インターネット速度の目安は?測定方法や遅い場合の原因と対処方法を解説

インターネット速度の目安は?測定方法や遅い場合の原因と対処方法を解説
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2024.12.19

インターネットの速度が遅いと感じる原因は、インターネット回線やスマホ、パソコンの不具合などです。

原因によっては自分で対処できるため、あらかじめ知っておくとよいでしょう。

今回は、インターネットの速度が遅くなる理由ごとに、原因と対処法を紹介します。

目次

インターネット速度とは?

インターネット速度とは、一般的にデータ通信速度のことをさします。データ通信速度は1秒間にどれくらいの大きさのデータを転送できるかを表すものです。100Mbpsや1Gbpsなどの数値と単位で表示され、数値が大きいほどインターネット速度が速いことを示します。

「bps(bit per second)」は、1秒間にどれくらいの大きさのデータを転送できるかを表すものですが、100Mbpsは1秒間に100MB転送できるわけではありません。

「bps」の「b」はデータ処理サイズの最小単位である「bit」を指します。8bit=1byteに相当するので、「bps」の数値を8で割ると、実際に1秒間で何MBのデータを転送できるのかわかります。

たとえば8Mbpsの場合は1秒間に1MB、1Gbpsの場合は1秒間に125MBを転送できることになります。

また、bpsの数値は条件や状況によって変化します。インターネット速度は、回線の種類やデータ利用量、スマホの種類、回線の利用状況など、複数の要因で決まるためです。

同じインターネット回線を複数人で同時に使ったり、大容量のデータをアップロード・ダウンロードしたりすると、一時的にインターネット速度が低下する場合があります。

回線の上りと下りの違い

インターネット回線には上りと下りがあり、データの流れる方向が異なります。

上りとは、自分のスマホやパソコンからインターネットにデータを送信する行為です。たとえば、上りの通信が速い場合はメールやSNSのメッセージ送信、画像や動画などの大きなファイルの送信が速くなります。

下りとは、インターネットから自分のスマホやパソコンにデータを受信する行為です。下りの通信が速い場合は、Webサイトの表示が早くなるほか、動画や音楽をスムーズに再生できます。

インターネット回線の上りと下りは、光回線などの有線の固定回線で大きな違いが生じることはほとんどありません。

しかし、携帯電話回線を利用したモバイルデータ通信は、固定回線よりも上りが遅くなる傾向があるため注意が必要です。そのため、モバイルデータ通信を使うモバイルWi-Fi®ルーターやホームルーターを利用すると上りが遅くなることがあります。

pingとレイテンシ(伝送遅延時間)とは?

インターネット速度を調べると頻繁に見かけるpingとレイテンシは、それぞれネットワーク機器の応答を確かめる方法と、実際にデータが送られてくるまでの通信遅延を表すものです。

ping(Packet Internet Groper)はネットワーク機器の応答を調べるためのコマンドです。

たとえば、自分のパソコンからプロバイダーに対してpingを実行すると、プロバイダーから自分のパソコンまでネットワークが正常に接続しているかどうか調べられます。

pingの値はpingを実行してサーバーから応答が返ってくるまでにかかった時間を表す「伝送遅延時間(レイテンシ)」を数値化したものです。ping値、あるいはレイテンシと呼ばれます。

レイテンシの数値は小さいほど、インターネットが快適に感じられます。一方、レイテンシの数値が大きくなると応答速度が遅くなり、遅延を感じるようになります。50msを超えると体感で遅さを感じ始め、100ms以上になるとはっきりと遅延を感じるでしょう。

通常、有線接続の方がレイテンシは小さくなり、Wi-Fiやモバイルデータ通信のような無線ではレイテンシが大きくなります。

インターネットの速度が快適と感じる通信速度の目安は?

