キャリア決済とは?限度額や仕組み、導入・利用のメリットと注意点を解説
スマホを利用している際に便利な支払い方法であるキャリア決済について、その仕組みをご存知ですか?
キャリア決済は、サービスを提供する事業者と利用者の双方にメリットがある一方で、いくつかの注意点もあります。
今回は、キャリア決済の特徴やメリット、注意すべきポイントについて、事業者と利用者それぞれの視点から解説します。
キャリア決済とは?
キャリア決済とは、主にオンライン上で購入した商品やサービスの代金を、月々の通信料とまとめて支払える携帯電話会社のサービスです。
たとえば、ゲームアプリ内の課金やネットショップでのお買い物、占いサイトの会費などをキャリア決済で支払えます。
事業者がキャリア決済を導入するメリット
事業者が支払い方法としてキャリア決済を導入する主なメリットは、以下のとおりです。
- 新規顧客の獲得
- 機会損失を防ぎやすい
- 未回収リスクを低減できる
上記を順番に解説します。
新規顧客の獲得につながる
キャリア決済はスマホがあれば完結する決済手段なので、クレジットカードを持たない方でも利用でき、新規顧客の獲得につながります。
特に、18歳未満の利用者はクレジットカードを使えないので、若年層にとって、キャリア決済はオンラインショッピング時に利用しやすい決済方法です。
若年層やクレジットカードを利用しない顧客へのアプローチを考えている事業者は、キャリア決済の導入を検討してみましょう。
機会損失を防ぎやすい
キャリア決済は、利用者が事前に有効にしておけば、決済画面で選択するだけで支払いが完了します。
クレジットカードのようにカード番号や契約者氏名、セキュリティコードを入力する手間がありません。
また、携帯料金と一緒に支払いができるため、個別に支払い手続きをせずに済みます。
利用者によっては、複雑な決済手続きを面倒に感じて購入を断念するケースがあるため、キャリア決済のような簡単に支払いが行える決済方法は機会損失を防ぎやすく、売上アップが期待できます。
未回収リスクを低減できる
キャリア決済のメリットとして、代金の未回収リスクを軽減できることも挙げられます。
キャリア決済では、利用者が支払う料金を各携帯電話会社が立て替えるため、事業者は代金の回収を心配する必要がありません。
未回収リスクを低減できれば、事業者は安定した利益を確保できるため、安心して事業を展開できるでしょう。
利用者がキャリア決済を活用するメリット
利用者がキャリア決済を活用するメリットは以下のとおりです。
- クレジットカード情報をお買い物のたびに入力しなくてもよい
- クレジットカードが不要なので、未成年でもお買い物ができる
- 上限金額が設定できるので使いすぎずに済む
- なりすましの被害に遭いにくい
上記を順番に解説します。
クレジットカード情報をお買い物のたびに入力しなくてもよい
キャリア決済の大きなメリットとして、クレジットカード情報をお買い物のたびに入力しなくてもよい点が挙げられます。
クレジットカードは便利な決済手段ですが、情報漏えいによる悪用のリスクがゼロではありません。さらに、毎回情報を入力する必要があるなど、手間が発生します。
キャリア決済はクレジットカードと比べて購入の手続きが簡単なため、手間をかけず、安心してお買い物を済ませることができます。
クレジットカードが不要なので、未成年でも安心してお買い物ができる
利用するサービスの決済方法によっては、クレジットカードと紐付ける必要があり、未成年者では利用できないケースがあります。
その点、キャリア決済は携帯電話の電話番号に紐付いた決済方法で、クレジットカードが不要なので、未成年者がお買い物をする際の有効な手段といえます。
上限金額が設定できるので使いすぎずに済む
キャリア決済はクレジットカードよりも上限金額が低く設定されていることが多いため、使いすぎて高額な請求になるリスクを抑えられます。
そのため、若年層の利用者でも安心して使えるというメリットがあります。
なりすましの被害に遭いにくい
キャリア決済は、クレジットカードの情報などをインターネット上で入力する必要がないため、なりすましの被害に遭いにくいメリットがあります。
クレジットカードの場合、カード番号や契約者氏名、セキュリティコードが流出すると、第三者に不正利用されるおそれがあるため、注意が必要です。
一方で、キャリア決済は携帯電話番号と認証で決済が完了するので、勝手に使われてしまうリスクが低く、安心してお買い物を楽しめます。
「後からまとめて支払う」という点ではクレジットカードと変わりませんが、より利便性が高いことはキャリア決済のメリットのひとつです。
事業者がキャリア決済を導入する際の注意点
事業者がキャリア決済を導入する際の注意点は以下のとおりです。
- 決済手数料が比較的高い
