Cookieの役割とは?その種類やメリットとデメリット、削除方法をやさしく解説!
Webサイトを開いた際にCookie(クッキー)への同意を求められる機会も多くなり、Cookieとはどのようなものか気になっている方もいるのではないでしょうか。
Cookieはユーザーの情報や行動を記録するもので、ネットショッピングやWebサービスでの商品の提案、スムーズな体験に役立てられています。ただし、プライバシーの侵害につながる可能性も懸念されており、リスクへの理解も必要です。
今回は、Cookieの役割やメリット・デメリット、削除方法などを紹介します。
Cookieとは
Cookieは、Webサイトを訪問した際、スマホやパソコンのWebブラウザの中に一時的に保存される小さなテキストファイルです。多くの場合、ユーザーの行動履歴などの情報を記録する目的で使われます。
たとえば、ECサイトを訪問した際に、買い物カゴに入れた商品の情報がCookieに保存される場合があります。これによりユーザーがWebサイトを再訪問したときも買い物カゴの中身が維持され、前回の続きから買い物が始められます。
そのほか、ユーザーのWebサイト上での行動や閲覧の履歴をもとに、ユーザーの趣向にあわせた広告の表示や商品の提案をするのもCookieの活用例です。
Cookieの種類
Cookieには、ファーストパーティーとサードパーティーの2種類があります。それぞれのCookieの特徴を以下で見ていきましょう。
ファーストパーティー
ファーストパーティーCookieは、ユーザーがアクセスしたWebサイトによって発行されるCookieです。
ECサイトの買い物カゴの情報、ログイン情報などは、すべてファーストパーティーCookieとして保存されています。
ファーストパーティーCookieは、発行元のWebサイトでのみ有効であり、Webサイトを横断して追跡することはできません。
サードパーティー
サードパーティーCookieは、アクセスしたWebサイト以外のWebサイトによって発行されるCookieのことです。
特定の商品について調べた後に、ほかのWebサイトでその商品の広告が表示されるようになるのは、サードパーティーCookieとして行動が記録されるためです。
ファーストパーティーCookieとは異なり、サードパーティーCookieはWebサイトを横断してユーザーの行動を追跡することにより、情報の収集ができます。
たとえば、特定のWebサイトと提携するポイントサイトを経由すると、より多くのポイントを獲得できる場合があります。この場合、別のWebサイトまで追跡する必要があるため、サードパーティーCookieが使われます。
Cookieのメリット
ユーザーとしてCookieの仕組みによって得られるメリットは、主に以下の4つです。
- 好みにあわせた商品の提案が受けられる
- ECサイトで買い物カゴの情報が保存される
- ログイン状態を維持できる
- フォームに入力する手間が少なくなる
好みにあわせた商品の提案が受けられる
Webサイト上でのユーザーの行動がCookieに記録され、そのデータが分析されることによって、ユーザーは自分にあった商品の提案が受けられます。
たとえば、ECサイトで特定の商品を閲覧した後に、関連する商品の広告や提案を受けることができるのは、Cookieの情報があるためです。ユーザーは自分の趣向にあう商品を見つけやすくなります。
ECサイトで買い物カゴの情報が保存される
Cookieに情報が記録されることで、ユーザーがECサイトを一度離れた後に再びECサイトを訪れたときも、前回訪問時の買い物カゴの中身が維持されます。
一旦中断してしばらく経ってから買い物をする際も、同じ商品を買い物カゴに入れ直す必要がなく、前回の続きから買い物を再開できます。
ログイン状態を維持できる
多くのECサイトや各種Webサービスでは、ユーザーが一度ログインすると、Cookieに認証情報が保存され、次回そのWebサイトを訪れる際は自動的にログインができます。
ユーザーはアクセスするたびにログイン情報を入力する必要がなくなるため、スムーズにサービスを利用することができます。
フォームに入力する手間が少なくなる
名前や住所などのフォームに入力したデータがCookieに保存されるため、次回のフォーム入力時に前回入力したデータを候補の1つとして表示してくれます。
ユーザーは自分の名前、住所、連絡先情報などを何度も入力する必要がなくなり、時間と手間が省けます。
Cookieのデメリット
Cookieのデメリットも確認しておきましょう。ユーザーからみたCookieのデメリットは、主に以下の2つです。
- Cookieによる商品の提案が煩わしく感じることもある
- プライバシーの侵害につながる可能性がある
Cookieによる商品の提案が煩わしく感じることもある
