Wi-Fi 7とは?Wi-Fi 6/6Eとの違いや活用シーンをわかりやすく紹介

Wi-Fi 7とは?Wi-Fi 6/6Eとの違いや活用シーンをわかりやすく紹介
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2025.11.17

Wi-Fi 7は、最新世代のWi-Fi®規格で、従来よりも通信速度が大幅に高速化されています。

対応するルーターや端末もすでに多数販売されており、自宅への導入で快適なインターネット環境が構築できます。Wi-Fi 7を試してみようか迷っている人も多いかもしれません。
今回は、Wi-Fi 7とはなにか、Wi-Fi 7の特長などを紹介します。

目次

Wi-Fi 7とは?

Wi-Fi 7は、Wi-Fi 6/6Eに次ぐ第7世代のWi-Fi規格で、正式名称は「IEEE802.11be Extremely High Throughput(EHT)」です。

Wi-Fi 7では、3つの周波数帯(2.4GHz/5GHz/6GHz)のすべてを利用できます。これは、Wi-Fi 6が対応する2.4GHz/5GHzに加え、Wi-Fi 6Eから新しく使えるようになった6GHzも含まれています。そのため、従来より広い帯域を活用でき、混雑を避けて安定した通信がしやすくなります。

さらに、Wi-Fi 7の大きな特長としてMLO(Multi-Link Operation)があります。これは、複数の周波数帯を同時に使えるしくみです。たとえば、「2.4GHzと5GHzを同時に使う」といったことが可能になります。これにより、通信が速く安定しやすくなり、大容量データを扱う動画視聴や、遅延に影響を受けやすいオンラインゲームなどの場面でも快適に利用できます。

Wi-Fi 7とこれまでのWi-Fi®規格(Wi-Fi 6/6E以前)との違い

Wi-Fi 7を含むWi-Fi規格の一覧は、次のとおりです。

世代

新名称

規格名

最大通信速度

周波数帯

第7世代

Wi-Fi 7

IEEE 802.11be

46Gbps

2.4GHz帯/5GHz帯/6GHz帯

第6世代

Wi-Fi 6E

IEEE 802.11ax

9.6Gbps

2.4GHz帯/5GHz帯/6GHz帯

第6世代

Wi-Fi 6

IEEE 802.11ax

9.6Gbps

2.4GHz帯/5GHz帯

第5世代

Wi-Fi 5

IEEE 802.11ac

6.9Gbps

5GHz帯

第4世代

Wi-Fi 4

IEEE 802.11n

600Mbps

2.4GHz帯/5GHz帯

第3世代

-

IEEE 802.11g

54Mbps

2.4GHz帯

第2世代

-

IEEE 802.11a

54Mbps

5GHz帯

第2世代

-

IEEE 802.11b

11Mbps

2.4GHz帯

第1世代

-

IEEE 802.11

2Mbps

2.4GHz帯

Wi-Fi 7とWi-Fi 6/6Eの比較は、次のとおりです。

 

Wi-Fi 6

Wi-Fi 6E

Wi-Fi 7

規格リリース年

2019年

2020年

2024年

変調方式

1024QAM

1024QAM

4096QAM

最大ストリーム数

8x8

8x8

16x16

最大帯域幅

160MHz幅

160MHz幅

320MHz幅

通信速度は、Wi-Fi 6/6Eの最大9.6Gbpsに対し、Wi-Fi 7では最大46Gbpsと、4.8倍に高速化されています。最大帯域幅も2倍に拡張されました。

帯域幅とは、データが流れる道路の広さのようなもので、広いほど一度に送れるデータ量が増え、通信速度も向上します。最大帯域幅は、その規格で利用できる「帯域幅の上限値(その道路が拡張できる限界の広さ)」のことです。

変調方式とは、データを電波に載せて送る方法のことです。QAM(Quadrature Amplitude Modulation)はその一種で、数値が大きくなるほど一度に送れる情報量が増え、通信速度が速くなります。

また、最大ストリーム数とは、同時に送受信できるデータの通り道の数を指します。ストリーム数が多いほど、複数の端末への同時通信や大容量データの送受信がスムーズになります。

なお、Wi-Fiは下位互換性があり、同じ周波数であれば従来のWi-Fi規格の端末とも接続が可能です。Wi-Fi 7対応ルーターなら、2.4GHz帯/5GHz帯/6GHz帯に対応し、下位互換性があるため、基本的にはすべてのWi-Fi対応端末と接続が可能です。

