高性能な生成AI「Gemini」とは?特徴や便利な使い方、ほかのAIとの違いについて解説
「Gemini(ジェミニ)」というAIの名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
Geminiは、Googleが発表した対話型の生成AIで、まるで人間とチャットで会話をするようにユーザーの検索を助けたり、画像や文章を生成してくれたりします。
Geminiには現在複数のモデルがあり、できることや利用にかかる料金が異なります。そこで今回は、Geminiのモデルによる違いや費用、便利な使い方、ほかのAIとの違いを解説していきます。
生成AI「Gemini」とは?
「Gemini」は、Googleが開発した会話型の人工知能モデルです。2023年2月6日に発表された当初は「Bard(バード)」と呼ばれており、日本語対応などのアップデートを重ねて、2024年2月8日から「Gemini」という名称になりました。
Geminiは、テキストや画像、音声などの異なる種類の情報を組み合わせて処理する機能を持っていることから、「マルチモーダルAI(multimodal AI)」といわれており、さまざまな分野で活用できます。
たとえばGoogleの検索を補完したり、YouTubeの情報を検索したり、ユーザーの質問に対して自然な言葉で応答できます。ほかにも、自然な文章の生成や画像生成、Googleスプレッドシート、Googleドキュメントも連携可能で、活用方法は多岐にわたります。
またGeminiはプログラミング言語のコードを理解し、新しいコードを作れるため、開発業務への活用も期待されています。
現在は基本的な機能が無料で利用できるほか、さまざまな料金プランも用意されています。個人向けには「Gemini Advanced」、ビジネス向けには「Gemini Business」と「Gemini Enterprise」という有料プランがあり、高性能なAIモデルを利用できます。
Geminiの活用事例
Geminiにはさまざまな機能があり、多くの分野で活用できます。実際に利用できる機能を見てみましょう。
・文章生成
自然な日本語の文章を生成して、メールや報告書、ブログの記事、SNSの投稿文の作成などに活用できます。
・文章要約
Geminiは、長い文章を要約するツールとしても活用可能です。たとえば「以下のサイトに書かれている内容を要約してください」と入力後、URLを貼りつけてGeminiに送信すると、添付したWebサイトの要点を生成できます。
・翻訳
Geminiは複数の言語に対応しており、テキストを翻訳できます。調べたい文章をコピーしてGeminiの入力欄に貼りつけ、「この文章を日本語に翻訳してください」と添えて送信することで、日本語に翻訳された文章が生成されます。
・コード生成
GeminiはPythonやJava、C++などのプログラミング言語のコードを理解し、新しいコードを作成できます。生成されたコードは、ブラウザ上で開発できるReplitや、Pythonのコードを実行できるGoogle Colabにエクスポートすることも可能です。
・情報収集
Google検索の機能を使ってインターネット上の情報を収集し、検索結果をもとに回答できます。たとえば、Webサイトの検索や、YouTubeの動画検索、地域の情報が必要なときはGoogle マップと連携して地図が表示されるため、情報収集に便利です。
・画像認識
アップロードされた画像を認識し、情報を調べることが可能です。保存している画像から検索できるため、風景写真をもとに場所を特定できるほか、名前がわからない植物を調べることもできます。
・Googleのサービスとの連携
Gmail、Googleカレンダー、Google マップ、YouTubeなどのGoogleサービスと連携することで、該当する件名のメールを探したり、スケジュールを伝えたり、希望に該当する場所や動画などを正確に探せます。
GeminiとChatGPTやほかのAIとの違いとは
最近話題になっている自然言語処理ができる生成AIには、GeminiのほかにChatGPTやMicrosoft Copilot、Claude 3などいくつかありますが、それぞれのAIで得意分野が異なり、機能にも違いがあります。
Chat GPTとの違い