Cookieがユーザーのデータを収集・分析して個人の興味に基づいた商品を提案してくることが、人によっては煩わしく感じる可能性があります。
ユーザーが一度特定の商品やカテゴリーを閲覧した後に関連する商品が頻繁に表示されると、行動を追跡されている感覚になる場合もあるかもしれません。実際にCookieは、ユーザーの行動を追跡して分析や商品の表示をしているため、その感覚はある種正しいものです。
また、個人の趣向にあわせた商品が提案されることで情報が偏り、フラットな状態で商品を調べたり、情報を取得したりするのが難しくなる側面もあります。情報の偏りはユーザー自身で認識がしづらい面もありますが、把握しておきましょう。
プライバシーの侵害につながる可能性がある
ユーザーの行動履歴や趣向に関する情報を収集して分析・利用することが、ユーザーのプライバシーの侵害につながる可能性があると懸念されています。
Cookieによってどのように情報が収集されて、どのように利用されているかがユーザー側に分からないまま、データが利用される恐れがあるということです。
日本では、2022年4月に「改正個人情報保護法」、2023年6月に「改正電気通信事業法」などが施行され、Cookie利用の規制が進められています。
上記法律の施行により、Webサイトを開いた際にCookie利用への同意を求められることも増えています。実際にWebサイトを開いた際に、Cookie利用への同意を求めるポップアップを目にする機会も多いのではないでしょうか。
なお、Cookieへの同意をしない場合、ログイン情報の入力が毎回必要になる、訪問のたびにCookieの同意を求められる、などの不便が生じます。Cookie利用への同意でリスクが生じる一方で、同意をしないことでも不便が生じることは理解しておきましょう。
Cookieを削除する方法
iPhoneの「Safari」、Android™の「Google Chrome」を例に、WebブラウザでCookieを削除する手順を解説します。
なお、CookieはWebブラウザごとに保存されているため、もしも複数のスマホや、複数のWebブラウザを使っている場合は、それぞれ削除する必要があります。
iPhoneの「Safari」のCookieを削除する方法
iPhoneの「Safari」のCookieは、「設定」アプリの中にある「Safari」の項目に進み、「履歴とWebサイトデータを消去」を選択すると削除できます。
iPhoneのSafariのCookieを削除する手順は、次のとおりです。今回は、iPhone SE(第2世代)(iOS 17)を例に解説します。
1.「設定」アプリを開く
2.「Safari」をタップ
3.「履歴とWebサイトデータを消去」をタップ
4.削除する期間を選んで「履歴を消去」をタップ
Androidの「Google Chrome」のCookieを削除する方法
Androidの「Google Chrome」のCookieは、アプリの「設定」の中にある「閲覧履歴データを削除」から削除できます。
AndroidのGoogle ChromeのCookieを削除する手順は、次のとおりです。今回は、Galaxy S22(Android 13)を例に解説します。
1.「Chrome」アプリを開く
2.右上のその他アイコン(︙)をタップ
3.「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「閲覧履歴データの削除」をタップ
4.「1 時間以内」「全期間」などの期間を選択後、「Cookie とサイトデータ」のチェックボックスをオン、そのほかのチェックボックスをオフにする
5.「データを削除」>「削除」をタップ
Cookieを理解して適切にインターネットを利用しよう
Cookieはスマホやパソコンに保存される小さなテキストファイルで、ユーザーの情報や行動が記録されています。
好みにあわせた商品の提案、買い物カゴの情報の記録、ログイン状態の維持、フォームの自動入力などができるのがユーザーとしてのメリットです。
一方デメリットは、Cookieによる商品の提案などが煩わしく感じる可能性があること、プライバシーの侵害につながる可能性があることなどが挙げられます。
スマホでのCookieの削除はiPhoneの「Safari」では「設定」アプリから、Androidの「Google Chrome」では、アプリ内の設定から可能です。
なお、スマホのトラブルに関して、Cookie許可によるデメリット・リスクはユーザー自身で認識を持つ必要がありますが、スマホ本体の故障などのトラブルは保証サービスで一定のリスク軽減が可能です。こちらも事前に対応をしておくことをおすすめします。
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