インターネットの速度が快適と感じる通信速度の目安は以下のとおりです。

  • SNSのテキストの送受信なら1Mbps以上
  • Webサイトの閲覧や動画の視聴なら10Mbps以上
  • 高画質な動画なら30Mbps以上
  • 大容量ファイルの転送やオンラインゲームなら100Mbps以上

たとえば、出席者の映像を一緒に表示するWeb会議なら10~20Mbpsあれば、声や動画に遅延がなく、快適に通話できるでしょう。

また、オンラインゲームを快適に楽しむ場合は、100Mbps以上が目安です。

インターネットの速度が快適と感じるレイテンシの目安は?

インターネットの速度が快適と感じるレイテンシの目安は以下のとおりです。

  • SNSのテキストの送受信やWebサイトの閲覧なら50ms以下
  • 動画視聴なら30ms以下
  • Web会議やオンラインゲームなら15ms以下

Web会議やオンラインゲームはインターネット速度よりもレイテンシが重要で、30ms~50ms以下なら問題なく利用でき、15ms以下が理想の数値です。

レイテンシは一般的に50msを超えると遅さを感じ、100ms以上になると明確に遅延を感じます。

Web会議中の映像や音がずれる、ゲームの画面がカクカクする、あるいは画面が止まる場合は、レイテンシの数値が高い可能性があると覚えておきましょう。

通信回線の種類ごとのインターネット速度

次の表は、通信回線速度の計測結果の公表をしている「みんなのネット回線速度(みんそく)」のデータの平均値を参考に作成したものです※。

 

平均上り速度

平均下り速度

光回線

231.08Mbps

190.3Mbps

ポケットWi-Fi

8.14Mbps

25.65Mbps

ホームルーター

19.54Mbps

182.14Mbps

※2024年9月作成

インターネット速度は、回線の種類やデータ利用量、スマホの種類、回線の利用状況など、複数の要因による影響を受けやすいです。

実際のインターネット速度を保証しているわけではありませんが、光通信は光信号を利用しているため電磁波やノイズの影響を受けにくく、表のようにインターネット速度が速い傾向があります。

そのため、インターネットの速度を測定して、平均値よりも遅い場合は改善の必要があると覚えておきましょう。

なお、光回線の設置には工事が必要で、設置した場所以外では利用できません。

ポケットWi-Fiは持ち運びが可能で、ホームルーターは工事なしで自宅に通信回線を設置できるなどのメリットがあるので、ライフスタイルや目的にあわせて通信回線を選ぶとよいでしょう。

インターネットの速度を測定するアプリやサービス

インターネット速度を測定するスマホアプリやWebサービスを利用すれば、手軽に現在の速度や接続している回線の状態を調べられます。

有名な測定サイトには「Fast.com」やGoogleの「インターネット速度テスト」があります。

現在のインターネット速度を知りたい場合は次の手順で確認しましょう。

  1. ブラウザを開く
  2. Googleの検索フォームに「インターネット速度テスト」と入力して検索する
  3. 「速度テストを実行」を選択する
  4. 測定結果を確認する

Googleの「インターネット速度テスト」では、ダウンロード速度やアップロード速度だけでなく、レイテンシも調べられるので、インターネット速度が遅いと思ったら試してみるとよいでしょう。

スマホのインターネット速度が遅い原因と対処法

スマホのインターネット速度が遅い理由は、大きくわけて5つあります。原因はひとつだけでなく、複数が関係していることもあります。

次項より、原因をすぐに確認できて解決しやすい順に解説します。

1)つないでいるWi-Fiの問題

Wi-Fiを使っている場合、インターネット速度はWi-Fi環境に依存します。そのため、次のような問題が発生していると、インターネット速度が遅くなる可能性があるので注意しましょう。

