Qi2とは?最新ワイヤレス充電規格の特徴やMagSafeとの違い、選び方を解説!

Qi2(チーツー)とは、ワイヤレス充電の最新規格です。最近、Qi2に対応したスマホ(iPhone・Android™)や充電器・モバイルバッテリーなどが増加しています。
今回は、Qi2に関して徹底解説します。Qi2に対応した機器・製品のメリット・デメリットや充電器の選び方なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
Qi2とは?
Qi2(チーツー)とは、スマホなど一般向けの電子機器で使用されるワイヤレス充電規格です。2023年に、WPC(Wireless Power Consortium、ワイヤレスパワーコンソーシアム)によって策定されました。
WPCはワイヤレス充電規格の標準化を推進するために2008年に設立された団体で、数多くのスマホ関連企業(Apple社など)が加盟しています。
そもそも「ワイヤレス充電」とは
ワイヤレス充電とは、電子機器・製品(スマホなど)を充電器に接近させ、電磁誘導によってケーブル接続なしで充電する方法です。
ワイヤレス充電を実施するためには、送電側(充電器)と受電側(電子機器)の双方に充電用コイルが内蔵されている必要があります。
送電側コイルに電流が流れると、周囲に磁力(磁場)が発生します。その影響で受電側のコイルにも電流が流れ、この電流を使ってスマホなどのバッテリーを充電する仕組みです。
QiとMagSafe
Qi(チー)は、2010年にWPCが策定したワイヤレス充電規格です。Qi2の前身規格であり、さまざまな製品で採用されてきました。
また、MagSafeは、Apple社が独自に開発したワイヤレス充電に関する規格・技術(マグネットで製品と充電器を固定する仕組み)です。2020年にリリースされたiPhone 12から、MagSafeへの対応が開始されました。
その後、Apple社がWPCに対して技術協力を実施しました。その結果、MagSafeの技術(マグネットによる位置合わせ機能)が取り入れられてQi2規格が誕生した経緯があります。
QiとQi2の互換性
QiとQi2は互換性があり、「Qi2対応充電器でQi対応スマホを充電すること」も、「Qi対応充電器でQi2対応スマホを充電すること」も可能です。
ただし、Qi2規格に対応していないスマホには、「マグネットによる位置合わせ機能」がありません。位置ずれが発生しやすく、出力が落ちたり充電が不安定になったりする可能性があります。
また、Qi対応充電器でQi2対応スマホを充電する場合も、充電器側の出力がQi規格に限られるため、充電速度は従来のQiと同程度でしかできません。
Qi2の策定によってQiから進化した点

Qi2では、MPP(Magnetic Power Profile)が採用されています。MPPとは、内蔵マグネットによって適切な位置で固定する仕組みです。冷蔵庫にマグネットを貼るときのように、スマホと充電器が「ピタッ」とくっつくイメージです。
そのため、機器・製品(スマホなど)と充電器の位置ずれが防止され、安定的かつ効率的に充電が可能です。
また、Qi2は最大15Wのワイヤレス充電に対応しています。そのほか、異物検知精度も向上しており、異物混入時に出力を迅速に制御・停止する仕組みが備わっています。
2025年7月のアップデートで誕生した「Qi2 25W」
2025年7月に、ワイヤレス充電規格Qiのアップデートとして「Qi v2.2.1」(ブランド名:Qi2 25W)が発表されました。Qi2 25Wでは、最大出力が25Wに向上しており、より高速な充電が可能です。
また、今後のアップデートでは、さらなる高出力化が検討される可能性があります。
Qi2規格に対応する機器のメリット
Qi2規格に対応した機器・製品(充電器・スマホなど)を利用する主なメリットは、以下のとおりです。
・位置ずれが起きにくく、安定して充電できる
・対応製品が増えて選択肢が広がっている
それぞれに関して詳しく説明します。
位置ずれが起きにくく、安定して充電できる
Qi2規格では、マグネットで機器と充電器を固定するため、位置ずれが起きにくく、安定して充電できる点が特長です。
ケーブルを差し込む必要がないため、片手でも設置しやすく、充電端子の摩耗・劣化も抑えられます。また、製品ごとにケーブルを使いわける手間がかからないことも魅力のひとつです。
対応製品が増えて選択肢が広がっている
前述のとおり、MagSafeはApple社の機器・製品(iPhoneなど)向けのワイヤレス充電規格です。しかし、Qi2規格は、Apple社以外の機器・製品(VR機器やAndroidなど)にも対応しています。
2024年以降、Qi2規格に対応した機器の発売が増加しており、今後も対応する機器が増えることが期待されます。
Qi2規格に対応する機器のデメリット
Qi2規格に対応した機器・製品には、メリットだけではなく、以下のようなデメリットもあります。
・有線よりも充電速度が遅い
