Chromecast（クロームキャスト）の設定方法や使い方は？接続できない場合の対処法も解説

最新世代の機器はChromecast本体にGoogle TVを搭載しているため、スマホなしでも動画配信サービスなどをテレビで視聴できます。

今回は、Chromecastの設定方法や使い方、接続できない場合の対処法などを解説します。

Chromecast（クロームキャスト）とは？

Chromecastは、テレビのHDMI端子に接続し、Wi-Fi®ネットワークを通じて、スマホやパソコンから受信した動画や音楽をテレビに映し出す（キャストする）ことができる機器です。

キャストはミラーリングと異なり、スマホやパソコン画面で再生されているコンテンツだけをテレビに映す機能です。スマホやパソコン上の画面の操作やメッセージの通知はテレビに映らないため、個人的な情報を見られてしまう心配はありません。

Chromecastを利用することで、YouTubeなどの動画配信サービスを大きな画面で視聴できます。

Chromecastの名前が付いた製品では最後となった「Chromecast with Google TV」は、4K HDR対応でのキャストに対応しており、付属のリモコンで操作できます。本体にGoogle TVを搭載しているため、スマホを使わずに本体にアプリをインストールして、ネットコンテンツを視聴できます。

2024年9月に登場した「Google TV Streamer」は、従来Chromecastと呼ばれていたシリーズの最新モデルです（以後、本記事では「Google TV Streamer」もまとめて「Chromecast」と呼ぶことがあります）。

また、古い世代のChromecastはスマホなどから受信した映像をテレビへ出力するキャスト専用機でしたが、「Chromecast with Google TV」および「Google TV Streamer」は、本体自体にGoogle TVを搭載し、単体でYouTubeやNetflix、Amazon Prime Videoなどのストリーミングサービスを利用できます。専用リモコン付属で、音声操作による検索操作も快適です。

より快適にテレビでエンタメを楽しみたい場合は、Google TV Streamerの購入も検討しましょう。

Chromecastの魅力とは？

Chromecastの大きな魅力は、片手に収まるコンパクトなサイズでありながら、4K HDR／60fps出力に対応する高性能なストリーミング機能を備えている点です。ストリーミング機能とは、動画や音楽などのコンテンツを、ダウンロードせずにリアルタイムで再生・利用できる機能を指します。

本体は軽量なので、自宅のテレビでの利用はもちろん、旅行先に持参してホテルのテレビでも活用できます。

HDMI入力に対応していれば、ほとんどのテレビやパソコン用ディスプレイで利用できるため、出力先の機器が限定されないのも優れた点です。

最新のGoogle TV Streamerは、HDR10、HDR10+、Dolby Atmosなどの映像規格に対応しており、臨場感ある高画質な映像を体験できます。

さらに本体にGoogle TVを搭載しており、YouTubeやNetflix、Amazon Prime Videoなどのアプリをキャスト不要で直接視聴可能です。

また、リモコンの専用ボタンを押すことでGoogleアシスタントを利用でき、音声操作で簡単にコンテンツを検索できるので、ソファでくつろぎながらハンズフリーで好きな動画を再生できる点も、Chromecastならではの特長といえるでしょう。

Chromecastでスマホやパソコンとテレビをつなげるために必要なもの

Chromecastでスマホやパソコンとテレビをつなげるために必要なものは、主に以下のとおりです。

・Chromecast本体
・HDMI端子のあるテレビ
・最新バージョンのGoogle Homeアプリをインストールしたスマホ
・Google アカウント
・Wi-Fi環境

それぞれ、順番に解説します。

1）Chromecast本体

スマホやパソコンで再生しているコンテンツをテレビにキャストするためには、第3世代以上のChromecast、Chromecast Ultra、Chromecast with Google TV、またはGoogle TV Streamerが必要です。

