機種変更や携帯電話会社の乗り換え(MNP)などのタイミングでは、SIMカードを差し替える必要があります。
SIMカードは、差し替えのときにカード自体を直接取り扱う必要があり、ICチップ部分に触れて汚れが付いたり、カードを変形させてしまうリスクがあります。
また、SIMカードはサイズが小さいため、差し替え作業中に紛失する可能性もあるでしょう。
一方eSIMはスマホにあらかじめ内蔵されているため、差し替え作業での故障や紛失のリスクはありません。
「デュアルSIM」で便利な使い方ができる
eSIM対応のスマホは、多くの機種が「デュアルSIM」に対応しています。デュアルSIMとは、1台のスマホで2つのSIMを利用できる機能です。2つのSIMをセットすれば、1台のスマホで2つの回線を利用できます。
デュアルSIMの便利な使い方は、たとえば以下が挙げられます。
・複数の料金プランを組み合わせる
・通信障害への備えとしてサブ回線を追加する
・電波がつながりづらいときにサブ回線を使う
・1台のスマホで2つの電話番号を利用する
デュアルSIMを利用すれば、通話料金が低価格なサブ回線を追加するなど、用途に応じた柔軟な契約が可能です。サブ回線は、災害時の通信障害への備えや、電波がつながりにくいときの予備回線としても活用できます。
また、2つの電話番号を仕事用と個人用などと使いわけることもできます。
海外へ渡航したときに便利
海外へ渡航したときのスマホの通信手段としては、主に以下が挙げられます。
・海外用のモバイルWi-Fi®ルーターのレンタル
・海外ローミング
・海外SIM(SIMカード/eSIM)
海外旅行では、海外用ルーターのレンタルのほか、契約中の携帯電話会社の海外通信サービス(海外ローミング)やプリペイド式の海外SIMを利用する方法があります。
海外ローミングは契約中の回線をそのまま海外で使う方法で、海外SIMは現地回線を新たに契約する方法です。
海外ローミングや海外対応のeSIMを利用すれば、スマホと別にモバイルWi-Fiルーターのような機器を持ち歩く必要がありません。
また、デュアルSIM対応のスマホであれば、現在のSIMカードをそのまま使いながら、eSIMで海外用のサブ回線を追加することも可能です。SIMカードのような差し替え作業が不要なため、海外旅行時の手間を減らせます。
※海外旅行でのeSIMの利用についての詳細はこちらをご確認ください。
eSIMの4つのデメリットと注意点

eSIMはSIMカードと比較して、4つのデメリットや注意点があります。
・利用開始時の設定が必要
・機種変更では再発行が必要になることがある
・eSIMに対応している携帯電話会社やスマホが限られる
・デュアルSIMで使うときは端末のSIMロック解除が必要なことがある
利用開始時の設定が必要
eSIMをスマホにセットするには、契約者情報などが記録された「eSIMプロファイル」と呼ばれるデータを、QRコードから読み込むなどの方法でインストールします。
スマホにSIMカードを差し込むだけの場合と比べて、操作に慣れていないと戸惑うこともあります。携帯電話会社からの案内に沿って作業を進めましょう。
機種変更では再発行が必要になることがある
機種変更の際、SIMカードであれば古いスマホから抜き取って、新しいスマホに差し込むだけで移行できます。
一方、eSIMの場合は基本的に、新しいスマホでの再発行が必要です。
ただし携帯電話会社によっては、iPhoneのiOS 16以降で「eSIMクイック転送」を利用することにより、再発行不要で直接eSIMを新しいスマホに転送できます。
機種変更で再発行が必要になることがある点は、SIMカードと比較したときの注意点です。
また、eSIM・SIMともに再発行の際に手数料がかかる場合があります。
eSIMに対応している携帯電話会社やスマホが限られる
普及が進むeSIMですが、すべてのスマホや携帯電話会社が対応しているわけではありません。手持ちのスマホや携帯電話会社がeSIMに対応しているかは事前に確認が必要です。
デュアルSIMで使うときは端末のSIMロック解除が必要なことがある
SIMロックとは、他社回線で利用できないようにスマホに制限をかける仕組みです。SIMロックがかかっていると、他社回線を利用できません。
他社回線のeSIMを追加してデュアルSIMで利用する場合は、事前にSIMロックを解除しておく必要があります。
2021年10月以降に発売されたスマホでは、SIMロックが原則として禁止されています。ただし、それより前に発売されたスマホにはSIMロックがかかっている可能性があります。
SIMロックの解除は、携帯電話会社の会員ページや店舗などから手続きが可能です。
eSIMの利用がおすすめの人
eSIMは、特に以下のような人におすすめです。eSIMの利用がおすすめの人の特徴を詳しく見ていきましょう。
・スピーディーに回線契約をしたい人
・複数の料金プランのいいところ取りをしたい人
・海外に行く機会が多い人
・タブレットやパソコンでモバイル回線を利用したい人
スピーディーに回線契約をしたい人