- 利用限度額が低い
- 携帯電話会社の審査を通過する必要がある
上記を順番に解説します。
決済手数料が比較的高い
事業者がキャリア決済を導入する際は、決済手数料に注意しましょう。
決済手数料は、利用者が決済するたびに事業者側が支払う手数料で、携帯電話会社によって金額が異なります。
すべてのキャリア決済で共通しているわけではありませんが、クレジットカードよりも手数料が高いことがあるため、利益の減少につながってしまう可能性があることを覚えておきましょう。
利用限度額が低い
キャリア決済の利用限度額は、クレジットカード決済よりも低い傾向にあります。
次の表は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルのキャリア決済の利用限度額をまとめたものです。
携帯電話会社 |
利用限度額 |
---|---|
NTTドコモ |
10,000円~100,000円(税込) |
KDDI |
1,500円~100,000円(税込) |
ソフトバンク |
2,000円~100,000円(税込) |
楽天モバイル |
10,000円~200,000円(税込) |
キャリア決済の利用限度額は利用者の年齢によって異なりますが、100,000円~200,000円が上限になることが多いです。
利用限度額を超えるとキャリア決済が利用できないため、利用者が購入をあきらめてしまうことで機会損失につながるかもしれません。高額な商品を販売している事業者の場合は、キャリア決済以外の決済方法も導入しましょう。
携帯電話会社の審査を通過する必要がある
キャリア決済を申し込むと、事業者は携帯電話会社の審査を受ける必要があります。
審査の内容や基準は非公開ですが、扱っている商品やビジネスモデルによっては審査に通らず、キャリア決済を導入できない可能性があることを覚えておきましょう。
利用者がキャリア決済を活用する際の注意点
利用者がキャリア決済を活用する際の注意点は、以下のとおりです。
- モバイル回線から利用する必要がある
- 利用限度額がある
上記を順番に解説します。
モバイル回線から利用する必要がある
キャリア決済は通信業者との連携を行うため、パソコンのようなモバイル回線以外の手段では基本的に利用できません。
一部通信業者では、パソコンでのオンラインショッピング時にキャリア決済を利用できますが、最終的にスマホでの認証が必要です。
そのため、スマホがないとキャリア決済を利用できません。
利用限度額がある
キャリア決済は、携帯電話会社や利用者の年齢によって利用限度額が設定されています。利用限度額以上のお買い物はできないので、利用者は常に利用状況を把握しておく必要があります。
なお、限度額は、利用者自身が上限までの範囲内で調整できるので、事前に設定することで計画的な利用が可能になります。
キャリア決済の仕組み
キャリア決済の流れは、以下のとおりです。
- 利用者が決済支払い画面で「キャリア決済」を選択
- 利用者がネットショップで商品・サービスを購入
- 携帯電話会社から利用者へ、通信料と合算して請求
- 利用者が携帯電話会社に料金を支払う
- 携帯電話会社が決済代行業者へ入金
- 決済代行業者からネットショップへ入金
利用者は決済支払い画面でキャリア決済を選択するだけで利用可能です。代金の支払い先は携帯電話会社ですが、キャリア決済分は決済代行業者を通じてネットショップに支払われます。
画面上で支払い方法を変更するだけで利用できるので、利用者としては使いやすい機能です。
キャリア決済の種類と特徴
キャリア決済は、提供している携帯電話会社によって利便性やポイント還元率、キャンペーンなどの内容が異なります。
以下では、携帯電話会社が提供する主なキャリア決済とその特徴を紹介するため、選ぶ際は比較してみましょう。
NTTドコモのキャリア決済:d払い
d払いの特徴は、お店やネットでのお買い物でdポイントが貯まる点です。dカードやdポイントカードをあわせて活用すれば、効率的にポイントを貯めることができます。また、ドコモユーザー以外でも、dアカウントを発行すればd払いが利用可能です。
KDDIのキャリア決済:auかんたん決済
auかんたん決済の特徴は、指定のショップでの利用やキャンペーンへの参加でPontaポイントが貯まる点です。支払い方法は、通信料金合算支払いのほか、au PAYカード支払いやau PAY残高支払いなどがあります。
ソフトバンクのキャリア決済:ソフトバンクまとめて支払い
ソフトバンクまとめて支払いは、ソフトバンクとLINEMOの利用者が対象の決済サービスです。スマートフォンやパソコンで購入したデジタルコンテンツの代金などを、毎月の携帯電話の利用料金とまとめて支払えます。
楽天モバイルのキャリア決済:楽天モバイルキャリア決済