なお、ChromecastとChromecast Ultra、Chromecast with Google TVは販売を終了しています。

テレビへのキャストは可能ですが、今後のアップデート対応やサービス連携などを考えると、Google TV Streamerを選ぶのがおすすめです。

2）HDMI端子のあるテレビ

Google TV StreamerをはじめとするChromecastシリーズは、テレビやディスプレイのHDMI端子に接続して利用します。

そのため、利用予定のテレビまたはディスプレイにHDMI入力端子があるかどうかを事前に確認しましょう。

また、Google TV Streamerは4K HDRに対応しているため、より高画質で楽しみたい場合は、4Kテレビとの組み合わせがおすすめです。

3）最新バージョンのGoogle Homeアプリをインストールしたスマホ

Chromecastをセットアップするためには、「Google Home」アプリをスマホにインストールしてください。

iPhoneならApp Store、Android™ならGoogle Playストアから無料でダウンロードできます。すでにインストールしている場合は、最新の状態に更新されているか確認し、必要に応じてアップデートを行いましょう。

なお、パソコンではGoogle Homeアプリをインストールできないため、セットアップはスマホから行う必要があります。

4）Google アカウント

Chromecastを利用する場合は、Google アカウントが必要です。

セットアップ時に「Google Home」アプリを通じてアカウントにログインすれば、YouTubeやGoogle Play、Google アシスタントなどの各種サービスが利用可能になります。

Gmailのアドレスを持っていれば、そのままGoogle アカウントとして使えるため、新たに作成する必要はありません。Google アカウントやGmailのアドレスを持っていない方は、Googleの公式Webサイトから作成しましょう。

5）Wi-Fi®環境

Chromecastで安定してキャストするには、通信速度が安定したWi-Fi環境が必要です。

動画コンテンツをスムーズに再生するためには、一般的なHD画質で5Mbps以上、4Kコンテンツを視聴する場合は20Mbps以上の通信速度が目安とされています。

Chromecastの設定方法

Chromecastの基本的な設定は、Chromecast本体をテレビのHDMI端子に接続し、Google Homeアプリを通じてWi-Fiに接続するだけです。簡単なステップの設定で、テレビの大画面を使って動画や写真を楽しめるようになります。

対話型セットアップを利用すると、ひとつひとつの手順に従ってセットアップを進められますが、細かい手順は詳しく解説されていません。以下のWebサイトにアクセスして、手順をひとつずつ確認しましょう。

※Google Chromecast対話型セットアップについては、こちらをご確認ください。

1）Chromecastの接続

Chromecastをテレビで利用するには、まず本体をテレビのHDMI端子にしっかり差し込みます。

次に、付属のUSB電源ケーブルを本体に接続し、もう一方を電源アダプター経由でコンセントに差し込んで給電しましょう。

従来のChromecastやChromecast with Google TV、最新のGoogle TV Streamerでも共通の手順です。

2）テレビとChromecastリモコンの設定

テレビの電源を入れ、Chromecastを接続したHDMI入力に切り替えます。

入力を切り替える方法はテレビの機種によって異なり、リモコンの「入力」や「ソース」ボタン、またはテレビ本体の下部や背面にあるボタンで操作可能です。画面がうまく表示されない場合は、HDMI入力が正しく選択されているか確認しましょう。

従来のChromecastは、HDMI入力に切り替えるとGoogleロゴが表示され、スマホでの設定案内が始まります。

一方、Chromecast with Google TVやGoogle TV Streamerなどのリモコン付きモデルでは、接続後すぐに「ペア設定の開始」などのメッセージがテレビに表示される場合があります。

「ペア設定を開始」が表示された場合は、専用リモコンの「戻る」と「ホーム」ボタンを同時に長押しし、ライトが点滅するまで待ちましょう。

3）Google Homeアプリでの設定

ChromecastやGoogle TV Streamerの初期設定には、スマホやタブレットにインストールした「Google Home」アプリを利用します。初期設定の手順は以下のとおりです。