・アクセサリの選択に制限がある
それぞれ詳しく説明します。
有線よりも充電速度が遅い
Qi2規格に対応した充電器は、Qi規格と比べると、充電速度が向上しています。ただし、有線の充電器と比べると、充電速度は遅いです。
また、ワイヤレス充電では、有線充電よりも発熱量が多く、熱がこもりやすい傾向があります。その結果、発熱によりバッテリーの劣化が進行する可能性があります。
アクセサリの選択に制限がある
Qi2規格によるワイヤレス充電では、製品の背面部分と充電器を接近させなければなりません。厚みがあるケースや背面に突起があるケースを装着している状態では、充電できない場合があります。
また、金属を含むアクセサリ(金属製スマホケースなど)が製品と充電器の間に存在すると、発熱したり充電できなかったりする場合があります。そのため、アクセサリを選ぶ際には注意が必要です。
Qi規格・Qi2規格における対応機器の認証件数の推移
Qi認証機器の製品数(WPCによってQi規格・Qi2規格に対応していると認証された件数)の推移を下表にまとめました※。
|
2021年 |
973件 |
|---|---|
|
2022年 |
1,037件 |
|
2023年 |
618件 |
|
2024年 |
1,475件 |
※出典:総務省(株式会社三菱総合研究所が作成)「近接結合型WPTの市場動向について」
2023年にQi2規格が策定されて以降、2024年頃からQi2規格に対応した機器・製品が増えています。
主要メーカーのQi2規格の対応状況
近年、さまざまなメーカーがQi2規格に対応した機器・製品を製造・販売しています。主なメーカーのQi2規格への対応状況は、以下のとおりです。
|
メーカー |
|
Qi2規格対応製品の例 |
|---|---|---|
|
スマホメーカー |
Apple |
iPhone 13以降の製品(Qi2ワイヤレス充電:最大15W) |
|
|
Google Pixel 10シリーズ(Qi2規格に対応したワイヤレス充電の仕組み「Google Pixelsnap」が搭載) |
|
|
Samsung |
Galaxy S25、Galaxy S25 Ultra、Galaxy S25 Edge、Galaxy Z Fold 7、Galaxy Z Flip7(いずれも「Qi2-Ready」として認証) |
|
|
充電器メーカー |
Anker |
Anker MagGoシリーズ |
|
ELECOM |
W-MS08シリーズ、W-MA08シリーズ、DE-C68-5000シリーズ、DE-C67-10000シリーズ、W-MA10シリーズ |
Qi2-Ready認証機器とは、Qi2規格の充電性能に対応した機器・製品を指します。ただし、製品内部にマグネットが搭載されていない場合があります。その場合でも、マグネットリング付きの対応ケースなどを組み合わせることで、マグネットによる位置合わせを活用したワイヤレス充電が可能です。
Qi2規格に対応した充電器を選ぶ際のポイント
Qi2規格に対応した充電器を選ぶ際は、出力性能を確認しましょう。一般的には、出力が大きい充電器ほど、充電時間を短縮しやすくなります。ただし、スマホが対応しているW(ワット)数までしか速度は上がらないため、スマホの対応W数もあわせて確認することが大切です。
スタンド型の充電器の場合は、縦置き・横置きの双方に対応しているタイプが望ましいです。横置きに対応していれば、端末を横向きに置けるため、画面を見やすくなります。
そのほか、過充電や過熱の防止、異物検知などの安全機能の有無も確認しましょう。
ワイヤレス充電技術に関する今後の展望
ここまでは、Qi2など現在主流のワイヤレス充電規格について解説しましたが、あわせて今後期待される新しいワイヤレス充電技術についても見ていきましょう。
現状の電磁誘導方式によるワイヤレス充電技術では、充電器とスマホが離れるほど磁力が周囲に逃げてしまい、電気がうまく届かず充電が遅くなりやすい、という弱点があります。電磁誘導方式の課題を背景に、磁界共鳴方式など、新しいワイヤレス充電技術の研究・開発が大学や企業で進行中です。
磁界共鳴方式では、送電側および受電側のコイルの振動するタイミング(共振周波数)をあわせることで、電力の伝送が可能です。
送電側と受電側に距離があっても効率的に電力が伝送できるとされており、スマホだけではなく、家電など、複数の機器・製品を同時に充電できる技術として注目されています。
Qi2規格の対応機器で充電をより快適に!スマホの買い替えも検討を
最新のワイヤレス充電規格「Qi2」に対応した機器・製品(スマホなど)と充電器を利用すれば、マグネットで位置合わせができるため、より安定して充電できます。
ただし、Qi2は新しい規格であるため、古いスマホは対応していない場合があります。Qi2規格による充電性能を活用したい場合は、新しいスマホへの買い替えもご検討ください。
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