Chat GPTは、OpenAI社によって開発されたAIです。APIを通じて多くの外部サービスと連携しており、主にAIチャットを中心に利用されています。
3万文字を超える長文の分析や、PDFの読み込み、音声読み上げ、DALL-E 3を用いた画像生成などが可能です。また、GPTsと呼ばれるオリジナルチャットボットを作成して公開する機能があります。
Microsoft Copilotとの違い
Microsoft Copilot は、Microsoftの製品やサービス、Office製品に統合されている生成AIです。Bing検索エンジンにも搭載されており、AIチャット機能を通じた検索や、画像、文章を生成できます。
Microsoft Copilotは、OpenAI社のGPT-4やGPT-4 Turboと接続して生成を行うAIで、正確にはMicrosoftの独自開発ではありません。
しかし、複雑なプロンプトを使用しなくても、Office製品を用いた業務に最適化した利用が簡単かつ感覚的な言葉でできるように、機能を強化、調整されています。
Webで利用する場合は無料ですが、Office製品でCopilotを利用するときは、Copilot Proという有料プランを契約する必要があります。
Claude 3との違い
Claude 3は、Anthropic社によって開発された、自然な文章生成能力を持つAIです。
Haiku、Sonnet、Opusの3つのモデルがあり、最上位のOpusはGPT-4やGemini Ultraを上回る性能があるといわれています。
文章生成に特化しているため、画像認識や添付ファイルの内容の分析はできますが、画像生成などの機能はありません。また、Webにアクセスして最新の情報を収集する機能もありません。
学習データは2023年8月までであるため、最新の情報を元にした回答を生成するには、利用者が添付ファイルなどでデータを渡す必要があります。
Opusを利用するには、有料プランの契約が必要です。
Geminiの使い方
Geminiは、Webサイトとスマホアプリから利用できます。Webサービスの開発者向けにAPIが解放されていますが、チャットでAIに質問したり、文章や画像を生成したりするなら、ブラウザやアプリで十分です。
Geminiのスマホアプリは、2024年5月時点ではAndroid™のみ対応しています。iOS、iPad OSの場合は、Googleアプリの「Geminiタブ」から利用しましょう。
Geminiを利用するには以下の手順が必要です。
1)Googleアカウントにログインする
Geminiの利用にはGoogleアカウントのログインが必要です。Googleアカウントを持っていない場合は、以下のGoogle アカウント公式Webサイトから作成してログインしてください。
※Google アカウントについては、こちらをご確認ください。
2)Gemini公式Webサイトにアクセスするか、アプリを起動する
Geminiの公式Webサイト「https://gemini.google.com/app」にアクセスしてください。「Geminiと話そう」をクリックすると、チャット画面に遷移します。
スマホの場合は「Google Geminiアプリ」を起動します。Webブラウザの「Google Chrome」や「Safari」から利用することも可能です。3)入力欄に調べたいことや、出力してほしいことなどを入力する
画面下部にある「ここにプロンプトを入力してください」と書かれている入力欄に、AIに聞きたいことや、命令を入力します。マイクのアイコンをクリックすることで音声での入力も可能です。
また、Geminiは画像に写っている内容を調べることも可能です。たとえば以下のように画像を添付して、「この画面に写っている場所はどこですか?」と送信すると、AIが画像の内容を判断して返答を作成します。スマホアプリの場合は、下部にある入力欄に直接文字を打ち込むか、マイクアイコンをタップして音声入力します。また、カメラアイコンをタップするとカメラモードに切り替わるので、調べたいものを撮影して調べることも可能です。たとえば以下のように、カメラでランドマークを撮影して、「ここはどこですか?」と送信すると、AIが画像の内容を判断して返答を作成します。
Geminiでより複雑な答えを引き出すプロンプトとは?