eSIMであれば、申し込みから最短即日で開通が可能です。急ぎで新しい回線が必要になったときも、スピーディーに利用を開始できます。
また、おトクな料金プランを見つけたときすぐに乗り換えたい人にも、eSIMの利用は適しています。
複数の料金プランのいいところ取りをしたい人
デュアルSIM対応のスマホでは、2つの携帯電話会社と契約して、複数の料金プランのいいところ取りも可能です。
料金プランの組み合わせの一例としては、たとえば以下のようなものが挙げられます。
・大容量の通信が使えるSIM+通話料金が低価格なSIM
・国内で使うメインのSIM+海外ローミングが低価格な海外旅行用のSIM
・低容量かつ低価格で使えるSIM+データ容量が足りないときに使える従量課金のSIM
複数の料金プランを組み合わせれば、自分の使い方にあわせておトクに活用できます。
海外に行く機会が多い人
携帯電話会社が提供する「海外ローミング」やプリペイド式の「海外SIM」を利用すれば、スマホひとつで海外でも通信が可能です。
eSIMなら海外で使う回線をスピーディーに開通でき、契約中のSIMカードをそのままにデュアルSIMとして追加することも可能です。特に海外に行く機会が多い人にとって、eSIMは便利な通信手段です。
タブレットやパソコンでモバイル回線を利用したい人
eSIMに対応したタブレットやパソコンもあり、自宅に居ながら回線を開通してすぐに使いはじめることができます。
また、eSIMに対応していないタブレットやパソコンの場合は、スマホの「テザリング」でモバイル回線を利用すれば外出先でも通信できます。テザリングは、スマホなどからWi-Fiを飛ばして、タブレットやパソコンなどに通信を共有できる機能です。
たとえば、大容量のデータ通信が可能なテザリング用のeSIM回線を契約しておけば、スマホをモバイルWi-Fiルーター代わりに活用できます。
Wi-Fi環境がないカフェでパソコンを使ったり、外出先でeSIM非対応のタブレットを使って調べ物をしたりなど、便利な使い方ができます。
eSIMを契約して利用する流れ
以下では、楽天モバイルの「AIかんたん本人確認(eKYC)」で申し込みする場合を例に、eSIMを契約して利用する流れを紹介します。
①eSIM対応製品・SIMロック解除済みであるかを確認する
まず申し込みの前に、手持ちのスマホについて以下2点を確認しておく必要があります。
・楽天モバイル(楽天回線)対応のeSIM対応製品であるか
・SIMロック解除済みであるか
※楽天モバイル(楽天回線)対応のeSIM対応製品であるかはこちらをご確認ください。
※SIMロック解除されているか確認する方法の詳細はこちらをご確認ください。
②「AIかんたん本人確認(eKYC)」で申し込む
SIMタイプは「eSIM」、本人確認方法は「AIかんたん本人確認(eKYC)」を選択して、Rakuten最強プランに申し込みます。
本人確認書類と顔写真を撮影した後、必要事項を入力すれば申し込みは完了です※。
※AIかんたん本人確認(eKYC)については、こちらをご確認ください。
※対象書類をお持ちでない方は、eKYC以外の本人確認方法にてお申し込みいただけます。詳しくは、本人確認書類ページをご覧ください。※eKYCを利用できるOS/ブラウザは、Android OS 7.1 以上(Google Chrome 最新版)、iOS 最新版(Safari 最新版)です。アプリの場合は、Android OS 5 以上、iOS 10 以上よりご利用いただけます。※パソコンを用いてお申し込みされる際は「AIかんたん本人確認(eKYC)」はご利用いただけません。
③アプリからeSIMを開通して利用開始
eSIM対応製品でeSIMをお申し込み後、最短3分※で本人確認審査が完了します。その後、「my 楽天モバイル」アプリでそのまま開通手続きが可能です。
開通後、初期設定が完了すれば利用を開始できます。
※楽天モバイル対応のeSIM対応製品でアプリからeKYCで申し込んだ場合。SIMフリーの製品でない場合、SIMロック解除が必要です。
※「my 楽天モバイル」について、詳しくはこちらをご確認ください。
eSIMに対応している携帯電話会社は?

総務省の後押しを受けて、eSIMの普及は急速に進んでいます。主な携帯電話会社と、それらのオンラインブランド、サブブランドは、すべてeSIMに対応しています。
しかし、格安スマホには、まだeSIMの導入が進んでいないところもあります。具体的に、eSIMに対応している携帯電話会社を見てみましょう。
1.主な携帯電話会社
「NTTドコモ」、「KDDI」、「ソフトバンク」、「楽天モバイル」の4社は、すべてeSIMに対応しています。
2.オンラインブランド、サブブランド
主な携帯電話会社のオンラインブランド「ahamo」、「povo2.0」、「LINEMO」、サブブランド「UQモバイル」、「Y!mobile」は、eSIMに対応しています。
3.格安スマホの一部
eSIMに対応している格安スマホは増えてきましたが、未だ対応していない格安スマホもあります。eSIMの対応状況は、利用したい格安スマホの公式Webサイトを確認してください。
eSIMの対応機種は?