1.Bluetooth®とGPSをオンにする
2.「Google Home」アプリを起動する
3.ChromecastやGoogle TV Streamerで利用するGoogle アカウントを入力する
4.「デバイス」アイコンをタップする
5.「追加」アイコンをタップする
6.「Google Nest デバイスまたはパートナー デバイス」アイコンをタップする
7.「家を選択」または「家を追加」を選択して「次へ」をタップする（まだ「家」を作成していない場合は表示に従って先に作成する）
8.検出を待つ（アプリが自動的に、起動しているChromecastやGoogle TV Streamerを検出する）
9.セットアップするかどうかを尋ねるメッセージに「はい」を選択する
10.テレビ画面上のQRコードをカメラでスキャンする
11.接続プロセスが完了するまで待つ
12.利用規約とGoogle プライバシー ポリシーを確認し、「同意する」をタップする（同意は自己責任で行ってください）
13.テレビが設置されている部屋を選択して「次へ」をタップする

「次へ」をタップしたら、Wi-Fiの設定を行います。

4）Wi-Fiの設定

Wi-Fiの設定手順は以下のとおりです。

1.スマホやタブレットで利用しているWi-Fiを選択する
2.メッセージが表示されたら、ネットワークパスワードを入力して「次へ」をタップする
3.「Google アカウントによるログイン」を選択して「続行」をタップする
4.メッセージが表示されたら2段階認証プロセスを設定する
5.画面の指示に従って操作する

「ここでのセットアップは終了です」が表示されたら、「Google Home」アプリでの設定は終了です。

5）リモコンの設定とセットアップの完了

リモコンがセットアップされていれば、テレビに「ようこそ。Chromecast with Google TV をご利用いただけます」や「ようこそ。Google TV Streamer をお使いいただけるようになりました」などのメッセージが表示されます。

ここで「始めましょう」を選択すれば、ChromecastやGoogle TV Streamerが利用可能です。

画面に異なるメッセージが表示される場合は、画面の指示に従ってリモコンのセットアップを完了してください。

Chromecastの使い方と操作方法

Chromecastで知っておきたい使い方と操作方法は、主に以下のとおりです。

・キャストの使い方
・再生・停止・音量調整
・キャストするアプリの切り替え
・ミラーリング

それぞれ順番に解説します。

キャストの使い方

スマホの画面をテレビにキャストしたい場合は、YouTubeやNetflixなどChromecastに対応しているアプリの再生画面や共有に表示されるキャストアイコンをタップします。

表示されるデバイスの一覧からChromecastを選択すると、Chromecast接続済みのテレビにスマホの画面が表示されます。

Google Homeアプリを開き、Chromecastを選択して「画面をキャスト」をタップする方法でも利用可能です。

再生・停止・音量調整

Chromecast with Google TVやGoogle TV Streamerに付属しているリモコンを使って、再生や停止、音量調整、チャンネルや動画の選択が可能です。

また、スマホやタブレットで動画アプリを表示し、アプリ上で再生や停止、表示する動画の変更もできます。

キャストするアプリの切り替え

スマホで別のアプリを開き、再度キャストアイコンをタップしてChromecastを選択することで、キャストしているアプリの画面を切り替えられます。

ミラーリング

ミラーリングとは、スマホやパソコンの画面をそのままテレビに映し出す機能です。

キャストとは異なり、表示中の画面や操作内容すべてがリアルタイムで反映されるため、プレゼンテーションやアプリの操作手順を共有したいときに役立ちます。

Chromecastを利用してAndroidスマホの画面をテレビにミラーリングする手順は、以下のとおりです。

1.スマホの画面上部のステータスバーを上から下にスワイプして「画面のキャスト」をタップする
2.「デバイスに画面をキャスト」の画面でミラーリングしたいテレビやディスプレイを選択する
3.「キャストを開始しますか？」と表示されたら、メニューから「画面全体をキャスト」へ切り替えてから「画面のキャスト」をタップする（「画面全体をキャスト」とは、ミラーリングのこと）