Wi-Fi 7対応端末

Wi-Fiで通信を行うには、ルーターと端末の両方が同じ規格に対応している必要があります。Wi-Fi 7を十分に活用するためには、ルーター・端末ともにWi-Fi 7対応でなければいけません。

Appleでは、以下がWi-Fi 7に対応しています(2025年10月時点)。iPhone 16シリーズでWi-Fi 7への対応がありますが、iPhone 16eは非対応です。

・iPhone Air

・iPhone 17 Pro Max

・iPhone 17 Pro

・iPhone 17

・iPhone 16 Pro Max

・iPhone 16 Pro

・iPhone 16 Plus

・iPhone 16

・iPad Pro (M5)

Googleでは、以下がWi-Fi 7に対応しています(2025年10月時点)。Google Pixel 9はWi-Fi 7に対応していますが、Google Pixel 9a、Google Pixel 10は非対応です。

・Google Pixel 10 Pro Fold

・Google Pixel 10 Pro XL

・Google Pixel 10 Pro

・Google Pixel 9 Pro Fold

・Google Pixel 9 Pro XL

・Google Pixel 9 Pro

・Google Pixel 9

そのほかにも、以下のスマホ・タブレットがWi-Fi 7に対応しています(2025年10月時点)。

・Galaxy Z Fold7

・Galaxy Z Flip7

・Galaxy S25 Ultra

・Galaxy S25

・Galaxy Tab S10 Ultra

・Xperia 1 VI

・AQUOS R9 Pro

・AQUOS R9

・14T Pro

・14 Ultra

・Xiaomi Pad 7 Pro

・ProArt PZ13 HT5306QA

また、ゲーム機のPlayStation 5 Proや、VR/MR一体型ヘッドセットのPICO 4 UltraもWi-Fi 7に対応しています。

Wi-Fi 7の機能

Wi-Fi 7の主な特長として、以下の機能が挙げられます。それぞれの機能について詳しく見ていきましょう。

・320MHz幅の帯域幅

・MLO(Multi-Link Operation)

・4K-QAM

・Multi-RU

・プリアンブルパンクチャリング

320MHz幅の帯域幅

Wi-Fi 6/6Eでは最大160MHz幅だった帯域幅が、Wi-Fi 7では最大320MHzまで拡張されました。

前述のとおり、帯域幅はデータが流れる道路の広さのようなもので、幅が広いほど同時に多くのデータをやり取りできます。高速道路の車線が増えて、たくさんの車が一度に通行できるようなイメージです。データ転送量が増えることで、通信速度が大幅に向上しています。

MLO(Multi-Link Operation)

MLO(Multi-Link Operation、マルチリンクオペレーション)は、複数の周波数帯を同時に利用できる技術です。従来のWi-Fiでは主に2.4GHz/5GHz/6GHzのいずれかを利用していましたが、Wi-Fi 7ではこれらを組み合わせて同時に通信することが可能です。

これにより通信容量が大きくなり、速度だけでなく安定性も向上しています。ひとつの帯域に障害が発生しても、別の帯域で補えるため、快適な通信を維持しやすくなります。

4K-QAM

Wi-Fi 7では変調方式に「4K-QAM(4096-QAM)」が採用されています。変調方式とは、前述のとおりデータを電波に載せて送る方法のことで、高密度にデータを詰め込むことで効率的な通信が可能になっています。

Wi-Fi 6/6Eの1024-QAM(10bit)からWi-Fi 7の4096-QAM(12bit)へ増加したことで、同じ帯域幅でも理論上20%の通信速度の向上が見込めます。

Multi-RU

Wi-Fi 7では、Wi-Fi 6で導入されたOFDMAをさらに発展させた、Multi-RU(Multi-Resource Unit、マルチリソースユニット)に対応しています。

OFDMAは、周波数を細かく分割し、複数端末に割り当てて同時に通信できる技術です。その分割された最小単位をRU(リソースユニット)と呼びます。

これまでは各ユーザーにひとつのRUが割り当てられていましたが、Wi-Fi 7のMulti-RUでは1ユーザーに複数のRUを割り当てることが可能になりました。これにより周波数の利用効率が高まり、スムーズな通信が可能となっています。