楽天モバイルキャリア決済※は、Google Playストアでダウンロードしたゲームアプリ内での課金や、LINEコイン、YouTube Premium、電子マガジン、Google Oneなどの料金支払いを、楽天モバイルのお支払いと同じ方法で決済できるサービスです。
楽天ポイントが貯まりやすい点が特徴で、貯まったポイントは楽天市場をはじめとする楽天グループの各種サービスでもご利用いただけます。
※楽天回線対応のAndroid製品をご利用のご契約者様が対象です。
※楽天モバイルキャリア決済についてはこちらをご確認ください。
キャリア決済ができない原因
利用者がキャリア決済できない場合、以下の原因が考えられます。
- 通信料金が未払い
- 利用限度額に達している
- 契約者以外のアカウントでログインしている
- アクセスエラー
キャリア決済を利用するためには、月々の通信料金がしっかりと支払われている必要があります。未払いがあると、決済サービスの利用が一時的に停止されます。
また、キャリア決済の利用限度額の上限に達すると決済ができないため、利用額は定期的に確認しておくとよいです。
ほかにも、契約者以外のアカウントでログインしている場合や、スマホの通信環境の不具合やサーバーの混雑などの理由でエラーが発生する場合は、キャリア決済を利用できません。エラーが起きたら、ログインしているアカウントや通信環境をチェックしましょう。
キャリア決済の導入費用
事業者がキャリア決済を決済方法として導入する場合、次の費用が発生します。
- 初期費用
- 月額費用
- 決済手数料
サービスによって、初期費用や月額費用、決済手数料は異なります。初期費用や月額費用が無料でも、決済手数料が高額なケースがあるので、事前に導入する場合の売上や利益のシミュレーションを行いましょう。
キャリア決済の導入方法
キャリア決済を導入する方法は、次の2種類があります。
- 直接契約
- 決済代行会社経由の契約
上記を順番に解説します。
直接契約
直接契約とは、キャリア決済を提供している各携帯電話会社と事業者が直接契約を結び、サービスを導入する方法です。
直接契約で複数のキャリア決済を導入したい場合、事業者は携帯電話会社ごとに申し込みや契約を行う必要があります。
また、決済が行われるたびに、携帯電話会社ごとに異なる経理処理や管理が必要です。
特定の携帯電話会社と密接な関係を築いている事業者なら、直接契約で問題ありません。
しかし、複数の携帯電話会社と契約していると運用や手続きが複雑になりやすく、事業者によっては負担が大きくなる可能性があることに注意しましょう。
決済代行会社経由の契約
決済代行会社を通じてキャリア決済を導入する方法があります。
決済代行会社が複数の携帯電話会社との契約を代わりに行うため、事業者は個別に契約を結ぶ必要がありません。
申請や処理などの手間が大幅に削減され、決済代行会社を通じて入金されるので、経理処理がシンプルになります。
キャリア決済以外の決済手段も一緒に導入できるので、複数の決済方法を一元的に管理したい場合におすすめです。
キャリア決済の導入がおすすめの業種
キャリア決済は、主にオンラインショッピングで利用される決済方法のため、次のような業種で有効です。
- ECサイト、通販サイト
- コンテンツ販売サイト
たとえば、ECサイトや通販サイトでは、クレジットカードを持たない若年層や手軽に購入したい利用者に対して、手軽な決済方法を提供できます。
機会損失を防ぎ、幅広い顧客層を獲得したいECサイトや通販サイトの事業者は、キャリア決済の導入を検討しましょう。
また、音楽や動画、電子書籍などのデジタルコンテンツを販売するサイトでは、キャリア決済の導入によって、利用者へ即時の購入機会を提供できます。
コンテンツ販売サイトは価格帯が抑えられている傾向もあるため、上限金額が低いキャリア決済との相性はよいです。
キャリア決済をうまく活用していきましょう
キャリア決済は、格安スマホにはない便利な機能です。
事業者は、クレジットカードを持たない層に対して決済方法を提供できるので、新規顧客の獲得や機会損失を防げるなどのメリットが得られます。
一方で、利用者は、オンライン上でお買い物をするたびにクレジットカード情報を入力しなくても、気軽にお買い物が可能です。
そのため、キャリア決済は、クレジットカード情報を都度入力したくない方におすすめの手法です。
ただし、思わず使いすぎてしまうことも考えられるため、利用開始前には、自分の利用状況にあった上限金額を設定しておきましょう。注意点をしっかりと確認したうえで、キャリア決済を活用してみてください。
また、自分の利用スタイルにあわせた料金プランを選ぶことも重要です。
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