OSのバージョンや機種によって操作手順や項目名が異なる場合があるため、詳しくは公式Webサイトの製品ページやサポートページでご確認ください。

なお、iPhoneは「Google Home」アプリを利用してChromecastやGoogle TV Streamerと接続し、テレビにアプリをキャストできますが、ミラーリングはできません。

※ミラーリングについては、こちらをご確認ください。

Chromecastが接続できないときにすぐ試せる6つの対処法

Chromecastが接続できないときにすぐ試せる主な対処法は以下のとおりです。

・スマホやテレビ、Chromecastを再起動する
・電源接続を確認する
・HDMI入力と出力の一致を確認する
・Wi-Fi接続を確認する
・Wi-Fi接続を5GHzに変更する
・ファームウェアとアプリを更新する

それぞれ順番に解説します。

1）スマホやテレビ、Chromecastを再起動する

再起動することで正常に検出されてセットアップが進んだり、Chromecastが正常に接続できたりします。まずは関係する機器をすべて再起動してみましょう。

Chromecastはコードを抜くと電源がオフになるので、3～5秒ほど待ってからコードを再接続すれば再起動できます。

2）電源接続を確認する

Chromecastは常時給電しなければ利用できないため、付属の電源ケーブルが必要です。一度Chromecast本体から電源ケーブルを抜いて、しっかりと差し直しましょう。また、電源ケーブルがコンセントにささっているか確認してください。

3）HDMI入力と出力の一致を確認する

テレビの表示（出力）が、Chromecastを接続したHDMI入力（例：HDMI 1、HDMI 2など）と同じチャンネルに設定されていることを確認し、違っていた場合は一致するようにもう一度設定してください。

4）Wi-Fi接続を確認する

スマホやタブレットとChromecastが同じWi-Fiに接続されていることを確認してください。Chromecastでキャストするためには、同じネットワークを利用する必要があります。

また、Wi-FiやBluetoothの接続が安定しているか、データの通信速度に問題がないかを確認し、必要に応じてWi-Fiルーターを再起動してみましょう。

5）Wi-Fi接続を5GHzに変更する

Wi-Fi接続を安定させるため、スマホとChromecastの接続先を2.4GHzから5GHzに変更してみましょう。ChromecastのWi-Fiの変更はGoogle Homeアプリで行います。

6）ファームウェアとアプリを更新する

ChromecastとGoogle Homeアプリ、YouTubeなどのアプリが最新バージョンになっている必要があります。アップデートされていないものは最新の状態に更新してください。

どうしても接続できないときはChromecastをリセットしよう

問題が解決しない場合は、Chromecastを初期状態にリセットしてみましょう。ChromecastやGoogle TV Streamerのリセット方法は2つあります。

1）Chromecast本体からリセットする

テレビに接続して電源がオンになった状態で、背面にあるボタンを長押しします。LEDが黄色に点滅するので、白い点滅に変わるまでボタンを押し続け、色が変わったら手を放してください。

2）Chromecast音声リモコンからリセットする

Chromecast音声リモコンからリセットする場合は、テレビに接続して電源がオンになった状態で、画面の右上で「プロフィール＞すべての設定＞システム＞デバイス情報＞出荷時設定にリセット」の順に選択してください。

Chromecastでスマートなエンタメライフをはじめよう！

YouTubeなどのストリーミング配信サービスの動画を、手軽にスマホからキャストしてテレビの大画面で楽しめるのがChromecastの魅力です。

映画はもちろん、旅行先のホテルのテレビで撮影したばかりの動画や写真をみんなで楽しむときに利用するなど、活用方法はさまざまです。

野球やサッカーなどのスポーツを生中継する配信サービスをキャストして、家族や友人と応援するのもChromecastならではの楽しみ方といえるでしょう。

ただし、スマホで動画や音楽を再生したり、ゲームをプレイしたりすると、データ利用量が増えてしまいます。スマホを快適に使うためには、料金プランの変更も検討してみてください。

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