プリアンブルパンクチャリング

Wi-Fi 7で新しく導入されたプリアンブルパンクチャリングとは、周波数帯の一部に干渉がある場合でも、干渉部分を避けて残りの帯域を有効活用できる技術です。

これにより、従来のように干渉があると帯域全体が使えなくなってしまう問題を防ぎ、効率的な通信が可能になりました。

Wi-Fi 7を活かせるシーン

Wi-Fi 7の通信を活かせるシーンを以下でいくつか見ていきましょう。オンラインゲームやWeb会議、動画視聴など、身近なシーンでもWi-Fi 7は有効です。

オンラインゲーム

Wi-Fi 7では、低遅延でリアルタイムの通信が期待できるため、オンラインゲームに適しています。格闘ゲームやFPS(ファースト・パーソン・シューター)など、一瞬の判断やシビアなレスポンスを求められるようなジャンルでも、ラグが起きにくく快適にプレイできる可能性があります。

FPSとは、一人称視点(プレイヤーの視点)で銃や武器などを操作して戦うシューティングゲームのジャンルのことです。

Web会議

ビジネスシーンのWeb会議でも、Wi-Fi 7が活用できます。高解像度の映像でも途切れにくく、クリアな画質でやり取りができます。音声や映像の遅延も抑えられるため、Web会議をスムーズに進めやすくなります。

4K/8Kの動画視聴

4K/8Kなどの高画質な動画の視聴も、Wi-Fi 7の通信環境があれば、より快適なものになります。データ利用量の大きな動画も、Wi-Fi 7なら読み込み待ちで映像が止まることが少なく、映画・ドラマ・スポーツ中継など自宅での動画視聴も快適に楽しめるでしょう。

Wi-Fi 7対応ルーターを選ぶときのチェックポイント

Wi-Fi 7を導入するには、端末と併せて、Wi-Fi 7に対応したルーターも必要です。

Wi-Fi 7対応ルーターを選ぶときのポイントとしては、最大通信速度、有線LAN規格、機能面、接続台数などが挙げられます。

なお、対応状況についてはルーターの公式Webサイトなどを確認しましょう。

Wi-Fi 7への対応状況

まずは、Wi-Fi 7に対応しているルーターかを確認して候補を絞りましょう。性能が高いとされているルーターでも、Wi-Fi 6/6Eまでの対応である場合があるので確認が必要です。

最大通信速度

Wi-Fi 7の規格は6GHz帯を含む3つの周波数帯に対応しています。ただし、「Wi-Fi 7対応」と称するルーターの中には6GHz帯には対応せず、以前から利用されている5GHz帯と2.4GHz帯という2つの周波数帯だけを利用するルーターもあります。

そのため、実際のルーターで周波数帯ごとに最大通信速度を示す際、3つの周波数帯に対応するルーターは「○○Mbps+○○Mbps+○○Mbps」、2つの周波数帯に対応するルーターは「○○Mbps+○○Mbps」と表記されることが多いです。

高速通信を重視する場合は、最大通信速度の数値が大きいモデルを選ぶと快適でしょう。

有線LANの仕様・対応状況

LANケーブルでルーターに接続する場合は、有線LANの規格も確認しておきましょう。一般的なLANポートは「1000BASE-T(最大1Gbps)」に対応していますが、最近はより高速な規格も登場しています。

対応する環境・端末がある場合は、2.5GBASE-T(2.5Gbps)や10GBASE-T(10Gbps)に対応するルーターも選択肢になります。

利用できる機能

複数の周波数帯を同時利用できる「MLO」など、Wi-Fi 7の新機能をサポートしているか確認しておきましょう。また、広い家で利用するなら、ルーターを組み合わせて広い範囲をカバーできるメッシュWi-Fiへの対応なども注目すべきポイントです。

接続できる台数

Wi-Fiルーターには接続できる台数に上限があります。スマホやパソコンなど複数の端末を同時に利用する場合や、IoT端末(インターネットに接続できる家電や端末)を常時接続する場合、家族で同じ時間に使う場合など、接続台数が多くなるときに備えて、ルーターの仕様を確認しておきましょう。

Wi-Fi 7の高速通信でもっと快適にインターネットを利用しよう

Wi-Fi 7は、第7世代のWi-Fi規格で、通信速度はWi-Fi 6/6Eの最大9.6Gbpsから最大46Gbpsまで高速化されました。

Wi-Fi 7の特長は、320MHz幅の帯域幅、MLO、4K-QAM、Multi-RU、プリアンブルパンクチャリングなどが挙げられます。

2024年にWi-Fi 7がリリースされて以降、対応ルーターも続々と登場しています。Wi-Fi 7の高速通信を導入して、快適にインターネットを利用しましょう。

また、外出先でも快適にインターネットを利用するなら、スマホの料金プランを見直してみるのもおすすめです。データ容量に余裕のある料金プランに乗り換えれば、ストレスなく通信が利用できるようになるでしょう。

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