eSIMのサービス普及に伴い、2021年後半以降に発売されたモデルから、eSIM対応のスマホが増えました。次項より、実際にeSIMが利用できるスマホを紹介します。
iPhoneのeSIM対応機種
iPhoneはiOS 12.1 以降を搭載した iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR以降の機種ではeSIMが利用できます。iPhone SE(第3世代)、iPhone 13以降は、2つのeSIMをセットすることも可能です。
Android™のeSIM対応機種
Android™のeSIM対応製品はシリーズによって異なり、主なシリーズの対応製品は以下のとおりです。
|
シリーズ |
対応製品 |
|---|---|
|
Google Pixel |
Pixel 4以降 |
|
Galaxy |
Galaxy S23、S23 Ultra、S23 FE |
|
Xperia |
Xperia 1 IV、1 V、1 Ⅵ、1 VII |
※2025年8月現在
eSIMが活躍するシーン
eSIMはメリットが多いですが、実際に活躍するシーンをイメージしにくいかもしれません。以下では、eSIMが活躍する具体的なシーンをいくつかご紹介します。
店舗に行く時間がとれないとき
eSIMなら、自宅で携帯電話会社の乗り換えや新規契約の手続きができます。仕事や家事で忙しく、店舗に行く時間がないときにeSIMでの契約はおすすめです。
また、店舗で契約する場合に予約を取っていないと、いざ入店した際に長い待ち時間が発生することがあります。予定の見通しが立ちにくく予約が取りにくい状況のときも、自宅でeSIMを契約する方法なら自分の空き時間を利用して手続きを進められます。
複数の回線を状況に応じて使いわけたいとき
eSIMを追加してデュアルSIMにすれば、次のような使いわけが可能です。
・1台のスマホで仕事用と個人用の電話番号を使いわける
・片方の回線がつながりにくいときの予備回線として使う
・料金プランを使いわける
デュアルSIMなら、2台のスマホを持ち歩くことなく1台のスマホで2つの電話番号を保有でき、仕事用と個人用などの使いわけが可能です。また、メインの回線の電波がつながりづらいときにサブの回線を利用する使い方もできます。
そのほか、eSIMを利用したデュアルSIMで、料金プランの組み合わせも可能です。たとえば、通信専用のSIM+通話専用のSIMなど便利な組み合わせで契約ができます。
海外へ渡航するとき
前述のとおり、海外で現地回線を使いたい場合も、eSIMなら物理的なSIMカードを差し替える必要がありません。
現地の携帯電話会社が提供するeSIMをオンラインで契約・開通すれば、そのままサブ回線として追加できます。
eSIMの選び方
eSIMの選び方は通常のSIMカードを選ぶときとあまり変わらず、データ利用量と通話量が重要です。以下では、eSIMの選び方を順番に解説します。
データ利用量を確認する
携帯電話会社の料金プランによってデータ利用量の上限は異なり、データ利用量の上限が多いと月額料金が高くなる傾向にあります。スマホの利用状況にあった料金プランのeSIMを選びましょう。
たとえば、スマホを利用する機会が少ない人は、データ利用量の上限が3GB程度の料金プランがおすすめです。また、SNSの利用が主な目的の人は、上限が5~6GB程度の料金プランが向いています。
動画視聴やオンラインゲーム、ビデオ通話などを頻繁に利用する人は、データ利用量の上限が10GB以上、または無制限の料金プランを検討しましょう。
通話量を確認する
携帯電話会社の料金プランやオプションによって、通話料金の仕組みが異なります。通話の利用状況にあった料金プランやオプションを選びましょう。
たとえば、1回の通話が5~10分以内と短い場合は、一定時間内の通話が無料になる料金プランやオプションがおすすめです。通話時間が長い場合は、通話時間が増えても固定料金のまま変わらないかけ放題のプラン・オプションが適しています。
eSIMを追加してデュアルSIMとして利用するなら、データ通信専用+通話専用などで回線を使いわけるのも方法のひとつです。
eSIMに対応したスマホを活用しよう
eSIMは店舗に行く時間がなくても、土日祝日や夜間を問わず、いつでもオンラインで携帯電話会社を乗り換えられる点が大きな魅力です。
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お使いのスマホがeSIM対応でない方は、eSIM対応のスマホへの買い替えが必要になります。スマホを買い替える場合は、併せて携帯電話会社の乗り換えも検討してみてはいかがでしょうか。
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