AIに複雑な指示や処理をさせるためには、プロンプトと呼ばれる命令文を作り込むことが大切です。特にブログ記事の作成や、画像を生成するときは、プロンプトを工夫しなければ望んでいる生成物が得られないことも珍しくありません。
簡単な指示であればプロンプトの細部を意識する必要はありません。しかし、複雑な質問で生成物を得たい場合は、なるべく明確な目的や条件などのプロンプトを作成しましょう。
プロンプトを作るときには、特に以下のポイントを意識してください。
- 役割を与える:旅行プランのアドバイザーなどの役割を指定します。
- 目的や好みの設定:国内旅行について検討している、フランスの観光地を回りたいがなるべく移動距離が少ない方がいい、などの生成物を利用する目的を指定します。
- 回答方法を指定する:表形式で出力してください、3つ挙げてください、など望んでいる回答方法を指定します。
- 条件の設定:旅行の宿泊日数や、同行人数、移動方法などを指定します。
たとえばAIに旅行の行き先をおすすめしてもらいたい場合は、以下のように入力すると条件に合致した回答を得られます。
・プロンプトのサンプル
あなたは旅行プランのアドバイザーです。
GWに東京から国内旅行へ行きたいと考えているので、アドバイスをしてください。
条件は以下のとおりです。
1)家族4人(大人2人、7歳女児1人、4歳男児1人)
2)2泊3日程度
3)緑が多い場所でアクティビティやキャンプを楽しみたい
4)移動はできるだけ公共交通機関を利用する
5)宿泊先は温泉や家族風呂がある
6)できるだけ混雑を避けたいので、マイナーな穴場が知りたい
おすすめのポイントを解説し、おすすめの度合いをABCで評価して教えてください。
Geminiの利用料金は?基本機能は無料
2024年6月現在、Geminiは無料で利用できます。GeminiのWebサイトからさまざまな質問や調べものをする程度であれば、利用回数を気にする必要もありません。
より高度な機能を持った「Gemini Advanced」は月額2,900円で利用できますが、「Gemini Ultra 1.0」モデルは2024年6月時点では英語のみの対応で日本語には対応していません。
また、Gemini APIについては、利用するトークン数やリクエスト数によって、トークンごとに支払いが必要になる場合があります。
Google Workspaceとの連携機能を提供するGemini for Workspaceは法人向けで、1ユーザーあたり「Gemini Business」が月額2,260円から、「Gemini Enterprise」が月額3,400円から利用できます。
会社組織として利用したり、Geminiを使ったサービスを提供したりする場合は、ある程度の費用がかかることになると考えておくとよいでしょう。
Geminiは安全?
Googleはプライバシーポリシーに従って、Geminiアプリとの会話や関連プロダクトの使用に関する情報などを収集し、機械学習に利用しています。
蓄積されているデータはしっかりと管理されていますが、AIは入力された情報を元に学習することがあるので、機密情報やプライベートな情報は入力しない方がよいでしょう。
安易に機密情報や個人情報を入力すると、ほかの人の回答に現れることがあり、大変危険です。また、最新のAIは脆弱性を突いたサイバー攻撃の対象になることもあり、結果的にデータが流出する可能性もあるので、使い方には注意が必要です。
Google社も、Geminiに機密情報や個人情報、またGoogleのサービスや機械学習技術に利用されたくないデータも入力しないように注意を促しています。
Geminiにかかわらず、生成AIを利用する際はうかつに機密情報や個人情報を入力しないようにしましょう。
Geminiを使いこなし、AIで快適な検索や文書生成を活用しよう!
Geminiは誰でも無料で利用できる高性能な生成AIで、検索やGoogleスプレッドシート、Googleドキュメントとの連携が可能です。GoogleドライブやGmailとも連携でき、スケジュールの管理からメールの検索まで、さまざまな使い方ができます。
特にスマホアプリは、今までのスマホのアシスタントAIよりも高度な回答ができるため、役立つパートナーとなってくれるでしょう。
とても便利なGeminiですが、外出中にスマホアプリで画像検索を多用するとデータ利用量が増えてしまう点には注意が必要です。
データ利用量が気になる場合は、料金プランの見直しや乗り換えも検討してみてはいかがでしょうか。
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