  • Wi-Fiの電波が弱い
  • 遮断されている
  • 干渉されている

Wi-Fiの電波が入りにくい場所や、障害物が多い場所では電波が弱くなり、インターネットにつながりづらいです。

また、複数人がWi-Fiに接続している状況では、インターネット速度が遅くなります。

Wi-Fiを利用していてインターネット速度が遅いと感じたら、次の対処法を試してみましょう。

  • Wi-Fiルーターに近づく
  • 接続機器を再起動する
  • 接続するスマホやタブレットを減らす

Wi-Fiルーターの電波は範囲が決まっているため、スマホを持ってWi-Fiルーターに近づくか、中継器を導入して電波の範囲を広げるなどの対処を行いましょう。

また、Wi-Fiルーターやモデムの電源を切り、5~10分後に再度電源を入れ直してみると、改善される場合があります。

ほかにも、Wi-Fiルーターに接続している別のスマホやタブレット、ゲーム機のWi-Fiを切断すると改善されるケースがあるので、試してみるとよいでしょう。

上記の対処法でもインターネット速度が改善しない場合は、契約しているプロバイダーや携帯電話会社に問い合わせて調査をしてもらう必要があります。

2)携帯電話回線の電波状況や混雑の問題

携帯電話回線を利用している際にインターネット速度が遅い場合は、次のような問題が発生している可能性があります。

  • 電波状況が悪い
  • 利用している人が多い

地下や建物の中など、携帯電話回線の電波状況が悪い場所にいる場合、モバイルデータ通信の速度が下がってしまいます。

ほかにも朝の通勤ラッシュや、大型連休中のテーマパークなど、回線が混雑する状況ではインターネット速度が遅くなることがあります。

そのため、携帯電話回線を利用していてインターネット速度が遅い場合は、次の対処法を試してみましょう。

  • 地下や建物から移動する
  • Wi-Fiに接続する

なるべく電波状況のいい場所へ移動するか、混雑する場所を避けてインターネット速度が改善するか試しましょう。

また、信頼できるWi-Fiが利用できるなら、携帯電話回線からWi-Fiに切り替えることも選択肢のひとつです。

3)OSのバージョンが古い

インターネット速度が遅くなる原因のひとつに、スマホのOSをアップデートしていないことが挙げられます。

スマホに搭載されているAndroid™やiOSのバージョンが古いと、スマホの処理全体が重くなり、結果としてインターネット速度が下がってしまうことがあります。

OSをアップデートして再起動すると回復する可能性があります。OSが古いまま放置するとセキュリティの問題も発生するので、こまめにアップデートしましょう。

Androidのアップデートについては、こちらをご確認ください

iOSのアップデートについては、こちらをご確認ください

4)スマホが古い、スペックが低い

スマホ本体が古い場合、インターネット速度を改善できない場合があります。

スマホのインターネット速度は、スマホの頭脳とも呼ばれる部品であるSoC(System on Chip)の性能にも影響されます。性能が低いSoCの場合、接続したインターネット回線が5Gに対応していても、快適にインターネットを利用できるとは限りません。

スマホのスペックが低い、あるいは古いと、スマホが原因でインターネット速度が落ちている可能性が高いでしょう。解決するには新しいスマホへの買い替えが必要です。

スマホの買い替え時期の目安については、こちらをご確認ください

5)通信制限や契約プランの問題

毎月のデータ利用量を使い切ったり、短時間で大量のデータ通信をしたりすると、データ通信速度に制限がかけられることがあります。

データ利用量を使い切った場合は時間経過かデータ容量のチャージで、短時間で大量のデータ通信をした場合は時間経過で解除されるので、インターネットの速度が遅くなった原因にあわせて対処しましょう。

しかし、携帯電話会社によっては、時間帯によってインターネット速度に制限がかかる料金プランがあります。

特定の時間帯のみインターネット速度が遅くなってしまう症状が起きるときは、契約内容によって制限がかかっている可能性があるため注意が必要です。

料金プランの内容やデータ利用量、毎月のデータ利用量を確認して、料金プランの見直しや乗り換えを検討しましょう。

スマホで快適な速度のインターネットを楽しむなら携帯電話会社の乗り換えやスマホの買い替えがおすすめ

インターネットの速度は、利用しているスマホと環境の両方に左右されます。そのため、スマホのインターネット速度を改善して、快適にインターネットを楽しむには、大きく環境を変えなければいけない場合もあります。

環境を変えるのは難しいけれど、インターネット速度を大きく改善したいと考えるなら、スマホの買い替えや、携帯電話会社の乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか。

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